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         デフレ・インフレの一般理論
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2009年9月8日 自民敗北の真の原因 

自民敗北の真の原因

それは何より経済の失政にある。年金問題にしろ、非正規雇用の多さにしろ、ワーキングプアにしろ、すべてが行き着くところ経済縮小による低所得化に帰結する。

主原因:自民党を取り巻く経済学者や専門家にまともな人がいなかった。彼らはすべて学校秀才であり、教科書が間違っていれば修正できない。デフレに対して教科書がなかったことがおおきな原因でありそれは又日本の教育制度の弱点が如実に出たといえよう。


1、成長率にだまされたこと。
名目GDPが実質GDPより低い成長率は、消耗経済であり、真の成長経済ではない。

名目GDPの成長率が、実質GDPの成長率より低い成長は、コストが嵩む割に利益が上がらない経済である。これでは借金が増えるばかりで返せるはずがない。
デフレにおいて自民党が取った成長戦略は、デフレ促進策であった。そのことを理解できなかった事が現在の日本の困窮をもたらしたのだ。

このような成長が生じるのは、生産能力に比べ消費購買力が極端に落ちているデフレ経済であるからである。補助金策や低金利により、いくら生産を刺激し、生産増を促しても、所得がほとんど増えず、借金が増大し資金が減少し続けたのである。

特に2千2年2月から始まる実質GDPのわずかな伸びを当時の政策担当者が苦し紛れに成長しているといったことが、回りの専門家や新聞の解説者に影響をあたえ、政治家も政策が成功していると喧伝したがった
ため余計に傷口を深めていった。

いまだにこの成長を本来の成長と受け止めている専門家や評論家、新聞記者が、たくさんいるため、政権が変わってもなお、民主党の経済政策には成長戦略が見えないと言った見当違いな批判が出る始末である。


副原因 :ケインズの理論にだまされたこと。

ケインズの理論は、正常な経済を分析したものであり、インフレやデフレを分析したものではない。(ここで言うインフレデフレは生産能力に対して著しく資金量が多い場合や少ない場合を指す。)

デフレのような資金が少なくなって消費が生産量に比べて著しく少なくなっている場合、生産量をさらに伸ばすような政策は、デフレを促進していることになる。自民党の成長戦略がことごとく潰え去ったのは、このためである。

いや輸出が伸びたではないかという輩がいるが、それは外国の需要を食わざる負えなかったのであり、それでも所得は増えていない。

経済学の不備が傷口を深めた。又その不備を検証する者がいなかった。

3次原因:需給ギャップ論にだまされたこと。

これは根本的に大事なことだが、日本のバブルの崩壊にしろ、サブプライム問題にしろ、それは大きな資金の減少をもたらしたということだ。

これは物に対する需要がなくなったのではない。お金の持ち合わせが無くなったのである。買えなくなったのである。

資産部門の崩壊は、ハートランド(国民所得を形成する市場)から資金を奪い、消費を減じる。
補わなければならないのは、消費のための資金であり、生産物を増やすことではない。

資産部門の急激な崩壊は、生産量を需要に応じて徐々に減らすようなことをせず、一挙に需要を減らす。そのため生産能力は、そのまま残っている。このような時、生産量をさらに増やしても買う人がいないので、所得が増えない。

需給ギャップ論の需要を補うためのおびただしい公共投資、や補助金政策は、ほとんど効果がなく政府関係だけで900兆の借金となったのである。

ケインズ理論は、生産が増えると自然と所得が増えると思われているが、所得が増えるのは、貯蓄が存在するからである。貯蓄がなければ生産を増やしても所得が伸びない。


いろいろ理由を述べたが、最終的には、今までの経済学はデフレやインフレに対応していないということに尽きる。

自民党の敗因はそれを看破することができない専門家を登用したことであろう。


経済学が間違っているのが簡単に分かることがある。今まで経済学をかじったことのある人はしっかり考えてほしい。

この十年で所得が百万円減ったのが事実なら、労働生産曲線は右下がりであるはずである。デフレでは労働生産曲線が右下がりであると定義できる。

しかしあなたの学んだ経済学に労働生産曲線が右下がりのものはあったでしょうか。

ないはずです。いままでのすべての経済学は労働生産曲線が右上がりで書かれています。
右上がりであればなるほど働けば働くほど、生産量を増やすほど所得が上がります。生産量を増やす政策が良いわけです。

しかし生産曲線が右下りでは、働けば働くほど所得が減っていきます。デフレでは生産量を増やすほど貧乏になります。日本は理論通り貧乏になりました。
働けど働けど我が暮らし楽にならざり。


これが自民敗北の真の原因です。
いまだにこれを解けない学者が闊歩しています。民主党の主要景気対策である高速料金の低減やガソリン税の低減について反対し、消費者への直接の所得移転を妨げようとしている輩が大勢います。

渋滞と環境問題から反対したり、ガソリン低減の一部を福祉に回せとかいう巧妙な理論にだまされてはなりません。消費の復活こそデフレ解消であり、まずはデフレスパイラルを止めるのです。それが所得を増やすのです。資金が増えなければ環境問題も、福祉も解決できないのです。

ゆめゆめ専門家や評論家には気をつけなくてはなりません。彼らは何も知りません。

一言主
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi