>誕生日プレゼント


跡部の誕生日になにをあげようかと宍戸は迷っていた。

思えば、幼稚舎で出会ってから毎年何かしらプレゼントは贈ってはいたが

中学に入って跡部と恋人同士に昇格してからは、宍戸はプレゼントらしいモノは

何一つ跡部に送っていなかった。毎年、気がつくと流されて、

宍戸自身がプレゼントと言うことにされて好き勝手にされている。

それはいつもと何も変わらないのではないかと

宍戸はその時を思いだして顔を赤らめつつ、一人百面相をしながら考えていた。

しかし、跡部は宍戸の誕生日には宍戸の欲しいモノを

プレゼントしてくれていたので、宍戸はさらに申し訳なく思っていた。

なんとかして、跡部の欲しいモノを探そうと今年は夏休み前から調べていた。

しかし、気がつくと跡部の誕生日が明日になっている。


そういう理由で宍戸は跡部の誕生日の前の日から泊まることになっていることが

本当はとても嬉しいはずのことなのに、躊躇われていた。

一緒に帰ることが、そのあとどうなるのかも判っていたのでだらだらと延ばしていた。

跡部は委員会があったので、校門で二人は待ち合わせをしていた。

跡部は不機嫌そのものの表情で宍戸を迎えた。

「宍戸、俺様をさんざん待たせておいて、言うことはそれだけか?」

「あ、跡部…」

尊大なまでの跡部の態度に反論はしたかったが

これ以上跡部を怒らせるのは得策ではないと考えた宍戸は素直に謝った。

跡部も満足した笑みを浮かべ、宍戸の腰に手を回して自宅に連れられて行く。



跡部の部屋に連れてこられて、ベッドに座らされる。

結局、今年も同じコトになるのかと思うと悔しくなって涙がこぼれてきた。

跡部は宍戸のその姿を見るとすぐに側に寄ってきた。

宍戸の背中をさすって宍戸の顔を覗き込む

「…おい、どうかしたか?」

「あ…あのさ……」


涙を流しながら宍戸は申し訳なさそうな表情で跡部を見る。

いつになく優しい表情の跡部を見ると、更に申し訳ない気分になって更に涙をこぼした

その宍戸の行動が理解できない跡部は困り果て、背中をさするしかできなかった。

「なんだ?何があるんだ、言ってみろよ。」

口調こそは尊大だが、声は明らかに甘かった。

それでも宍戸は、その声が優しいので更に申し訳なくて涙がこぼれる。

跡部はゆっくりと宍戸を抱きしめ、宍戸は素直に身をゆだねそのまま抱き合った。




「あ、とべ…」


跡部に抱きしめられているのが、心地よい宍戸は重い口を開こうとした。

「なんだ?」

跡部は優しく微笑み、じっと宍戸が話すのを待つ。

「今年も…お前にプレゼントを、オレ……用意できなくて…」

消え入るような声で、申し訳なさそうな表情のままたどたどしく口を開く。

「…だから、オレは……」

そんな宍戸を察した跡部は、嬉しそうな表情で笑い宍戸を抱きしめる。

「そんなくだらないことを心配するな。バカが」

「お前、人が真剣になってるのをバカって…!」

抗議する声は跡部の口で封じられ、できなかった。

「オレはお前が側にいてくれればそれだけで十分なんだよ。」


「跡部?」

「考えても見ろ、俺様に手に入らないモノなんかないんだよ。

手に入らないのはお前の心くらいだ。」

「…そん……」

「だから、お前にプレゼントを贈るとお前は喜んでくれるだろ?

オレのことを好きだって、抱きついてきてくれるし……

…何言わせるんだよ、ばーか。」



跡部は言うだけ言うと後ろを向いて表情が見えなくなる。

宍戸は跡部が耳まで赤いことに気がついて吹き出しそうになるのをこらえて

そっと跡部にうしろから抱きついて跡部の頬に唇を落とす。

跡部は宍戸を見上げ、宍戸は顔を真っ赤にして跡部を見る。

「跡部がそんなこと思ってたなんて、オレさ、思ってもみなかった。」

「…ふん」

「すげー嬉しい。オレは景吾のものだからそんなこと言うなよ。愛してるぜ」

宍戸の告白に跡部は愛おしく宍戸を抱きしめ、

宍戸の耳元に"亮、愛してる"と囁く。


二人はお互いに微笑んでそのままベッドに沈んでいく。



一度は書いてみたかった跡宍。思っていたモノとは違うけどね…(汗)
まあ、誕生日だしいいかなとv