得るもの、得られないもの


「あーあ、もうすぐテストだぜ」

「うざいよな」


「こういうときは跡部が羨ましいな」


普段は一ミリも思わない話だけど。


本当かは知らないけど、跡部は試験勉強をしない人種だ。


勉強に関してはどんぐりの背比べな向日と宍戸は無駄な逃避をしながら


試験勉強のためのノートを用意していた。


「楽していい点取れればいいのにな」


「そんなのあったらみんな真似してるぜ」


「まったくだ」


二人は試験勉強をそれなりにがんばる必要があった。


テニス部の所属条件がテスト
50位以内だからである。


なので、頑張らないとラインすれすれの二人はテスト明けには荷物をまとめることになりかねない。

だから、嫌々ながら試験の準備に取り掛かっている。


「普段なんも思わなねーけど、部屋片付けたりしちまうんだよな」


「わかるぜ!やりかけのゲームに手を出したりとか」


「だよな、わかるぜ」


「自分らそんな言うてる時間ないやろ」


忍足は二人の背後から意気投合してる会話に水を差した。


「だって、逃避したくなるじゃん」


「休みの日にやり」


「忍足は試験勉強しないのか?」


「そら落ちひん程度にな」


「それであの順位なら変わって欲しいぜ」


「まったくだぜ」


「でも、逃避したくなるってのはわかるわ」


「だろ」


「つい、
DVD全集見たりとかするしな」


そこまでは流石にしないといいたかったが


忍足は悦に入って何かを思い出して反芻していた。


「お前ら、何の話してるんだ?」


「あ、跡部」


声をかけられて目線を上に上げると、跡部が不遜な態度で不思議そうにこちらを見ている。


「あーん?お前ら何ノート広げてるんだ
?


「試験用のノートだよ」


「うちは持ち込み可じゃないだろう」


「テスト勉強用のノートだよ」


「テスト期間中に勉強
?


「跡部…まさか勉強しないのか?」


「んなことするのか?」


「それ以上言わんとき」


「部活が休みなのも、勉強のためじゃねえのか?」


「あーん?テスト期間中は先生方が忙しいから速いんじゃねぇか」


「……」


自信満々に胸を張る跡部を一同は目を合わせ、


聞いた俺が悪かったとばかりに一同はうな垂れた。


うわさは本当だったんだ。


楽していい点取る実践者が目の前にいる


けれど羨ましいけど羨ましくなれないのが不思議な心境の二人だった。


何とかと何とかは紙一重。


そんな複雑な気持ちのまま三人はテストを迎えた。



ギャグが書きたかったんです。