気ままに読書・のんびり読書
―好きな本から話題の本までアプローチ
この本読んだ!
1月の楽しみ
1/29『メルヘンムーン』ヴォルフガング&ハイケ・ホールバイン、平井吉夫訳、奥田みきイラスト、評論社、2005.10.10、459p
物事にも人間にも善と悪の両面がある。その悪が勢力を伸ばし、善を追いつめる。「善は悪に勝るのか」で物語は進むが、解決方法は闘うことではない。分身の悪が、善を殺した瞬間、この物語の結末がみえた。善を殺すことは、その反対の存在である悪を存在させなくするという論理だ。舞台設定もどこかで読んだ物語の世界観と似通っている。また、人間の子どもがその世界の危急を救うというのも、ナルニアやはてしない物語でなじんだものだ。
1/28『海賊ジョリーの冒険1 死霊の売人』カイ・マイヤー、遠山明子訳、佐竹美保絵、あすなろ書房、2005.12.15、359p
物語の世界観をのみこむために描かれた第1巻といえる。「この世界に接するもう一つの世界からの侵略者」と言う設定は、「七つの封印」シリーズとつながる。物語に存在感をあたえるのは、設定はもちろんのことだが、独自の登場人物をどうえがくかがひとつの鍵と言える。死霊の売人や犬頭男はこの先の活躍が楽しみだし、主人公のジョリーがミズスマシ(水面を歩ける能力を持った子ども)であるという設定も、これからどう物語の展開に影響するのか…など好奇心が広がって1巻が終了した。
1/12〜16
『西の善き魔女5 闇の左手』荻原規子、牛島慶子イラスト、中央公論新社、1999.05.25、232p
『西の善き魔女4 世界のかなたの森』荻原規子、牛島慶子イラスト、中央公論新社、1998.11.15、217p
『西の善き魔女3 薔薇の名前』荻原規子、牛島慶子イラスト、中央公論新社、1998.04.15、220p
『西の善き魔女2 秘密の花園』荻原規子、牛島慶子イラスト、中央公論新社、1997.11.15、214p
『西の善き魔女1 セラフィールドの少女』荻原規子、牛島慶子イラスト、中央公論新社、1997.09.25、232p
再読
『西の善き魔女』のハードカヴァーが出版され、文庫本が出、外伝が出版された。
荻原規子の作品の中で、最初に「ノベルズ」で出版されたこのシリーズは、少女の成長物語である。少女神野友情MOEがたれているが、最終的には、人生のパートナーを見いだす物語だ。自分が何をしたいのかを求めるはずが、いつの間にかだれを求めるかになっているところが、少女読者を意識しているのだろうか。ともあれ、少女が元気いっぱいで感情豊なのがいい。
1/10『ベアトリス・ベイリーの冒険2 マンティコアと霧の沼』サンドラ・フォレスター、さいとうかこみ絵、篠原レイコ、2005.10.03、3006p
今回は霧の沼へ。何か障害にぶつかる度に、自分を助けてくれる仲間が増えていくのがいい。仲間が増えるのは、ベアトリスに嘘がないからだと思う。ストーリーは、1巻同様入り組んではいない。そして、対極にある悪の存在もそれほど強大でもない感じがする。ただ、ベアトリスの言動がおもしろい。自分に操れるたったひとつの魔法を胸を張って使う姿に親密感がわく。
1/9『ベアトリス・ベイリーの冒険1 ドラゴンと冬の森』サンドラ・フォレスター、さいとうかこみ絵、篠原レイコ訳、2005.10.03、3006p
魔法使いの子どもなのに、使える呪文はたった1つだけ。そんなベアトリスの12歳の誕生日。資格認定に現れた魔法使いたちは、ベアトリスの祖先の呪いを説くことを要求する。ベアトリスは、じぶんと同じようにいつだけ呪文がうまく扱える仲良しの3人と、魔法の世界へ出発する。
お互いの長所を生かし、腹の立つことに折り合いをつけながら目標に立ち向かう4人の姿に、普通の少年少女にも求めたい、素直さや仲間意識のすばらしさを感じる。
一人の王女は救ったが、残りの王女と王を救い出すことが待ち受けている。でも、「こんなのやめ」といって腹を立てているベアトリスの姿が思い浮かぶ。主人公が冒険をやめたらどうなるのだろうと思いつつ、ベアトリスの率直さが最後まで続けばいいと思う。
1/7『アモス・ダラゴン5 エル・バブの塔』ブリアン・ベロー、高野優監訳、HACCANイラスト、竹書房、2005.12.22、349p
アモスは、連れ去られ、奴隷にされてエル・バブの塔で働かされている母親を助けに出発する。旅の仲間は、ベオリットのベオルフ、魔術を操るロリア、そして生き返ったゴルゴン族の少女メデューサ。4人がそれぞれの能力を出し合いながら、エル・バブの塔へと向かう。今回も、道中に悪魔が登場したり、塩の国の警備網に引っかかったりと困難続きだ。表題にもかかわらず、「エル・バブの塔」へはたどり着かず、塔のなんたるかのつかみに終わっている。塔の建設は、世界の掌握をねらうエンキ神の要望であることがわかり、アモスは母親の救出と神の企てを阻止することとがつながっていることを知る。
各事件はそれほど入り組まず、解決も早いので少し物足りない気もするが、スピーディーに話が進むのですっと読み進める。
1/4『ちょっと長めのショートショート 宇宙のあいさつ』星新一、和田誠、理論社、2005.08、198p
1/2・3
『ハリー・ポッターと賢者の石』『ハリー・ポッターと秘密の部屋』『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』J・K・ローリング 作、松岡佑子 訳、静山社
再読
映画「炎のゴブレット」を観た。今までの3作とは違った画面の深刻さがあった。それは、ヴォルデモードの完全復活と関係があるのだろうかと思いつつ、3作を読み返した。