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         デフレ・インフレの一般理論
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2008年3月14日 無意味な日銀の独立性 

無意味な日銀の独立性

現在のようなデフレ下にある経済で、日銀に貨幣量の調整を任せ、政府の政策に対して独立性を認めることは、無意味である。なぜなら一刻も早くデフレから脱出するよう、行政政策と金融政策を一致させ同じ方向に動く必要があるからである。
日銀の独立性が大切なのは、所得線の角度が45度近くにある、正常な経済状態の時、所得線の角度が貯蓄の間にあるように、資金を管理することである。この時に限り、政府の政策に対して独立性を保つことが重要である。

しかしこれに対し資金の量が生産量に比べて著しく少なくなった状態のデフレや資金量が著しく多くなったインフレの状態では、日銀に独立性を認めることは返って、症状を悪くしたり、長引かせることになりがちである。
所得線の角度は生産力に対する資金の量により上下する。(ハートランド理論と呼んでいる。)デフレやインフレのような45度線から所得線の角度が大幅に外れる場合、日銀の独立性を保つことは無意味なことである。
日銀の通貨の番人として独立性が尊とばれるのは、所得線の角度が45度に保たれるように貨幣量を調節するためである。もう少し具体的に言うと、所得と消費の差の貯蓄量の間に所得線の角度を保つ事である。
貯蓄量以下に所得線が下がったり、貯蓄量以上に所得線が上がらないように管理するのが日銀、中央銀行の役目である。(デフレ・インフレの一般理論)

残念なことに1985年のプラザ合意による低金利により、資金を増やし過ぎバブルを招いた時には、まだ日銀の独立性を保つ法律がなく、逆にデフレになり、行政と一体となってデフレからの解消を目指さなければ成らない最中に日銀の独立性を保つ法律ができてしまったのである。お笑い、まるで笑い話の世界である。
このような事態(バブルや、デフレ)を招いてもなおかつ経済学者や評論家は、あらゆるメディヤで日銀の独立性が如何に大切かをとうとうと話しているのである。
所得線が貯蓄量以下に下がったデフレにおいて、彼らは一体何を守りたいのであろうか。

新聞記者や日本の経済学者のレベルがこれにてはっきり分かるだろう。合理性のある猿まねは誰も意味が分かっていなくても問題ないであろう。しかし合理性のない猿まねは、馬鹿げているだけなのである。許せない蛮行である。

例えばガソリン税が廃止になり、ガソリンが安くなり、国民の消費者側への資金が増えたときに、さらに低金利にするようなまね事をすればせっかくのデフレ解消策が台なしになるのです。もし通貨の番人が正しいデフレに対する認識を持っていれば、預金金利を上げ援護射撃をしなければ成らないはずです。
しかし今の現状はえてしてデフレを長引かせ、さらなる深刻な状況に入らせるような動きをする可能性が非常に多きいと思われます。

通貨の番人に、デフレの番をさせるのだろうか、永遠にデフレが続くように。このおかしさをどのように表現すべきか、わかりません。この国はいまなおデフレにおいて実質GDPを政策目標にしている国です。
このおかしさもかなりのものですが、通貨の番人にデフレの番をしてもらう方がやや面白いような気がします。

それ故今現在の日銀総裁の選択には、独立性を押し通す方より、柔軟に対応できる人が必要でしょう。

瓢箪から駒でひょっとすると4月からガソリン税が下がり、真の正しいデフレ解消策の一歩が記されるかも知れません。そんな時欧米に合わせるような低金利を取らせては行けません。何のために賃金引き上げを要請しているのか、ガソリン税を下げるのか、それは資金を消費者側に回し、内需を復興させるためであり、それが所得線を再び45度線の角度に戻す方法です。

非常に大事な選択になるかも知れません。しかしなにわともあれガソリンが安くなることは日本の明らかな勝利の1段階になるでしょう。

http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/