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         デフレ・インフレの一般理論
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2010年2月22日 アメリカの公定歩合の引き上げ:賢い選択 

アメリカの公定歩合引き上げ:賢い選択

出口政策の走りとしてやったのだろうが、少なくとも金利を引き上げたのはよいことだ。これで人民元の引き上げも視野に入ってきた。
世界全体の今の不景気をこれ以上悪くしないためには、中国のバブルを3割ぐらい破裂させ、長く持ちこたえさせる必要があるからだ。

またもともとデフレでは金利をある程度維持し、ハートランドを活発にして、資産価格の下降を防ぐ必要がある。それ故今回の生産刺激一辺倒の政策から、消費への刺激策への転換は、消費不足のデフレを解消させる方向に向かわせる事は確かであろう。
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusiデフレ・インフレの一般理論参照)
しかしまだアメリカの資産は下降中であるため、これがすぐさま景気の回復に向かうとは思えない。まだ紆余曲折があるだろうが、大事なことはデフレのような大借金による消費不足の状態の経済では、低金利にして、生産を刺激してもほとんど効果がないことである。
そのため少しでも個人預金の金利を上げ、消費を維持し、企業の売上を確保することが重要である。それが資産価格の回復を促すのである。この金利の引き締めを過度のインフレを防止するためとみなすのは、現状の経済状態を理解していない人達のたんなる教科書的見解に過ぎない。

あとは米国の金融機関が正常に機能し、政府が金融機関に対して企業に積極的に融資に応じるよう促し倒産をできるだけ減少させることである。

日本のような単なる低金利政策と補助金政策による生産刺激策だけでは、企業は売上を維持することができず、所得の増加に結び付かない。費用対効果が薄く、借金だけが増え、生産刺激の資金がなくなると同時に再び景気は下降する。

このアメリカの金利引き上げは、1929年の大恐慌の二の舞いを避ける端緒になるだろう。
さらに中国への投資に対するドルキャリーを防ぐ手立てにもなっている。まだまだ不透明さは続くが、そして批判にもさらされるだろうが粘り強く金利を維持してほしいものだ。

一言主
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi
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