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ありきたりなふたり
手持ち無沙汰だったのでテレビを見ていたら、
金運の話になっていた。耳にほくろがあるのはお金が貯まるそうだ。
ふと、跡部は周りでは追随を許さない金持ちなので、
どうなのかなと気になったのがきっかけ。
「何してるんだ?」
次の日、跡部の家に行った宍戸はいつものように
通された部屋でくつろぐ跡部に近づいた。
おもむろに顔を近づけて、耳元のほくろ探しをしてみた。
昨日から気になって仕方なかったので、
ついつい跡部に断りもなしに覗き込んだのがいけなかったらしい。
跡部の声は戸惑い半分それ以上に不機嫌な空気をまとっていた。
そんなものに構うものかとほくろ探しを宍戸は続ける。
ソファの上に優雅に座る跡部にもたれるように宍戸は耳元を覗き込む。
ほくろは確かに小さなものも含めればいくつかあって、
ああそうなんだ。って妙に納得した。
満足した宍戸はようやく跡部に返答を返した。
「ほくろがあるか探してる」
いつもは無遠慮に触るのに、
こちらが触るとなると話は別とばかりに宍戸の動きを邪魔してきていた。
「んなことして、何が知りてーんだよ」
「耳にほくろがあるヤツって財運がいいって言うから跡部もそうなのかなって・・・」
「へぇ」
跡部の顔には嫌な笑みで満面になる。
とても、嫌な予感がする。
外れて欲しい気持ちとは裏腹に、
跡部は宍戸の手を取って腰に手を回してくるっと押し倒す体勢に変えた。
「なら、俺も確かめてやるよ」
「い、いらねー!!」
そのあと散々跡部に好きにされた宍戸の耳には、
季節遅れの虫に刺されたような赤い跡がいくつかついていた。
それに気がついた宍戸は跡部に抗議をしたが
「これで金運が上がるんじゃねーか、良かったな」
と、跡部に都合のいい話を持ってきたことに気づいたのは
すべてが終わってからだった。
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