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         デフレ・インフレの一般理論
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2008年11月11日 ショートコメント:3年後の消費税 

ショートコメント:3年後の消費税

麻生首相は3年後に消費税を上げると言っている。彼をここまで馬鹿にしたのは誰なのだろう。

今年デフレのさなかに原油が値上がりし関連物価が上昇した。それが日本経済に対してどんな影響を与えたか全く分からなかったようだ。

単にサブプライム問題が影響を及ぼしたと思っているのだろうか。

デフレにおける物価上昇の現象であると理解できなかったらしい。どれほど生活に影響があるかまだ理解できないらしい。

自民党はなぜこんなに消費税に固執するのか。

消費税を上げて突然死、上げ潮政策で突然死と前に揶揄した事があるが、これではそのままである。
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/消費税上げて突然死、上げ潮政策で突然死)

麻生首相は、後世に借金を残さないように消費税を上げると言ったがこれは大嘘である。デフレにおいて消費税を上げることこそ、借金を末代まで残す秘策である。

なぜなら、日本は今1000兆からの借金がある。しかし消費税の増税は、例え増収になったとしても、財政を均衡させるのが精一杯である。これでは借金を返せない。そんなのは、始めから分かっていることだ。

ようやく自民党の政策にも消費者に資金を還元する政策が取られようとしている時に、全く水を差すものである。先般の日銀の金利引き下げと言い、相変わらずの経済音痴振りである。アクセルとブレーキを同時に掛けることがデフレから解消できない要員のひとつでもある。

普通に考えれば、この1年原油価格の高騰により消費者物価の2%程度の上昇にも耐えられないほどの重症の経済において、さらに5%も10%も上乗せして、一体国内の誰が消費を増やすのだろう。それは日本経済の壊滅を意味する。

「今世界覆う暗雲、サブプライム金融危機は、明らかに不動産価格、金融資産の崩壊による、資金が大幅に、急速に減少したものである。それは生産量がそのままで、消費だけの減少を招く。これがデフレ金融恐慌の発端であり、それにより市場の生産量と資金量の間に大きな差が生じ、それが価格競争へとつながり、市場が縮小して行く。それは所得線の角度の下降を意味している。それは需要の減少に応じて供給が減少する穏やかな所得線に沿った経済縮小ではないのである。角度の下降すなわちデフレスパイラルなのである。」

これは、消費税を上げた時に起こる現象と同じである。消費税を上げると資金が市場から急速に大幅に奪われ、生産量はそのまま残る。そこから再び価格競争が起こりデフレスパイラルに入るのである。
消費税の増額は確実に税収減になる。それどころか日本の破産であろう。
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/デフレの原理と消費税参照)

日経、朝日、読売、産経と言った大新聞の論調は、かえってこの間違った消費税増税を煽っている。その典型が麻生首相や与謝野氏の言に現れ、匹夫の勇に成り下がっている。

特に朝日の1カ月ほど前の解説室はひどかった。消費税の増税が一番景気に影響が少ないと書いてしまったのである。山一や北拓銀が倒産したことを忘れているようだ。

彼らの多くは、今年日本で起こったデフレ下での物価上昇という経済現象の意味がわからなかったようだ。。消費税のアップは、これと同じことが起こることがわからないらしい。そら恐ろしいことである。

今の経済対策では、3年後に消費税を上げられる環境を整えることは不可能だろう。既に金利を低下させたことから、借金が増える可能性が高い。

このような御粗末な経済評論家や記者が読者の多い新聞やテレビで解説することが、経済実利に疎い政治家を容易に洗脳してしまうのだろう。

笑うのは、一番消費税を上げる好機であった、1990年頃のバブルの時は、激しく消費税を上げることに反対しながら、今絶対に消費税を上げてはいけないデフレの時に消費税を上げろという馬鹿げた事を言っていることである。

知的衰退というよりなぜ日本で現実にこういうことが起こるのか知りたいと思う。

これは第2次世界戦の折り、一番アメリカの国力や日本の国力を知る立場にあったマスコミがこぞって戦争を煽り立てたことと似通っている。それが間違いであることを知ると、手のひらを返して政府と軍部を非難したことをまた繰り返すつもりだ。今回も同じことをして、政府や学者を非難し自分はいい子ぶるのであろう。お気楽なことです。

しかしそのお気楽で、既に麻生首相は、第2の東條英樹となってしまっている。

一言主。http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/