=1998年の活動=

 
第60回 (1998.8.29) 行き詰まりをどう打開していくか,創造性の高度技法 (No.2)

岩城忠夫氏により,「行き詰まり打開のための高度技法」についての講義をして頂きました。
5月に続いての2回目で,今回は「滋賀県の活性化を図る!」というテーマで,実習しました。

1.6色ハット発想法を取り入れて会議を行なう

2.飛び石法を応用してアイデアを出す
   イ)逆転発想   ロ)誇張発想
   ハ)歪曲発想   ニ)願望発想

3.思考のパターンとしては
  1)正確な事実情報           −−− 白
  2)論理的否定(日本人の80%の発想) −−− 黒
  3)論理的・建設的肯定(日本人の20%)−−− 黄
  4)感情的意見             −−− 赤
  5)代替案(創造的思考)        −−− 緑
  6)指導・進行・まとめ         −−− 青

  我々はこの6つの思考をゴチャゴチャに使っている。

  思考方法をキチッとしていくためには,この6つの思考を意識的に
  切り替えて意見を述べていくことが大事である。
      (一つの思考にはまって結論を出すのを防ぐ)

4.具体例として

 「交通渋滞を解消するにはどうすればよいか?」

 <目的地レベル>
  ・車を規制する(例:マイカー乗り入れ禁止)
  ・奇数,偶数別No毎の車規制
  ・その他−−−

 <代替案レベル>
  ・車を規制する−−−バスの本数を増やす
         −−−周辺に駐車場を増やす−−−どこそこの土地に作る
                      −−−その他,いろいろ

  案が出て来なくなれば,「飛び石」を投げてやる。
  そうして,また盛り上がってくれば,ひとつの意見に着目して
  さらに「飛び石」を投げて進めていく。

5.実習:滋賀県を発展・活性化させるためには?

 1)正確な事実情報 −−− 白
   ・面積,人口:全国比1%
   ・第2次産業の比率が多い(全国比1.3%)
   ・工業製品出荷額が多い:全国比:2.1%
   ・一人当たりの県民所得:全国比110%
   ・重要文化財が多い:全国比6.6%
   ・都市公園数が少ない:全国比0.5%
   ・病院数が少ない:全国比0.6%
   ・その他,いろいろ

 2)否定的な意見 −−− 黒
   ・滋賀県は保守的である
   ・今後は工業製品の出荷も減っていくだろう
   ・琵琶湖は認知されているが滋賀県知っている人は少ない
   ・その他

 3)感情的意見 −−− 赤
   ・こんな保守的な所に住みたくはない
   ・自然も多いし私は大好きだ
   ・なんといっても琵琶湖があるのがいい
   ・その他

 4)肯定的・建設的意見 −−− 黄
   ・文化財の多いのは歴史のある証拠で,このメリットが大切である
   ・病院数が少ないのはみんなが元気な証でもある
   ・近畿の水瓶「琵琶湖」がある,これを有効に利用しよう
   ・その他

 5)創造的意見(琵琶湖をキーワードとして) −−− 緑
   ・琵琶湖の周辺に世界の各文化を並べよう
   ・トンネルを掘って日本海と太平洋につなげよう
   ・琵琶湖の一番広い箇所に橋を架けよう
   ・どうせ架けるなら縦と横の十文字に架けよう

            ↓

  [飛び石]琵琶湖が太平洋より大きいとすれば!

   ・世界の各地と橋でつながる
   ・真ん中に空港を作って世界を結ぶ
   ・国際会議場を作ろう

            ↓

    [どんな国際会議場がいだろうか?]

   ・琵琶湖の上で遊園地が一緒になったようなもの
   ・宇宙都市のようなドーム型の会議場を琵琶湖の底に作る
   ・それなら水族館も兼ねよう
   ・琵琶湖全体を水族館に!

 というように思考を切り替え,「飛び石」を使いながら思考を進めていく。


 
第57回 (1998.5.23) 行き詰まりをどう打開していくか,創造性の高度技法

岩城忠夫氏により,「行き詰まり打開のための高度技法」についての講義をして頂きました。

  ]T+T=]
  この等式は正しくない。さて数字を加えたり消したりせずに
  どうやれば正しく式を成立させることができるであろうか?

