気ままに読書・のんびり読書
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この本読んだ!
3月の楽しみ


3/26・27『シャナラの剣 下』テリー・ブルックス、清水ふみ/森野そら訳、扶桑社、2004.11.20、375p
『シャナラの剣 上』テリー・ブルックス、清水ふみ/森野そら訳、扶桑社、2004.11.20、383p
 「『指輪物語』を継ぐ最大にして最高のファンタジー!」とは帯の言葉だ。静かな村に住む青年を飲み込んでいく運命。旅をともにする仲間。やがて王の座に着く者。エルフ、ドワーフ、トロル、ノーム、人間族…そして、闇の王。鍵を握るドルイド(魔法使い)。『指輪物語』の世界を救う使命感が、そのまま青年シェイに背負わされる。旅の仲間とバラバラになり、新たな仲間と出会い、物語は進んでいく。
 闇の王を滅ぼすのは、その昔ドルイドが鍛え上げたというシャナラの剣。定められた人物にしか操れない力は、物語を薦めていく原動力にもなる。
 初版は1977年。トールキンが1957年に表した『指輪物語』がすべてのファンタジーの生みの親だといわれているのが、また確認できる物語だ。ただ、舞台となった時代の数百年も前に文明が発展し、数分でそれを幌b押してしまう武器を作り上げ使ってしまった。という設定が異なる。文明の進化が闇を生み出すとすれば、今の文明社会にすむわれわれは決して闇を生み出してはいけないのだ。そして、そのことはその世界に住むすべての生き物に関わってくる大事なのだと伝えたいのだろう。

3/21『フェイマス・ファイブ 島にいるのはだれだ』エニード・ブライトン、真方陽子訳、小林めいき装画、実業之日本社、2004.11.19429p
 
『宝島への大冒険』の続編。今回の冒険と謎はジョージの島が誘拐の舞台となってしまう設定。もう一遍は、島を離れ、父親の知り合いの屋敷で密輸に巻き込まれる話。
 どちらも、子どもたちの個性がきらめき、そこにジョージの飼い犬のティモシーが色を付けている。
 まだ、続編があるとのこと。出版が待ち遠しい。


3/20『風の名前』
妹尾ゆふ子、春日聖生イラスト、プランニングハウス
再読

3/19『トロールフェル 下 地底王国の扉
キャサリン・ラングリッシュ、金原瑞人&杉田七重訳、あかね書房、2005.02.25、236p
 
「疾走する物語 スリルと迫力のラストへ!」は帯の言葉。地下に入り込んだペールとヒルデを待ち受けていたのは、自分で地下にとどまるという選択だった。ところが、そこに死んだはずのヒルデの父親が現れ、事態は一変する。
 意地悪な叔父たちが、地下の食べ物を食べて地上に帰れなくなるのもおもしろい。ただ、ここを呼んで、ギリシア神話の地下の神と地上の娘の話を思い出した。
 人間にとって、地底王国の存在はこれから先もロマンを与えてくれるのだろうなぁと思った。


3/18『トロールフェル 上 金のゴブレットのゆくへ
キャサリン・ラングリッシュ、金原瑞人&杉田七重訳、あかね書房、2005.02.25、242p
 トロールの描かれ方は地底に住む醜い怪物だったり、巨人めいた鈍重な動きの生き物だったりするが、ここに登場するトロールは、すばしこくて、小さいものから大きいものまで様々な姿だ。そして、しっぽが3つあることが美しさだったり、王が統治していたりする。地下にすんで、人間をどれにしようと考えているのだが、そこに巻き込まれるのが主人公の少年ペール。
 ペールは父親を亡くし、その火葬の場面から話が始まる。現れたのは、巨人めいた恐ろしげな叔父。叔父の水車小屋に引き取られることになったペールは、どんどん悪巧みに引き込まれていく。
 何となく先が読めるのだが、スピーディーさが勝り、最後まで一気に読める。


3/2『フェイマス・ファイブ 宝島への大冒険』
エニード・ブライトン、真方陽子訳、小林めいき装画、実業之日本社、2003.12.26、397p
 四人の少年少女と一匹のイヌが無人島で秘密の大冒険。そこで見つけたものは、難破船と宝の地図。この冒険に介入してくるのが金塊をねらう大人。そして、自分の子どもを理解しがたいと考えているジョージ(ジョージーナ・女の子)の両親。
 四人の出会いから、一匹のイヌとのふれあいがいきいきと描かれていて、それぞれの子ども達の性格が目に浮かんでくる。子どもの描き方もわかりやすいが、大人の絵が生き方も子どもの目を通しての描き方で、なかなか手厳しいのだが、当たっているだけに苦笑させられてしまう。子ども読者にすれば、全く納得だろう。
 冒険談と推理物がミックスされ、ストーリーの展開も無駄なくスピーディーで退屈しない。
 50年間も読み継がれてきたと言うだけに、物語の楽しさ、いっしょに冒険するスリルをたっぷりと提供してくれる。