気ままに読書・のんびり読書
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この本読んだ!
11月の楽しみ
11/27『魔空の森 ヘックスウッド』ダイアナ・ウィン・ジョーンズ、駒沢敏器訳、磯野宏夫カバー装画、小学館、2004.12.01、495p
イギリスでの出版は1993年。この時期に邦訳がなされたのは、ジブリ映画「ハウルの動く城」の影響だろう。今までに出版されている、クレストマンシーシリーズもハウルのシリーズも、「魔法」の話だったが、この『ヘックスウッド』は魔法よりもSFファンタジーを読んでいるような気がした。現地球は、全宇宙の支配者レイナーの物であり、重要な物質のためにわざと未開にしてあるという。そこへ、レイナーに挑戦する者たちが登場するのだが、人間の他にバナスと呼ばれる意志を持ったコンピューターのようなものが絡んでくる。このバナスにすべて操られているようでありながら、地球の森はそのバナスにも影響をもたらす存在だとくくっている。
登場人物も、いつものように10代の少年少女だと思いきや、実は、それもバナスの仕業で、本当は20代だったりする。入り組んでいて、途中で謎ときにこんがらがるのは、まさしく、ジョーンズの世界だ。
読み終わって、理解を超える科学力と、魔術とは、一体のものなのだろうか?と考えてしまった。
11/19『へんないきもの』早川いくを、寺西晃イラスト、バジリコ、157p
題名と、イラストの奇妙さに、一瞬、想像上の生物集かと思ったが、実際に生息している奇妙な生物を集めた冊子だった。生物自体の不思議さにも興味があるが、解説の文章が見開き左半分に見事に収まっている。学術的な説明と、作者のユーモアが解け合っていて、思わず納得してしまう。
11/18『スパイダーウィック家の謎4 ドワーフと鉄の森』ホリー・ブラック、トニー・ディテルリッジ絵、飯野眞由美訳、200411、143p
妖精図鑑を巡る闘いシリーズ4作目。姉のマロリーがドワーフに連れ去られ、双子の兄弟が奪え返しに地下へ。何が起こるかと、ドキドキしたが、意外と簡単に取り戻すことができた。それもそのはず、この巻は、ドワーフの話でありながら、最大の敵オーガーのマルガラスが登場してくるのだ。ここで、前巻のエルフ王の言葉が本当になる。
全5巻のシリーズなので、この次が最後になる。勿論、兄弟の勝利を願うが、『妖精図鑑』を巡る謎もすっきりと解決して欲しいと思う。
11/6『ブルーローズの謎』松本祐子、佐竹美保絵、小峰書店、2004.10.05、205Pp
『リューンノールの庭』の続編。青いバラを巡る謎が解き明かされていくファンタジックミステリー。青いバラの謎を探るよりも、美散の成長ぶりが頼もしく思える。植物が呪詛で毒性を持ってしまうこととか、枯れた庭があっという間に再生するとか、ハーブが家を守るとか、魔法使いの叔母を取り巻く不思議な世界に遊びに行く感覚で読める。
11/3『アンブラと四人の王子』アン・ローレンス、金原瑞人訳、佐竹美保絵、偕成社、2002.10、246p
再読