５月の楽しみ気ままに読書・のんびり読書
―好きな本から話題の本までアプローチ
この本読んだ！ ５月の楽しみ
5/28『ラ・モネッタちゃんはあきらめない』柏葉幸子、佐竹美保、偕成社、2003.12、95p
よく話がわからないままに、95pがすぎた。いつも機嫌の悪いズッキーニ城のラ・モネッタちゃんが主人公だ。機嫌は悪いが、すねて座り込むのではなく、どうやら機嫌が悪くなればなるほど、パワフルに活動するようだ。読み終わって、モネッタちょんの事が、じ〜んと心に残るということはない。どちらかといえば、元気な雰囲気を味わったという感じ。
１巻『ラ・モネッタちゃんはきげんがわるい』を読めば、このはちゃめちゃな話がわかりやすくなるのだろうか？
5/23『暁の円卓� 〔楹个瓩虜亰遏�ラルフ・イーザウ、酒寄進一訳、長崎出版、2004.05.10、366p
イーザウの名前に惹かれて読み始めた。過去の歴史上の出来事は、悪の「暁の円卓」組織が企んだものだという。それに対抗するのは、「世紀の子」ただひとり。でも、この「世紀の子」には、頼もしい仲間がいる。知っている事件が描かれていたりすると、
全部で九巻の予定。
5/20『ウイッシュリスト』オーエン・コルファー、種田紫訳、理論社、2004.04、359p
「めちゃくちゃ笑えて、胸にぐっとくる、ハートウォーミングな物語」（帯の言葉）の通り、四つのはちゃめちゃというか、切ない思い出というか、その願いを四つかなえなければならなくなった少女メグの物語。メグは、ひとり暮らしの老人の家へワルの仲間ベルチと押し入る。そこで、ラウリー老人を傷つけてしまい、自分はガス爆発で死んでしまう。ところが、魂のオーラが紫色だったため、青がいける天国へも、赤が追いやられる地獄へも行けず「おくりかえされてしまう」。そして、自分が困らせたラウリー老人の四つの願いを叶えると、晴れて天国行きとなるのだ。老人に腹を立て、嫌々つきあいだしたメグが、いつの間にかラウリーとのいいコンビになる。ラウリー自身も今までの殻を打ち破って積極的になる。しかし、個々に邪魔者が現れる。犬と合体し、地獄の手先となったベルチ。コンピューターガイドまで現れて、サタンはメグの魂を手に入れようとする。メグとベルチの駆け引きも面白く、いつの間にか、願いが叶いラウリーとメグが幸せになることを願っていた。
ところで、メグが地獄行きになろうとした理由は、養い親にした仕打ちにある。その内容は最後のあたりまで明かされなかったため、勝手に「殺人」だと勘違い。実はその復讐劇も笑える面白さたっぷり。最後にメグがした決断をどう受け止めるだろう？
魂が送り返される、その時『カラフル』（森絵都）が浮かんできた。それもあって、魂を信じる方ではないが、あれば楽しいかな、と思った。
5/19『ドラゴンランス 夏の炎の竜 下』マーガレット・ワイス＆トレイシー・ヒックマン、安田均訳、アスキー、2004.04.07、285p
『ドラゴンランス』のすべての事柄に決着をつけるとして下記かげられた「夏の炎の竜」３部作の完結編。今まで話を引っ張ってきた、ハーフエルフのタニスの姿もなく、レイストリンは魔力を失うことを条件に今の世に戻ってくる。世代が交代し、かつての英雄たちが老いと戦う中、今回注目を浴び、解決のキーマンとなるのが、ケンダー族であるタッスルホッフだ。彼の行動から生まれた結果を思うと、考えすぎないこと、好奇心を持つこと、そして、人を愛することの大切さを感じないではいられない。井あっ間で戦ってきた２大勢力が、カオス（混沌）の前にはいかに無力化、そして、手を結ばなければすべては無に帰す時、それを結びつけたのが、キャラモンとその姉の子どもパリンとスタームブレイドだ。
世界の無事が確認されたとき、パリンは自分の魔力がなくなったのを感じ取る。そして、神々がアンサロン大陸から去り、人間だけで世界を再建するようにと託される。ここまできて、『指輪物語』のラストとだぶる。去らねばならぬものと、新しい世界の幕開けがそうだ。『指輪物語』がRPGの生みの親だというのを肌で感じた気がする。
5/7『アルテミス・ファウル 北極の事件簿』オーエン・コルファー、大久保寛訳、角川書店、2003.09.30、346p
前作『妖精の身代金』と大きく違うのは、アルテミスも認めていたが、彼が未熟に思えることだ。悪の天才とののしられ、冷静に物事に対処していたときと違い、肉体を駆使して逃げたり、闘いに向かったり……そこには「切れる」というかっこよさはないが、年齢相応の苦悩があってアルテミスに親近感を覚えるのではないだろうか。それとも、ずっと超越していて欲しいと思うのだろうか。
父親をロシアマフィアから救い出す、妖精世界の危機を何とかする、この２つが同時進行しストーリーが絡み合いほどけ、一気に読める面白さがある。
ちょっと軟弱になったかなぁ？と思いきや、最後の「尊敬に値する人が見つかったと思うよ」との言葉にアルテミスの誇りを感じた。
次作は、「THE ETERNITY CODE」だそうだ。両親に隠れて、何をしでかすのか楽しみだ。
5/3『ダレン・シャン�勝＼採遒慮弌�Darren Shan、橋本恵訳、小学館、2004.05.20、326p
やっと、ハーキャットの正体がわかった！何となく満足感をおぼえるのだが、その正体が「え〜っ」だった。まさか、彼とは。実は、バンパニーズ大王の正体がわかるまでは、スティ−ブかも…と思ったり。きっとダレンの今までの人生に関わってきた人物だと。
今回は、ハーキャットの自分探しの旅にダレンが同行する設定。バンパニーズとの対決がないだけに、純粋に２人の冒険を楽しめた気もする。何せ、前回のクレプスリーの死のダメージが大きいのでこの回り道は、ダレンにも読者にもいい癒しになったと思える。
5/1『ライオンボーイ 消えた両親の謎』ジズー・コーダ、枝広淳子訳、天野喜孝、PHP研究所、2004.02.18、455p
「ネコ語を話すチャーリーの勇気と感動の大冒険ファンタジー」（帯の言葉）である。「ネコ語」の発想が新鮮。しかも、ネコ語を話せるようになったきっかけがまたすごい。赤ちゃんの頃に、父親とジャングルの観察に出かけ、そこで遭遇したチーターの傷ついた赤ちゃんとの接触だという。血液と血液が混じり合ったとたん、体中を何かが駆けめぐり、お互いに赤ちゃん語で挨拶をしていたという。その時DNAが混じり合ったとか。そこらへんになると、どうも専門的すぎてわからないが、妙に納得。チーターもネコ科、そして、冒険のパートナーになるライオンもネコ科。陰になり日向になり、チャーリーを助けてくれるのが街のネコたち。ネコはチャーリーの両親に恩を感じているのだが、その全貌は今回明らかにされていない。
オリエント急行で両親を追いかける時、出会うのがブルガリアの王ボリス。この出会いは次の展開にきっと何らかの起爆剤になるに違いない。それが、すぐわかるのも読みやすさだろう。
ライオンをサーカスから救い出し、パリの町中を逃げ、オリエント急行に６匹と１人で潜り込む。しかも、追っ手は組織的。両親との連絡は絶え、保護者もいない。さて、これからどうなるのだろうか。「一生忘れられない冒険になる」（帯の言葉）はチャーリーにも、読者にも当てはまりそうだ。
３部作の１作目。次作が待たれる！