気ままに読書・のんびり読書
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この本読んだ!
12月の楽しみ
12/27〜30
『アモス・ダラゴン4 フレイヤの呪い』ブリアン・ベロー、高野優監訳、HACCANイラスト、竹書房、2005.10.07、346p
『アモス・ダラゴン3 神々の黄昏』ブリアン・ベロー、高野優監訳、HACCANイラスト、竹書房、2005.08.06、342p
『アモス・ダラゴン2 ブラハの鍵』ブリアン・ベロー、高野優監訳、HACCANイラスト、竹書房、2005.07.07、341p
『アモス・ダラゴン1 仮面を持つ者』ブリアン・ベロー、高野優監訳、HACCANイラスト、竹書房、2005.06.07、333p
物語の舞台の設定はとある大陸?。善の神と悪の神の力のバランスが崩れかけようとし、その影響で人間の世界にも悪が広まりつつある。そんな時、神々の力の均衡を取り戻すため、善の神にも悪の神にもつかない人間の「仮面を持つ者」が選ばれた。それが、アモス・ダラゴン少年だ。「世界の平衡」を取り戻すために、仮面を手に入れ、神々の争いに立ち向かいながら、仮面にはめこむ16の宝石を探すことになる。
神々は不死なので、面と向かってあらそうと、世界を破壊することになる。だから、それぞれの神が、自分の代理人のような人間をたてて争わす。そんな神々に面と向かってもの申す少年少女がいる。この物語の設定は、他にも用いられているモチーフだ。また、友情で結ばれた4人の仲間がそれぞれの能力を発揮して問題を解決するのも特異な設定ではない。
では、なぜカナダで大ヒットし、アニメ化までされるのだろうか。それは、アモスの機知と物事の解決方法にあるのではないだろうか。とんちで切り抜けたり、違う面から見直したり。とにかく、前向きで明るいキャラクターの魅力が読み手を引きつける。
まだまだ、平衡を取り戻すための冒険はこれからといったところだろうか。次作『エル・バブの塔』が楽しみだ。
12/3 『ドラゴンライダー2 エルデスト宿命の赤き翼 下 』クリストファー・パオリーニ、大嶌双恵訳、ソニーマガジンズ、2005.11.20、531p
12/2『ドラゴンライダー2 エルデスト宿命の赤き翼 上 』クリストファー・パオリーニ、大嶌双恵訳、ソニーマガジンズ、2005.11.20、531p
『ドラゴンダイダー1 エラゴン』で自らの使命を背負う覚悟をしたエラゴン。そして、ドラゴンライダーとしての修行を積み、新たな敵に立ち向かうまでのストーリー。
「エラゴン」が名前であるのなら、「エルデスト」も何かの名前なのかもしれないと考えつつ読み進むと、エラゴンに絡む横糸のエルデストが最後に明らかになる。「エルデスト」とは父親の跡を継ぐ長男を指す名前。そして、「エラゴン」とは次男。つまり、最後のドラゴンライダーといわれたエラゴンに兄があり、それがもう一頭のドラゴンにまたがって、エラゴンとサフィアの前に敵としてたちはだかる。しかも、その人物は、エラゴンが兄弟のように親しみを覚えていたマーダクであった。まさしく「宿命」である。しかし、もう一方で、血のつながりはないものの、兄弟として育ったローランとの再会もエラゴンは果たす。そして、もう一度二人は兄弟としての絆を結び直す。
エルデストとエラゴンとの血のつながりを宿命とよぶのならば、このローランとの再会も、次への闘いには欠かすことのできない宿命の再会であろう。
ドラゴンライダーの運命がどうなるのか、そして、3つの卵のうち、最後の一頭となる雄のドラゴンとサフィアの出会いはどうなるのか。1000ページを超える上下を読み終えて、さらに謎と運命が折り重なった。