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         デフレ・インフレの一般理論
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2010年3月26日 物価の下落は国内問題であり、外国のせいではない。 

物価の下落は国内問題であり、低価格な輸入品の増大による物価の下落は副次的なものである。

先頃公聴会で、榊原氏が述べた(今のデフレに政策コントロールの余地なし)事は、大きく国内政策を間違える可能性のあるもので容認できない。

デフレこそ積極的に政府が介入しなければならないものであり、市場原理に任せておけば経済が破壊されるものであるからだ。

彼のような人達が自民党政権時から経済政策を主導してきたのであり、そしてその世論を誘導してきた人達がここにきて、もはやお手上げの状態に陥り、その結果、自分たちの政策の失敗を棚に上げ、他の原因に責任転嫁し始めたことは、無責任のそしりを免れることはできないだろう。

今でも新聞などの掲載される専門家の多くに見られるように、日本経済は輸出が増えなければ回復しないと言い、外国任せで自分たちの政策を提案することを放棄し始めている。

自分たちの失敗を認めようとせず、国の借金1千兆円を目前にして自己弁護をし始めたのだ。
そして最後に彼らの常套句として消費税の増税を提案するのである。日本に断末魔を引き寄せる事を知らないのだ。
(http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/teraxBLG/blg-hiduke.htmlデフレの原理と消費税参照)


デフレは明らかに国内問題であり、外国の低価格品の流入は2次的問題である。構造的な問題でなく、国内の政策的失敗がすべてである。

日本は、低価格の輸入品が大量に輸入されたことにより、バブルが崩壊したわけではない。バブルの崩壊により、デフレが生じたのである。

物価の下落はデフレという大幅な資金減少による消費不足がもたらしている現象だ。消費不足による生産余剰が競争を激しくし、低価格競争を招いているのである。

激しいそして長く続く低価格競争は、企業の付加価値を減じざるおえず、経営体質がどんどん悪くなっている。

それが日本で作ると正当な付加価値を得ることができなくなった産業や企業が、低価格品を輸入する理由である。そのような態勢ができるにつれ余計に国内企業の経営体質が悪くなって来ている。

輸入品であっても、大量に入って来るのは低価格品ばかりであり、日本には外国の高価なものの輸入は少なくなっている。これは日本人の嗜好が輸入品指向になっているわけではない。所得が少なくなりぜいたく品を買えなくなったからである。

例えば、グッチ、シャネル、などのデザイナーブランドなどでさえ、一頃よりかなり安くなっておりバーゲンされ始めている。このような現象は低所得からくるぜいたく品よりも生活防衛に重点を置いた消費がなされているからである。

また百貨店、小売店、の売上もずっと下がりつづけている。これも輸入品の増加より所得の低下による生活防衛が原因である。百貨店数がどんどん減少しているのも高級な輸入品の扱いの多い百貨店の価格帯が今の日本の消費者のふところぐあいに合っていないためである。

外国からの輸入と全く関係のない国内のホテルの利用料もここに来て大幅に下がっている。既に20年前の価格に下がったようだ。しかしホテルは、外国から輸入され増えているわけではない。されど下がっている。これなどは低価格品の輸入と関係の無いものだ。
国内経済が縮小し物流が減少している事を表している。

サービス業の低価格化の多くは、所得の低下と消費の減少から来ていると考えるのが妥当であろう。
多くのサービス業の形態がアジアの各国からの低価格品の輸入が原因で下がっているとは思えない。

それ故低価格品の輸入が物価の下落を招いているのではなく、低所得化による消費の減退が物価の下落を招いているのである。


物価の下落の一番の原因は所得低下による消費減退が原因なのである。それが生産過剰を招き、競争激化から低価格競争や過剰サービス競争が起こり、物価下落に拍車を掛けている。それによる国内企業の経営体質の悪化が輸入品の増大を招き、それがさらに国内企業を衰退させているのである。

この時、生産過剰といって生産者を淘汰させると、デフレではさらなる失業増大から消費減退が起こる。
これは小泉政権時の竹中政策である。

これが起こるのはデフレは、需要と供給のギャプで起こっているのではなく、消費額と供給の差から来ているからである。(この辺のことは後にまた詳しく述べる時がくるであろう。)(http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/teraxBLG/blg-hiduke.html間違った需給ギャップの認識と財政出動参照)

また所得を増やすため、生産を増やしても、低価格競争に拍車を掛けるだけで経営体質が悪くなり借金が増えるだけである。これは歴代の自民党の、小渕、森、麻生、安倍内閣が取ったもので莫大な借金を作っている。(http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/teraxBLG/blg-hiduke.html偽装の経済成長を暴く参照)

それ故に物価の下落を止めるには、消費を復活させる政策が必要であり、輸入品を押さえることは2の次である。消費の復活は国内で十分コントロールできることであり、日銀と政府の連携の見せ所であろう。


そのため政策の余地が大きく、金融と財政の総合的な政策が必要である。これまで単独で別々に間違った政策を打って来たことが、ここまでデフレが深まった原因である。

それ故デフレの克服は国内政策で可能であり、消費減退をおさえる政策が必要なのである。

個人預金の金利の引き上げ、消費税を引き下げ2%にする、ガソリン税を引き下げる、高速代金を3割負担で全国で実施する、雇用保険の満額支給、雇用保険期間の延長、生活保護所帯以下の所得水準者への援助など、子供手当など、他にも多くの政策が考えられよう。

要は消費者への直接還元である。デフレの解消は短期決戦であり、今の状態の経済を少しだけ拡大させることで事足りる。デフレの解消はなんら難しいものではなく簡単である。


一言主
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi