>柱の傷



柱の傷はぁ〜

おととしぃのぉ〜



「慈郎もちゃんと伸びてるな。ほら」

「あー、ホントだ。うれCー!!」
 
「お兄ちゃんの次はあたしのを計って〜」

「はいはい。じゃあ、こっちに立って」

「うん」

いつもは仕事で忙しい両親も今日は休みだ

端午の節句、こどもの日。

そして、俺の誕生日。

笑い話でよく祝日に生まれるのは意外と大変だと言われたけど

こうやって毎年迎える誕生日はみんな揃うからとても嬉しいものなワケで

ケーキが夕食の後にあるととても特別な感じがする

妹はきっと俺の誕生日よりケーキのが嬉しそうにも見えるけど


「おっ、去年より伸びたなぁ」

「本当?わぁい、やったぁ」

当たり前だけど、去年より伸びたって言われるのがとても嬉しい

 
こうやって柱に慎重を刻むのは、物心ついたときから

端午の節句の日に背比べをするのが習慣になっている

妹が生まれてからは、妹と一緒に計っていた

柱についた傷を見たら、去年より成長した証拠

学校でももちろん身体測定はあるけど、目に見える成長の証がここにはある。


小さい頃は普段は忙しい父さんが計ってくれるのがただ嬉しかった。

中学に入ってからは、少し複雑になったんだ。

同じくらいだった跡部や宍戸がどんどんと背が伸びていった。

俺はあの頃は二人に置いていかれたような気持ちになる時もあった。

だけど、こうやって一年に一度、端午の節句で俺の誕生日に柱に残る傷はゆっくりだけど俺が成長してる証拠。

それをみれば焦らなくても大丈夫かなと不思議と思える。




 
 
それでも不条理に思えるときは
 

寝る子は育つって言葉を繰り返すんだぁ


俺それだけは自信あるんだけどなぁ




ねぇ、そう思うよね



 
と柱に話しかけて、俺は柱にもたれかかるんだ

 
来年こそはもっと伸びてるといいなぁ



突発的に思いついた話