cherish



その痛みにも慣れて、現実を実感するのに2年の月日が流れていた

鳳が宍戸に懐かなければ、宍戸は気づかなかったのかもしれない

それでも、止まっていた時間は容赦なく流れているし

そのことにいつまでも目をそらすわけにもいかなくなっていた




跡部に引っ張られ、無理やり跡部の家に連れて行かれた

相変わらず、馬鹿でかい家

跡部の部屋は家に比例してとても広い

逃げ場はいよいよない

こうなると覚悟を決めて、向き合うしかなかった

「お前はどういうつもりだ、あーん?」

「それはこっちの台詞だろ!」

今まで言えなかった本音が思わず零れる

そんな宍戸なんか跡部はお構いなしに言葉を続ける

「俺様を無視して鳳に乗り換えるのか」

「何いって・・」

「いい身分だな」

跡部はベッドに押し倒すような体勢で、宍戸の顔を覗き込む

あと少しで、唇が重なりそうなほどの至近距離

あまりの近さに無駄なこととわかりつつ、宍戸は顔を背ける

「・・・お前にそんなコト言われたくない」

「あーん?先に逃げたのはお前だろう」

「ちがう!」

「違わない」

「お前だって、女をとっかえひっかえしてるじゃねーか!!

そんなお前に言われたくない」

「誰のせいだと思ってるんだよ」

「お前、何言ってんだ?」

「っとに、わかんねぇのか」

宍戸は頷く。

跡部は深いため息をつく


「避けられてるんだと思ったんだよ」

「それは、お前が…!」

どちらが先に避けだしたのかなんてもうわからない話だが、お互いにそっちだと言い張る

そんなことを続けても平行線だとわかっていても、言わずはいられなかった。

「バカみてー」

「まったくな」

言いたい放題言い合って、目線が合えば互いの目には笑みが浮かぶ。

今まで、険悪だったのが嘘みたいだ

どちらが先ということもなく互いに体を絡める

宍戸の手は跡部の首に、跡部の手は宍戸の腰にと

跡部の手は絡めながら、宍戸の体のラインをなぞるように触れる

宍戸はびくりと体を震わせるが、拒絶はしなかった。

それだけの時間がお互いに流れた

確かめる言葉はもう必要なかった

満足げな表情を浮かべる跡部は囁くように呟く。

「覚悟しろよ」

宍戸の瞳はびくりと反応するがそのまま目を閉じた




「・・・あ、あと・・」

「息あがってんじゃねーよ」

「んなの・・・・む、り」

「体力づくり怠るんじゃねーよ、馬鹿が」

「お前と比べれば誰でもねーって」

「んな口利けるならまだ、大丈夫だよな。あーん?」

「ああ!!」

指がいつの間にか増え、宍戸の中を掻き回す。

不快指数が一気に上昇するの中、

いじられることになれない宍戸は跡部のペースになすがままだった

「イヤだって言う割には感じてるんじゃねーか」

「あ!」

跡部のペースにすっかり振り回され、宍戸はなすがままになる

はじめてなのに跡部は宍戸の良いところを知っているかのように、そこを執拗に責めたてる。

自分の声で自分じゃないような喘ぎ声を聞きたくなくて声を殺すために、服のすそを噛む。

「声殺してんじゃねーよ」

それが跡部は気に食わないらしく、わざとさらに恥ずかしいところを攻めてくる。

息もできないほどの快感に宍戸は何もわからなくなり、

ただ跡部の動きにあわせ声を上げるしか為す術はなかった。






「最初から素直に言えば、こんなことにならなかったのにな」

「ああ、遠回りしたな」

互いに抱き合ったまま思わず本音がこぼれた

あまりにさらりと互いに出た言葉に笑みが自然とこぼれる二人だった