甘い果実 |
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絳攸はあることになると、冷静さを欠く。 まったく、折角の時間だというのに心はここにあらずという表情 いたずら心が芽生えるけれど、残念ながら普段のような反応は望めない。 一度試しにとしてみたら、さらりと流されたから 反応を楽しむためなのにやりがいのない。 と、肩を落とした時もある。 それからはただ、こちらもその様を眺めることにしている。 っと、焦点の合わない目がふと合った。 ふいに体が重くなる。頭を肩に乗せて体を預けてきた。 色事には慣れているほうとはいえ、どきっとした。 普段の絳攸からは想像もつかないほど無防備な表情と媚びて絡む身体 そそられないといえば嘘になる 無論、普段の姿も私には十分な話なんだけどさ。
「おい、抱け」 口調は代わらないけど弱々しく言う姿は本当に絳攸なのかと疑いたくなるほどしおらしい 言われるがままにぎゅぅっと抱きしめる 「…もっと」 「そんなことをしたら、壊れるよ」 「壊れてもいいから」 何を思ったのか絳攸は首を甘噛みしてくる ますます普段の彼らしくない行動 据え膳はありがたくいただくことにしているので 普段と違う絳攸も味わうのも一興 ということで着物を脱がしながら、首筋に接吻を落としながら 普段なら嫌がる場所にも手を這わせる 「…ぁん」 羞恥に顔を変えながらもイヤだとも言わず声を殺して くぐもった声を出すのはかわらない この方がかえってそそることも気がついていない
でもまあ、たまには現実をやりきれないために利用されるのも悪くはない 普段はなかなか触れることも叶わないから 私にとってはうれしい誤算だけどね ってなわけで、これはこれで互いに利害が一致 どこかむなしさが残らないといえば嘘になるのが悲しい
とはいえ、この原因はわかっている 絳攸の養い親である、黎深様絡みだ。 大方、まだ紅姓を賜っていないとかそんな所だろうけど 腕の中で喘ぐ絳攸にとっては大きな問題みたいだ 親の愛情との比例と聞こえるらしい 周りから見ればこだわる必要も感じないのに 馬鹿だなと思うけど、そこが可愛いと思う
腕の中では焦点の定まらない情欲に駆られた瞳が訴えている もっといじめたくなってわざと焦らす そのたびに、不満めいた声が喘ぎ声と混ざって漏れる 絶頂を焦らされ、自分の手を這わそうとしてくるので その手をわざと邪魔をする
そして、共に迎える絶頂。 馳せる思いが同じではなくても、この瞬間の気持ちは同じはず それだけでもこの情交に意味はあるはず
残念なことに私には強がって泣きついては来ない 恋人なのにすべてをまださらけ出してくれていないことはとても寂しい 本人が無自覚なのだから仕方のない話かもしれないけど まあ、全てを分かち合うのは難しいのかもな
少しずつその心に刻み込めればそれでいいかな |
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アニメ1期を見たときにどうしても書いてみたくなった双花菖蒲。 |