気ままに読書・のんびり読書
     ―好きな本から話題の本までアプローチ

この本読んだ! 10月の楽しみ

10/26〜30『ハリー・ポッターと賢者の石』『ハリー・ポッターと秘密の部屋』『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』J・K・ローリング 作、松岡佑子 訳、静山社
 1冊ずつは、それぞれの発売時に読んでいたが、今回3冊通して読んでみた。断然おもしろかった。『賢者の石』だけだと、どうも説明の部分がおおすぎるようで、話題ほどには楽しめなかった。今回、3冊を通すことで、『賢者の石』のなかにちりばめられた伏線に気づかされた。『秘密の部屋』のハリーの悩める姿と、イライラさせるほど自己顕示欲の強いロックハートとの展開が読み返すほどにおもしろい。悪役のスネイプだが、『アズカバン』ではあまりにも自分勝手で、魅力が乏しくなった気がする。
 12月に映画が公開されるが、物語の世界で十分想像をたくましくしただけに、どんな出来映えかが気になるところだ。  また、最近、ハリー・ポッターシリーズのおもちゃも出たがあれにはどうも……である。
 次は『炎のゴブレット』。超大作だというが、3作続けて読んだ後では、早く読みたくてうずうずする。

10/24『スクランブルマインド ―時空の扉―』 キャロル・マタス&ペリー・ノーデルマン 作、金原瑞人&代田亜香子 訳、あかね書房、2001.07、318p
 想像したことを全て現実に出来る力を持つ、気の強いプリンセス、レノーラと人の心を読むことが出来る力を持つ、気の弱いプリンス、コリンが飛び込んでしまったのは、完璧な美しさと力強さを持ったヘヴァークが支配する世界。想像した世界で生活するのもおもしろいが、心を読んだり思いこんだりするだけで平和に暮らすというのもすごい視点だとびっくり。
 気の強いレノーラだから、気の弱いコリンを拒絶するのも何となく共感できるし、気の弱いコリンがレノーラを敬遠するのもうなずける。お互いに不似合いだと思っていたのに、最後は足りないところを補い合って、元の世界に脱出する。これで終わっていると、「なんだ、体のいい恋愛付き冒険物語か」と思うところだが、最後に「待ってもらいましょ」と結んであるのがいい。
 とはいっても、目玉は二人の関係だけではなく、ヘヴァークの正体だ。実は、ヘヴァークを生みだしたのが未来のレノーラだという謎解きの場面が一番魅力的だった。
 まだ続編があるとのこと。きっと、レノーラがコリンを振り回しながら、冒険をするのだろうなぁ。
 

10/1『レイチェルと滅びの呪文』クリフ・マニッシュ 作、金原瑞人 訳、堀内亜紀 表紙絵、理論社、2001.07、293p
 やっと読めた。というのは、読む時間が出来たと言うこと。今までに、いろんな書評が書かれそれを読んだので、内容もうっすらと分かっていた。
 でも、おもしろかった。さすがに、最後まで飽きさせないストーリーの展開が見事である。それに、魔女の姿!これほどまでグロテスクな魔女にお目にかかったことはない。レイチェルが、魔女の変身させられて、そんな姿に変わり始めたときは、本当にドキドキした。アンナ醜い姿になってほしくないという気持と、変身して魔女と戦うのかという期待感が入り交じった。

 三部作の一作目。次は地球が舞台だという。イスレアから最後に飛び去った緑の光の正体も気になるし、レイチェルと共に地球に戻ってきた、モスベルやオオカミたちがこれからどんな活躍をするのかも楽しみだ。