おみやげ


「真田副部長〜!」

校舎内で上級生である三年生を捕まえて話しかける事が苦手だった。

でも、二年生も半分を過ぎれば何となく慣れるものだなと妙に自己完結しながら

赤也は真田副部長に近づいた。

「なにか用か」

おきまりの事務的受け答えしか言わないことにもいい加減慣れてしまったので

はじめは苦手だった真田副部長の話し方にも気にせずに用事を済ませることにした。

「あのですね。オレ明後日から家族旅行なんですよ」

「ああ、きいている。で、何だ?」

「真田副部長はおみやげ何が良いですか?」

「…ローマ饅頭かフィレンツェ煎餅を頼む。」

少し真田は黙ったあとに真顔で答える。

赤也は返答に困ったが、

下手に突っ込んで校舎内でまで怒られるのはイヤだったので

頑張って引きつりながらも笑顔を製造した。

「え…あの、それでいいんスか?」

赤也は冗談とも本気とも判らない真田の表情を見ながら

なおも引きつらせた笑顔のまま確認をするが、

真田はただ「そうだ」と言い会話は終了せざるを得ない。

赤也は釈然としない思いを抱えて教室に戻ることにした。



もちろんそんなものが現地で売られているわけがない。

それでも赤也は旅が終わるまで探し続け

真田への言い訳を考える羽目になった。

楽しい旅行も気分が重くなり、空は晴れているのに

赤也の目には少々曇り空に写った。



「こんちわ。」

いつものように部室のドアを開けると目の前には真田副部長の姿。

できればいないときにさっさと済まそうと思っていた計画その1はあっさりと消えた。

「これ、お、お土産です。」

今日は修学旅行から帰って初日なので丸井先輩は俺を見てうきうきと近づいてくる。

「やった〜!今あけて食べてもいいかな?」

といいつつ、すでに手は包みを開ける丸井先輩。

真田副部長も止めない…止めてほしいような早く終わらせたいような

「チョコレートうまそう!」

「ブン太、太るぞ」

「今から動くから大丈夫。みんな食べないのかよ?

開けたてが一番おいしいのに。真田は不味くなったものでも食べるんだな」

「誰も食べないとは言ってない。」

ブン太にボロボロに言われたせいか真田はチョコレートに手を伸ばした。

丸井先輩のバカ…

今ほど心から思った日はない。

「…ふ、副部長。すみません」

「なにかしたのか?」

「副部長に言われたローマ饅頭もフィレンツェ煎餅も見つけられませんでした」

開き直って赤也は頭を深く下げて一気にまくし立てた。

「あれを本気にしたのか」

しかし待っていたのはお怒りの声でもなく、容赦のない平手打ちでもなく

拍子抜けな真田の一言。


はい?

思わず頭を上げて目で真田に訴えた。

訴えは思わず所から帰ってきた。


「やーっぱりな。仁王!オレ勝ち。」

「柳生とジャッカルの負けじゃな」

「……へ?」

「切原君なら気がつくと思っていましたが、仕方ありませんね。」

「なんじゃ?何呆けとるんじゃ」

「切原は賭の対象にされたの、飲み込めてるか〜」

丸井は面白がって呆けてる赤也の前で手をひらひらとさせた。

「くっそー!オレの一週間返せ!」



修学旅行は3年生が行くんだと終わりかけて気がつきました。
2年生が行くのは高校ですね…(汗)
これは氷帝ではできないなーと思って、立海。
六角でもできそうかな。でも、みんなボケてくれそうとか考えてました