早春の鈴鹿・雪のテーブルランド 御池岳写真紀行

  山行日   ・・・ 2008年3月21日〜22日
コース・ルート ・・・ 21日 : 御池林道・T字尾根取付点〜T字尾根〜奥の平(幕営)
             22日 : 幕営地〜ボタンブチ〜丸山〜鈴北岳〜ヒルコバ〜鈴ヶ岳
                   〜伊勢尾〜御池林道〜T字尾根取付点
  メンバー  ・・・ 岡村、河瀬、澤山、ぶっちゃ

 今年初めての幕営山行、早春の鈴鹿・御池岳のテーブルランドへ行って来ました。
君ヶ畑の村落を抜けて、除雪された御池林道を走り、T字尾根取付点に車を止めて、登り始めたのは昼過ぎとなっていました。
 取付からしばらく続く植林帯を抜けると周りが開け、鈴鹿の山々が冬枯れの木々と残った雪のまだら模様の山肌をあらわに、本格的な春の訪れを今や遅しと待っているように見えています。 暖かい日差しに包まれ、又久々の重荷で汗びっしょりとなってT字尾根の一角に登り着いたのでした。
   

御池林道・Tj字尾根取り付き点

さあ出発!

支尾根に登りついて一休み

支尾根からT字尾根に向かう
 T字尾根はその名前のとおり、御池岳のテーブルランドの南西側に主脈と平行するように連なった標高800m〜900mの尾根で、これがT字の横線の部分で、この尾根は西側を御池川本流に洗われ、御池川支流の小俣谷、ゴロ谷に囲まれた約3kmほどの横尾根、小俣谷とゴロ谷が裏の東側まで深く入り込み、その間の縦尾根が御池岳のテーブルランドに突き上げている訳なのです。

ボタンブチからT字尾根を見下ろす
 左の写真はそのT字尾根を翌日22日に、御池岳のボタンブチから見たものですが、Tの横尾根と、ちょうど真ん中辺りから、御池岳に向かって縦尾根が伸びている様子がよくわかると思います。すぐ下の谷がゴロ谷、縦尾根の左側が小俣谷、横尾根の向こう側には御池谷となっています。尾根の向こう側の三角形のピークは御池谷対岸の天狗堂です。
 このような地形は、他の山域ではあまり見られない珍しいものだと思いますが、さてどうなんでしょうか?

 さて、T字尾根の東側のぶな林にはまだたっぷり雪が残っていました。雪の上を淡々と歩いて横尾根から縦尾根との分岐ピークの広い頂上を右に曲がり、縦尾根に入ります。
 だらだら登りを登りきって杉の木ピークを越え下り切った鞍部から、右手小俣谷源頭部の雪解けの豊富な流れが見えていました。反対側のゴロ谷側は急崖となっていて、対岸の正面に御池岳の急斜面が大きく迫っていました。
 ここからいよいよ御池岳テーブルランドへの最後の登りとなります。 
 鞍部からは始め広い尾根を登って行きますが、やがてそれも御池岳・テーブルランドの大斜面に消え、雪と笹の斜面を登るようになります。直下になると露出した石灰岩の間を縫う様に登り、午後5時頃我々は一面雪に覆われたテーブルランドの一角に登り着いたのでした。

 


T字尾根を行く

T字尾根縦尾根より分岐ピークを振り返る

杉の木ピークより御池岳の西側大斜面

一面雪の御池岳テーブルランド・奥の平
 以前から、ここ奥の平で一度雪の時期にテントで泊まって見たいと思っていたのですが、今回ようやくその望みが果たせる事になります。 雪の無い林の中の笹原にテントを設営し、久しぶりの河瀬さんの鍋料理で酒盛りを開始しました。
 夕方一時ガスに覆われたりましたが、夜になるとすっかりガスは晴れ、満月に近い月がこうこうと奥の平を照らし始めていました。広い雪原は月の光に照らされて青く光り、点在する林がまるで海に浮かぶ島のようで、とても幻想的な雰囲気です。 期待していたとおりのすばらしい幕営です。ただ三重県側の町明かりが意外に近くに見え、辺りの雰囲気にそぐわないのが、ちょっと残念でした。

奥の平

テントから見る月
 翌朝は、雲ひとつ無いドピーカンの空、朝日がテーブルランドの広い雪原を眩しく照らし、近くのカレンフェルトを赤く染めていました。テーブルランドの縁に立つと、眼下の深い谷間を隔てて、昨日登って来たT字尾根や天狗堂、南には幾重にも連なる鈴鹿の峰峰が、朝日に輝いて見えていました。さすがに鈴鹿最高峰御池岳の一角からの眺めです。まさにここは天上の別世界、ここでの幕営して大正解!重い荷物を担いで来た価値は十分過ぎるぐらいあったと言うものです。
 我々は朝の散歩を済ませ、遅い朝食を摂った後テントを撤収、午前7時過ぎ御池岳縦走を目指して、この価値ある幕営地を後にしました。


 


朝日に照らされたカレンフェルト

輝く朝の雪原

鈴鹿南部の山々・雨乞岳方面

 ドリーネにも日が当たって来た
 足跡も無い広い雪原を、思うがままのコースを取って歩くのは何と楽しい事でしょう!まだ朝で雪が締まっているので、雪原歩きのピッチははかどりました。

雪原の中にある林のテント場

さあ、出発!

