9月の楽しみ
気ままに読書・のんびり読書
―好きな本から話題の本までアプローチ
この本読んだ！
9月の楽しみ
9/26『闇の守り手２ ナイトランナー�機戞�リン・フルエリン、浜名那奈訳、由貴海里イラスト、中央公論新社、200509.25、236p
9/25『フェリックスと異界の伝説 １羽根に宿る力』エリザベス・ケイ、佐竹美保絵、片岡しのぶ訳、あすなろ書房2005.03.30.391P
再読
9/22『裔を継ぐ者』たつみや章、東逸子絵、講談社、2003.11.30、318p
「月神シリーズ」４部作から約五〇〇年後の話。
村に言い伝えれているオオモノヌシの存在は、その誕生の時の悲しさや人への慈しみという大切の部分をどこかで忘れ去ってしまった。そんな村に生まれたサザレヒコは、自分の憤懣のはけ口に兄の弓を持ち出して、オオモノヌシの化身である白ヘビを射てしまう。
この話は、継承されるべき核心をサザレヒコがもう一度みんなに取り戻す話であり、サザレヒコ自身の成長物語だ。
１０００年続くためには、失われた部分が、ある時期修復されることが必要なのだろう。
9/17〜19「月神シリーズ」４部作
『月神の統べる森で』たつみや章、東逸子、講談社、1998.12.11、294p
『地の掟月のまなざし』たつみや章、東逸子、講談社、2000.01.28、374p
『天地のはざま』たつみや章、東逸子、講談社、2001.03.26、342p
『月冠の巫王』たつみや章、東逸子、講談社、2001.12.17、334P
再読
改めて４冊一気に読んだ。読み進めながら、１０００年続いたと言われる縄文時代に思いが馳せた。豊かな縄文時代。人々はムラで長のもと、一人一人が自分の主人である暮らしをする。自然の中で生きるカムイとの関わりを持ち、自然に守られもするし、厳しさを教えられもする。話し合いが問題の解決手段であり、嘘や駆け引きよりも人と人との信義を重んじる。
そんな縄文時代がなぜ今に続かなかったのだろう。縄文時代の進歩が弥生時代ではなく、縄文時代の征服を弥生時代がしたのかもしれない。海を渡ってきた人は、我欲のために人を奴隷にし、土地を所有したのだろうか。一部だけが富み、それを支えるために階層社会をつくり出したのだろうか。それが、今の日本に続いているのだろうか。
これから先、人はどう歩むべきなのだろう。４冊通して見えてくる「今」へのメッセージはこのことなのかもしれない。
9/13『キツネ山の夏休み』富安陽子、あかね書房、1994.07.30、269p
再読
夏休みをおばあちゃんの住む稲荷山で過ごすことになった弥。そこで出会ったのは、オキ丸キツネ。キツネなんて信じなかった弥が、どんどんオキ丸に引きつけられていくのは、オキ丸自身の魅力もさることながら、稲荷神社一体の自然の豊かさでもあるし、おばあちゃんの暮らしぶりにもよっている。
こんな里山近くでの一夏の体験はほとんどの子どもたちが手に入れることのできないものだろう。だからこそ、こんな人と自然とのふれあいがかつての日本にあり、これから先にも大切にしていかなければならないと思う。
9/10『チョコレート工場の秘密』ロアルド・ダール、クェンティン・ブレイク、柳瀬尚紀訳、評論社、2005.04.30、270p
「チャーリーとチョコレート工場」とタイトルを付けて12日から封切りになった映画の原作。
本当に貧しいバケツ家のチャーリーが、世界一素晴らしいワンカ氏のチョコレート工場への招待状（黄金切符）をてにいれるまでの日々の暮らしようが素直でいじらしい。対して、簡単にたった5枚の招待状のうち、４枚をそれぞれ手に入れたのは、黄金切符が見つかるようにチョコを大量に買ったお金持ち。ネーミングもブクブクトリー、イボダラーケ・ショッパーアゴストロング、テレヴィズキーと特徴を捉えていて笑える。
創造力を要するのが、ワンカ氏のチョコレート工場の内部の様子だ。光っていたり、いいにおいがしたり、ウンパッパ族という奇妙な人たちがいたり…。映像化されてしまうと、自分だけのチョコレート工場ではなくなり、共通理解となってしまう。たしかにわかりやすく、背景乗車に頭を悩ませることなく、ストーリーの展開を終える気楽さはあるが、折角の創造力の発揮の場がひとつのイメージとしてまとめられてしまうのはもったいない気がする。せめて映画と原作の両方に触れ、それぞれの楽しみ方をしたいものだ。
9/9『グリフィンの年』ダイアナ・ウィン・ジョーンズ、浅羽英子訳、佐竹美保イラスト、創元推理文庫、2003.08.29、374p
再読
何度読んでも、ダイアナ・ウィン・ジョーンズのグリフィンものはおもしろい！