青森県の脇野沢村は海と山に囲まれた小さな村です。 ここには色々な野生動物が生息しています。北限の野猿(ニホンザル)やニホンカモシカなどが有名ですね。 是非一度は訪ねたい場所です。 |
この脇野沢村には,「脇野沢ユースホステル」という宿舎があります。我らもずっと以前からお世話に なっているのですが,ここに「いそやま たかゆき」さんというペアレントさんがいます。この人は, プロの写真家で猿やカモシカの素晴らしい写真を撮ると供に,「鳥獣保護区管理員」として,下北の 野生生物を見守っています。
![]() 写真:いそやまたかゆき |
ここに掲載した二つの写真は いそやま たかゆきさんの作ったポストカードから引用させてもらいました。 見て判るとおり,ニホンザルとニホンカモシカです。プロの写真家なので,もっと一杯一杯写真は あるのですが,勝手に借用するわけにはいかないので,ポストカードになっているもののうち,二つ だけを借りました。
どちらも冬の写真に片寄ってしまいましたが,この寒い地方では当然というか,冬になると寒さから 身を守るため,動物達の体毛は冬毛といって,フサフサの毛になります。だからふっくらして人間から 見ると,とても可愛らしく見えるのですね。人間のかってといえばかってですね。
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さて,ここの動物達はマスコミ的には結構有名のようで,野生動物にしてはよくテレビに登場します。 それで,我等もできるだけ見逃さないようにして見てるわけですが,やっぱり好いフィルムと好くない フィルムがあります。(当然,主観的なものですが・・・。) 好いフィルムというのは,サルや カモシカが,そして村人達があるがままに映されているもので,好くないフィルムというのは,その 反対でヤラセがあったり,好き勝手に編集したものですね。やはり,動物とくに霊長類を撮影して フィルムを流す場合には,その尊厳を汚さないようにしてほしいものです。(それでは,視聴率は稼 げないかもしれませんが,人間の驕りは見せつけて欲しくありません)
そういえば,二・三十年前に「キタキツネ物語」という映画があって,私も見にいったのですが,
これはひどい映画でした。(まあ,私にとってだけかもしれませんが) あるシーンにおいて,ただ
フィルムを撮るためだけに「キタキツネ」を追い回しているのです。キタキツネは俳優ではないのに,
まったく人間の驕りを見たという印象でした。 おっと,これは余談でした。
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脇野沢村には「鯛島(たいじま)」といって,鯛の形に見える島があります。この鯛島には,一つ の「悲恋物語」があります。坂上田村麻呂という平安時代の将軍が蝦夷征伐の際に,この村にしばらく 逗留したときの村の娘との物語です。まあ,偉い男というのは,昔も今も勝手なもののようで,この 田村麻呂は村の娘とねんごろになった後,娘を見捨てて都に帰ってしまうのですね。残された娘は命を 絶ってしまい,その後,海蛇の姿となって海を荒らすという言い伝えです。
また,琵琶石というのもあって,これは源義経がこの地に逃れてきたときに,海が荒れてどうしよう もなくなったときに,弁慶がその石の上に座って琵琶を弾き,海を鎮めたということが伝わっています。
このように,海と山と野生動物と,そして古い云い伝えのある村です。小さな村で人口も少ないですが
心の暖かいところです。
みなさん一度訪ねてみては如何でしょうか。
![]() [初秋] 九艘泊の奥の道路から見た集落 |
![]() [冬]
牛の首から見た鯛島 |
![]() [冬]
北限の猿と鯛島 |
![]() [春]
愛宕山公園とニホンカモシカ |
![]() [冬] 厳冬期の北限の猿 |
![]() [春] 生まれたばかりの赤ん坊と母親 |
![]() [秋]
ニホンカモシカの親子 |
![]() [冬]
厳冬期 |
![]() [冬]
12月5日の「鱈の場取り」 |
![]() [冬] 脇野沢川下流の大白鳥 |