１１月の楽しみ
気ままに読書・のんびり読書
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この本読んだ！
１１月の楽しみ
11/5『まんげつのよるに』きむらゆういち、あべ弘士、講談社、2005.11.1、64p
「オオカミとヤギのシリーズ」が６巻で勧説したと思っていたら、７巻目が出版された。６巻のラストで、オオカミの群れからメイを守るために雪崩を起こし飲み込まれるガブ、何も知らずに洞窟でうずくまるメイの様子にハッピーエンドではない憤りを覚えながらも、ずっと心に残っていた。
二人で目指した新しいみどりの森にたどり着いたメイは、ガブを待ち続ける。現れるはずはないとわかりながらも待たずにはいられないメイは、今までのメイそのもの。７巻がでたと知ったときから、ガブが死んではいないことはわかっていたが、どう登場するのかが気がかりだった。なんと、記憶喪失でメイの前に現れる。つまり、メイをヤギとして認識し、ごちそうだという本来の関係である。ガブの記憶を取り戻したのは、二人の間の「あらしのよるに」の言葉から始まった絆であった。
読み終えて、安堵したというよりも、６巻のラストで自分が抱え込んだ不合理への悲しさの方が大切に思えた。それぞれの読者の想像の世界にガブとメイをゆだねてほしかったと思う。
11/5『へろりのだいふく』たかどのほうこ、たかべせいいち、佼成出版社、2003.11.30、64p
ヤギが紙を食べるのをモチーフに物語が展開する。ヤギにとって、紙の味に違いがあり、「へろり」という紙の味を知ってしまった習字のヤギ先生の笑える体験記だ。
厳格な八木先生が見せた、俗っぽさに拍手。
11/3『マーリン�検〇�の鏡の魔法』T・A・バロン、悔後礼子訳、山田博之装画、主婦の友社、2005.10.31、333p
１１／１『子ぎつねヘレンがのこしたもの』竹田津実、偕成社、2005.09、184p、（偕成社文庫）
「子ぎつねヘレンは、わたしに何を伝えたかったのだろう」と帯の言葉。道路脇でうずくまっていたのを保護された子ぎつね。耳も聞こえず、においもわからず、ただじっとうずくまる。母親代わりを申し出たキツネに、怒り出し、何も食べない。ヘレン・ケラーにちなんで、ヘレンと名付けられた子ぎつねは、甘えることもなく、ただじっと自分の境遇をかみしめるかのように孤高だ。読み終えて、ページを閉じてもヘレンからのメッセージははっきりと形をとらない。ひょっとして、これから形をなしていくのだろうか。