奥の平で一番大きな?青のドリーネ

雪原を行く河瀬さんとぶっちゃ
 奥の平の雪原には大小、いくつものドリーネが点在しています。この時期は雪に覆われているので、すり鉢状のドリーネの形がわかりやすく、石灰岩質の台地特有のこの地形は、何時来ても興味深いものがあります。この1000m近い台地が大昔は海の底だったのですから、自然の偉大な力は、我々の想像をはるかに越えたものです。これらドリーネの下には、ひょっとすると誰も知らない大きな鍾乳洞があるのかも知れません。
 雪原を横切って、緩やかな尾根に出るとそこはテーブルランドの東側の縁、目の前の視界が開け、御岳や中央アルプス、そして乗鞍から北アの、白山から奥美濃の白い山並を見ることが出来ました。尾根をたどって緩やかな斜面を登るとそこは奥の平ピーク、眼下には登って来た奥の平が一望出来、その向こうには藤原岳をはじめとする鈴鹿の山々が連なって見えていました。

2つのドリーネ

白山と奥美濃の山

奥の平ピークを登るぶっちゃ

奥の平を見下ろす。遠くは御在所岳
 奥の平ピークを越えて、最高峰丸山に向かいました。途中から尾根を下ってボタンブチに寄り道しました。ここからは昨日登って来たT字尾根がゴロ谷を隔てて一望出来ます。遠く琵琶湖の湖面も見えていました。
 丸山到着9時過ぎ、土曜日なので他のパーテイーが多いと思っていたのですが、時間が早い為か予想に反し、誰もいない静かな山頂でした。今の時期は木々もまばらで眺望も利きます。風も弱くぽかぽかと暖かい、すばらしい山頂でした。

ボタンブチ周辺

ボタンブチよりT字尾根・天狗堂

御池岳・丸山山頂

日本庭園付近にて一休み
 そして丸山山頂を後に、我々は鈴北岳に向かいました。雪に埋まった林の雪の上を適当に下り、真の沢源流部の雪原に下りました。雪の無い時ここは「日本庭園」と言われるように、草原の中にまばらな潅木を配し、湿原や池が点在する気持ちの良い所です。今は一面緩やかな起伏の雪原となっています。緩やかな雪の斜面を登り返し我々は鈴北岳に到着しました。
 ここから見る北側の眺めもすばらしいものでした。近くの霊仙山や伊吹山は南側斜面を見ているため、ほとんど雪はありませんでしたが、白山や奥美濃の山々は真っ白な美しい姿を見せていました。
 ここの山頂に初めて来た時には、背の高い笹が密生していたものですが、最近は笹の背も低く、又まばらになっているようです。この現象は鈴鹿の他の場所でも感じている事ですが、これの原因も最近の気候変動の影響なのでしょうか?
 

鈴北岳より御池・丸山

霊仙山と伊吹山

白山と奥美濃の山

山では一段と元気なぶっちゃ
 鈴北岳山頂で食事を摂って休んでいると、二人連れのパーテイーが鞍掛峠方面から登って来ました。「最高ですね!」と好天の山頂からの眺めに喜び一杯の声がかかりました。彼等はこれからボタンブチまで行くそうです。
 我々も鈴北岳を後に、今日最後のピーク・鈴ヶ岳に向かって出発しました。 雪の尾根を淡々とたどり、急な斜面を大きく下ると鈴ヶ岳直下の鞍部・ヒルコバです。ここの下りに例年見られる福寿草はまだ雪の下、残念ながらまだ見ることは出来ませんでした。
 ヒルコバから目の前の斜面に取り付き鈴ヶ岳を目指しました。ここから山頂まで短いながら結構なアルバイト、しかし30分後には全員元気に鈴ヶ岳山頂に立つことが出来ました。

鈴ヶ岳直下のヒルコバ

ヒルコバにて岡村、河瀬両氏

意外に広い鈴ヶ岳山頂より丸山を見る

雪の上より暖かいや!
 ここの山頂は周りから見て想像するより、かなり広い山頂です。しかしまばらな木々に覆われているので、葉がある季節には多分、眺望は得られないでしょう。でも今は御池岳方面や、北側の霊仙山方向は眺望の利きます。もし眺望は無くても、看板などもすくない何となく落ち着いた雰囲気を持つ好きな山頂の一つです。ここで我々はお茶を沸かし、少しのんびりと過ごしました。

 午後2時過ぎ、いよいよ下山にかかりました。南側の山腹急斜面を下って、伊勢尾に乗るルートです。少しヒルコバ方面に戻り、斜面を下り始めました。南側なので雪はすぐになくなり、柔らかい土の斜面が滑りやすいので、慎重に木を伝いながら下りました。しばらく下ると、やはりいつもの所に咲いていました!福寿草の大群落です。今年もやっと福寿草に逢う事が出来ました。今年はちょうど咲き始めたところなのか、葉はほとんどなく、いきなり土の上から花が開いていると言う形です。 葉のある福寿草も良いですが、このように花だけのものの方が、いかにも福寿草らしい気がします。

 福寿草を愛でながら、我々は鈴ヶ岳の急斜面を下り切り、尾根をたどって最後は少し登って伊勢尾に乗りました。そこからは尾根を南にたどり、ゴロ谷出会いに下りました。川の流れを渡って御池林道に立ったのは午後4時前でした。
 まだ車の通らない林道で、のんびりと湯を沸かして大休憩、そしてそこから1時間の林道歩きの後、無事上り口のTj字尾根取り付きに戻ったのでした。


ゴロ谷出合い・後は御池岳

御池林道を歩く


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