くりすます

毎年12月になると街はクリスマス一色に彩られる。

本屋に並ぶ雑誌もカップルでのクリスマスを過ごすための本ばかりが目に付く


今までは無関係で、それも気にならなかったけど


今年はオレにも好きな人ができたわけで




「し、宍戸さん!クリスマスに何か予定ありますか?」

「あ?何だよ、唐突に。跡部や忍足みたいにねーよ、別に」


「ならオレと一緒に過ごしてください」


「そりゃあ…いいけど、何する気だ。どこに行っても人が多いぞ」


あ、しまった。誘うことしか考えてなかった


とりあえず何か……うーん



「オレの家のテニスコートでテニスしませんか?」

「おう、ならいいぜ」


「じゃあ、1時に駅前で待ち合わせしましょう」


「1時だな。わかった」




っていう会話をしたのは先週の話。

確かに1時って言ったんだけど、現在4時を過ぎたことを鳩時計は知らせていた。


クリスマスは暇だって言ってたのに


確認の電話を入れるのも今更なような



結局宍戸さんは6時になっても来なくて

凹んだオレは心ここにあらずで夜中携帯を眺めていた。




結局宍戸さんからの電話もメールもなかった。


一体何があったのか、約束を忘れるような人じゃないのに


腑に落ちないまま気がつくと眠りについていた





翌日、携帯の着信音が勢いよく鳴り響いた。

宍戸さん専用の着信音


……うわっ、早くとらないと!



「はい、もしもし鳳です。」

「お前今どこにいるんだよ!」


「え?家ですけど…」


「もう1時半だぜ。約束は1時だっただろ?」


「え、あ…!すぐ行きますから」


何がなんだか判らないけど、着替えてほとんどなにも持たずに駅まで走っていった


こんなに全力疾走するのは部活や体育の時間くらいだよ


でも、もっと速く走らないと宍戸さんがいなくなっちゃうかもしれない



宍戸さんが時計台の前に立っているのがすぐ判った

あー、帰ってなくて良かった



「し、宍戸さん…」

息を切らしつつ宍戸さんの所に駆け寄ると


あきれ顔の宍戸さんがオレの顔を覗き込んできた


「お前、自分から言い出しておいてイイ度胸だよな」


「…はぁっ…はぁ……す、すみませ…」


「お前にしちゃ珍しいよな。いつも10分前には待ってるのによ」


宍戸さんは昨日のことは全然気づいてない感じで


呆れながらも笑っていた。


「あ、あの…宍戸さん」


「何だ?」


「オレあの時クリスマスって約束しましたよね?」


「ああ、今日がクリスマスだろ」



……マジデスカ。

本とかではありがちなネタなんだけど実際されると


気が抜けるな。


「そ、そうですね」


「ほら、さっさと行くぞ。テニスするんだろ?」


「はい、行きましょう」


来年のクリスマスはもっと前進できると良いな


そう心に誓って宍戸さんの跡を追って行った。





今更ですが、書きたかったので書きました。
長太郎が白すぎますね。おかげで恋人になってない状態の鳳宍。
クリスマスとかのイベントに無頓着な宍戸さんのために告白に発展しませんでした
まあ、それもいいかなと。ちなみに25日がクリスマスって言う人はいます。
その人が本気だったので私、ちょっと驚いたんです。