>はじめの第一歩




「だとすれば、私はあなたを買い被っていたのでしょうか」

「そうじゃな、気になることがあってってのは正解かもしれん」

「珍しいですね。自分から認めるなんて」

「まあ、そう警戒すんなって。紳士様に聞いてみたいことがあるんじゃ」

「何か企み事でもあるのですか?」

「いや、純粋な疑問じゃ」

はぐらかされることを想定していたのに返ってきたのは意外な一言

「私に答えられる範囲でしたら協力しましょう」

「へぇ、そっちこそ珍しい」

「興味があるのはあなただけではないということですよ」

柳生の言葉に驚きを隠せなかった

何があってもポーカーフェイスは崩さないと決めていたのに

ふいに柳生の口から出てくる言葉は恋の告白のような言葉にはポーカーフェイスだって崩れる

「それで聞きたいこととは何でしょうか、仁王君」

そんなことが頭を掠めているのに、改まって言われると声が詰まった

天然のようだが、計算でもしているような態度だった

(これじゃあ、どっちが詐欺師なんじゃか)

柳生のほうが仁王よりもよっぽど駆け引き上手じゃないかと言いたくなる

だけど色々と掠めることを振り払い、疑問を聞くことにした

「いちご牛乳は好きなんか?」

「いえ、あんなどろどろとした甘い飲み物は苦手ですよ」

「じゃあ、なんで昨日の夕方は・・・」

あっさりとした言いっぷりにさらに拍子抜けした声で返答を思わず返す仁王

柳生は仁王の言葉に思い当たる節があるように言葉を続けた

「え?それは昨日の夕方のバスですか」

「そう、それじゃ」

「ええ、乗ってましたよ、妹と。それが何か?」

「い、もうと?」

あまりに拍子抜けしたその言葉に仁王の顔は、間抜けな顔になっていることは間違いがなかった。

「ええ、親戚の家に行く用事があって妹と一緒にバスに乗ってました」

「そん時いちご牛乳を飲んでいたじゃろ?」

「ええ、飲みました」

「やったら…」

嫌いなんじゃと言いたい言葉を遮り、仁王の言いたいことを理解した柳生は話しはじめた。

「ああ、あれはですね。妹が大好物のイチゴ牛乳がとてもおいしいと主張してきたのですよ。

それで、それはあまりにおいしくて幸せな気持ちになるのと言ってきたんです」

「へえ」

柳生は無意識かもしれないが、顔が段々と綻んでいく。妹君をよほど溺愛しているらしい。

思い出して話すと嬉しさも思い出すらしく昨日見たのと同じ笑みになっていく。

「私もそんな気持ちになれてよかったですね、と話すと妹はお兄ちゃまにもおすそわけです。

と飲むように勧めてきたのです。それで苦手なのですが飲むと不思議とおいしかったのです。

妹のおいしいという気持ちがこもっていたのか、幸せな気持ちになったのですよ」

「そういうことやったのか」

「満足していただけましたか?」

「ああ、のろけを聞かされた気分じゃ」

「のろけだなんて…!それに妹はまだ小学生ですよ」

「鏡を見てみんしゃい。どんな顔しとるのか」

「そ、そんなつもりは…」

柳生は必死に言い訳をはじめてきた。

その姿がいつもの胡散臭いまでの紳士の姿とはかけ離れていて、仁王はついに噴出してしまった

このあと、仁王は笑って柳生は仁王に必死に誤解を解こうとして言い合いになり、練習にはならなかった。

あとでやってきた幸村には笑顔で出直しておいでとランニングを命令され、二人仲良く走り出すことになった





一応、282友情エンディングかなぁ(ゲームのやりすぎ発言…)
柳生の所は年が離れてそうなので小学生にしてみたり