[6色ハット発想法と思考のギヤチェンジ]
  エドワード・デボノ−−−「水平思考」「6色ハット発想法」

  全員が議長の色指示に従い,黒なら否定的な意見だけを,
                緑なら創造的な意見だけを出し合っていく。
  (日本人の80%は黒的な発想をしてしまう。子供の場合は黒的発想は比較的少ない)

  白(事実思考)  :正確な情報,客観的事実
  赤(感情)      :自分の感情,直感・印象
  黒(論理的否定):批判的・悲観的な意見,不正確な点・危険性の指摘
  黄(論理的肯定):建設的・楽観的な意見,価値,プラス面
  緑(創造的思考):新しいアイデア,独創的・創造的な考え,展開と挑発
  青(統率指揮)  :コントロール,指揮,結論


[技法]
    脱出法      ランダム・ワード法     飛び石法

        


[飛び石法]
  発想に行き詰まった時に,視点を変えるために一つの飛び石となるもの置いてみる。
  飛び石としては「そんなバカな」と叫んでしまうようなものを!

   イ)逆転発想:機械的に全く逆方向のことを考える(例,車のエンジンを天井に乗せる)
   ロ)誇張発想:極端に縮小・拡大してみる(例,エレベータの入り口を10mにする)
   ハ)歪曲発想:人・物の関係を歪め,ひねってみる
   ニ)願望発想:夢のような希望,起こりそうもない空想的要素をもたせる


 経験・専門知識・習慣・制度・境界が創造性を邪魔している。
 創造性をぶち壊す最も危険な言い方は「何々と同じだよ」という発言である。


 
第55回 (1998.3.28) 甲賀忍者村と花風香の湯巡り

 当会のメンバー「船田昌宏氏」を幹事として,甲賀忍術村と花風香の湯巡りとしゃれ込みました。

 久しぶりでの外での例会。幼児を連れた家族連れも含めて,楽しく忍術村を巡りました。昼食は バーベキューで,当然のことながらビールなどを飲みながら,しばらく話がはずみました。

 「花風香の湯」は忍術村から数分の所にある甲賀町のお風呂。子供達と一緒にお風呂で遊びながら みんなでノンビリと疲れを休めました。たまには,こういった外での例会も楽しいものです。


 
第54回 (1998.2.21) KYT(危険予知トレーニング)

 当会のメンバー「忍足幹夫氏」により,KYT(危険予知トレーニング)についての話をして頂きました。

 KYT:危険予知トレーニング
  ・危険に対する感性を高める
  ・自分がどう予測できるか?

 災害の要因は,不安全な行動が80%を占める。

[ハインリッヒの法則]
  重災害:小災害:ヒヤリハット=1:29:300
             ↓
  これより,300件のヒヤリハットを減らすようにする

[災害連鎖:ドミノ理論]  __
  1)制御の不足(管理)  |
  2)基本原因 (起源)  | このうち,1)・2)を
  3)直接原因 (兆候)  | 減らして災害を防ぐ
  4)事  故 (接触)  |
  5)傷  害 (損失)__| 

[注意と不注意]
 ・注意・不注意は交互に繰り返されるリズムがある
    (集中力はせいぜい5秒から15秒と云われている) 
 ・「注意によって災害を防止する」は非科学的精神論的安全管理
             ↓
    注意・不注意のリズムを少しでも注意側にもっていく
        <注意力のギヤチェンジ>

[KYTの4ラウンド]
  1)現状把握(どんな危険がひそんでいるか?)
  2)本質追究(これが危険のポイントだ!)
  3)対策樹立(あなたならどうする?)
  4)目標設定(私たちはこうする!)

 何回もやってマンネリ化すると条件反射で考えるようになる
 (ということはマンネリというのもいい状態といえる)


 
第53回 (1998.1.24) 生物時計と脳のはたらき

 外部講師「岩城忠夫氏」を招いて,「生物時計と脳のはたらき」についての講義をして頂きました。

<脳の構造>
 ・幹 脳 ・・・生きていくための基礎条件をつかさどる
 ・視床下部・・・欲求,欲望のはたらき
 ・扁桃核 ・・・ものごとの好き嫌いを決める
 ・側坐核 ・・・行動をつかさどる
 ・前頭葉 ・・・創造・企画などのはたらき

<松果体>メラトニンを創り出す
 ・いわゆる体内時計は松果体にもっている
 ・人間の体内時計は21時間余り,これはは虫類時代のもの

 [創造性に対する松果体のはたらき]
   直感力:4歳〜5歳位が一番敏感
       4歳〜5歳位から磨かないと直感力は養われない

<初めに欲求ありき>
 ・まず欲求がないと始まらない(視床下部をはたらかす)
   意識をしていないと見えないし聞こえない
       (欲求があって意識があることが重要) 
 ・欲求があって行動が伴わないと創造性は働かない
   [視床下部 → 扁桃核 → 側坐核 → 前頭葉]
    (欲求)  (好き嫌い)  (行動)  (創造) 

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 今年の計画も併せて決めました。
 今年も昨年同様,毎月各自の持ち回りで運用することとしました。