| 焦燥と躊躇 | |
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調理実習があるって聞いた。 ってことは、宍戸さんの手料理が食べられるんだ そんなおいしい状況なのに俺はここで待つしかできないなんて (お前はいい加減、駄々漏れって気づけよ・・・) 傍から見れば、宍戸は3年、鳳は2年 当たり前だろうって突っ込むところなんが、鳳にはそれが理解できてないらしい 中学生も折り返し地点に来て、それはヤバイだろうと日吉は思った 他人事なのでどうでもいいのが本音だったが、同じテニス部に所属して 来年は部を引っ張る時に欠かせない人材だったのが彼の災難と言えた 日吉は軽くため息をついて、誰も近づかない駄々漏れの欲望を振りまく鳳の側に行った。 「おい、ぶつぶつ言うなら行ってきたらいいじゃねーか」 「え?」 相変わらず自覚はないのがいい迷惑だ。黙っていればモテると言われる鳳だが この癖で最近はクラスで浮いている。 本当は日吉も遠巻きの一人に加わりたかったのに、 同じテニス部ってことで鳳の面倒を処理する係に認定されてしまった。 無言の空気に逆らえなかった日吉はこうして貧乏くじを引いて、 鳳の面倒を見ることになった。 「授業が終わって即効行けばなんか残ってるんじゃねーか?」 「あ、そうか!さんきゅー、日吉。俺、行ってみるよ」 満面の笑顔で納得したらしい鳳は授業のチャイムと共に、ダッシュで廊下を駆けていった 実際のところ、調理実習は後片付けまでが授業なんだから 鳳がいくら全力で走っても終わってるんじゃないのかってことは 日吉も含めてクラスメイトは思っていた。 学年でも指折りの成績の持ち主なのに・・とクラスの者は心の中で思ったが 平和な休み時間を選んだのだった。 この休み時間のあと、日吉に予想通りぶつぶつと文句をぶつける鳳の姿があった。 日吉には、あっさりと流されて腑に落ちないと落ち込む姿が 教室の隅では繰り広げられたのも少し先のお話。
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