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         デフレ・インフレの一般理論
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2008年1月23日 道路特定財源の暫定税率廃止は当然

道路財源の暫定税率廃止は当然の、おさらい。

デフレを解消するもっとも簡単な方法は、今まで民間の負担になっていた税金という資金を、ハートランドの消費者側に返し、市場の循環を利用して所得を増やすことです。この所得は名目所得(名目GDP)であることは当然です。

今回の暫定税率の廃止の場合、取られていたガソリン税をなくすだけなので、確実に消費者側に資金が投入される事になります。これは確実に消費を増やし市場の拡大につながります。しかも民間が負担していたものが少なくなるのですから確実に所得線の角度を押し上げます。

逆にこれがなされず今までと同じようにしていた場合、市場から資金が奪われ、その資金が道路などの建設部門に投入されることになります。これは、企業側に資金を投入することを意味し、生産量を増加させる要因にになります。ご存じのようにデフレでは資金量を増やさず生産量増やすことは、付加価値に載せる価格を減じる方向に働くため、名目の国民所得は減少します。すなわちデフレの促進になります。経済の基礎的条件の違いも省みず、徒に同じことの繰り返しが名目国民所得を減少さ、貯蓄が減少し、借金が増えていき、増税しなければならない状況に追い込んできたわけです。

この道路特定財源の暫定税率の廃止が非常に良いのは、民間への負担が減ると同時になんら財源を確保せず資金が自然に消費者側に回るところにあります。
デフレの特効薬の所以です。

道路特定財源の暫定税率は期限が来れば廃止されるのが前提なのであり、それがいつまでも続くかのように
予定するのはおかしな話です。
経済が好調で過熱気味の場合、税金を増やして経済を冷やすのは悪いことではありません。しかし経済が不調で下降している場合、税金を増やしてはいけません。特にデフレの場合逆に税金の徴収を減らし資金を投入しなければなりません。

それ故財源財源と言って騒ぐのはおかしな話です。
ガソリン税を廃止すること自体が、財源に成っているのです。ガソリン税を廃止すること自体が消費量を増やす原資になるのです。道路に投資する以上の効果が見込まれるのです。

2、しかもその道路特定財源の使い方自体に大きな問題があります。
今日本で行われるほとんどの公共投資は、急ぐ必要のないものであり、また赤字になる可能性の高いものがほとんどです。あるいはできた道路が永遠に返すことができない採算の合わない所に作られるものも多いと思われます。このような緊急でもなく重要なものでもないものを優先する必要はないでしょう。
このような余計な物に投資をしているほど日本経済には余裕はありません。打ち続く間違ったデフレ政策のため、今既にデフレがどんどん進行しています。

民間の賃金が減り続けている昨今にあって、さらに原油価格の上昇が追い打ちをかけている現在において、付加価値に載せられる価格がどんどん少なくなっており、これを全部使ったとしても経済を拡大させる原資には足りないのです。それ故この原資を増やす方法を取り、一刻も早く経済の縮小を止める必要があります。
それ故、資金を消費側に回す政策こそ今要求されているのです。
一見地方の道路が止まり、整備が遅れ、また仕事が少なくなるということが誇大に喧伝されていますが、その減った分が消費に回るのです。ガソリンを入れる毎に消費者の手元に今まで以上の資金が残ります。それが一循環毎にハーランドを大きくしていきます。これがデフレの解消の切っ掛けになるのです。おそらく道路に投入される以上の効果があるでしょう。

デフレの解消には、これだけでは足りないでしょうが、高速道路の代金が安くなったり、保険料が少なくなれば効果が出てきます。問題は、こちらで資金を市場に増やしながらあちらで資金を奪う様なちぐはぐな政策が多くとられ、単純に資金が増えていかないことです。
このようなガソリン税の廃止などをしながら、低金利にしたり、保険料を上げたり、さらには消費税を上げるようなちぐはぐな政策を平気で今までやってきたのです。

これは政策担当者や経済評論家等がデフレの解消の仕方が分かっていないことからきています。
民主党も年金のために消費税を上げるような暴挙を平気でしようとしています。経済が全く分かっていないのです。これは今のところ自民党も一緒ですので、分かっていなくても経済に良いことをしてもらう方が良いでしょう。
ガソリンの価格の低下は一条の光をもたらし、デフレ対策に本当に有効なものは何かを我々に知らしめてくれるでしょう。それが経済政策の大転換の切っ掛けとなる事を期待します。

3、理論による説明

デフレの場合、それを解消する最も良いやり方は、今まで民間の負担分であったものを減らし、その資金を民間市場に投入することです。
この財源はガソリンに税を掛けることによって得ている。それ故ガソリン税は資金をハートランドから奪い、縮小させているのである。しかもその使い道は道路であるのでハートランドの生産量に加算されるものである。

デフレの場合ハートランドから資金を減少させ、生産量を増やすやり方は、付加価値の名目分を減らす方向に働き、(利鞘が減じる方向に働く)デフレを促進していることと同じになる。
これは所得線の角度を変えないままで生産量が増える形になり、いつまで経ってもデフレが解消されることがない。
しかし逆に今まで徴収されていたガソリン税をやめると、その資金はハートランドに残り、しかも消費者側に入ることになる。これは資金の増加になり、生産量の伸びより資金が伸びる形になるため角度が上昇する付加価値が増える方向に働く。それ故デフレ解消になるのである。

デフレにおいて道路などに投資する政策は、
市場全体の資金が不足しているため、乗数理論が働かず、予定以上に効果を上げていません。これは今までのバブル崩壊後の経済政策により明白なことです。
これから作られる道路は一部のその地域の人にだけ享受され、ほとんどの人に還元されず、波及効果の少ないものになり、ほとんどが赤字になります。

経済学的には公共投資は、輸出と良く似たものになります。発注先が外国か、自国の政府かの違いです。
それ故実質GDPの増大には貢献します。しかしこの2、3年の輸出から明らかなことは、国内にその還流資金が回らないため、国内市場を引き上げることが難しい事が分かりました。道路の建設も同じことが考えられます。
道路の場合それが名神や東名などの幹線道路であれば、利益を享受する人が多いでしょう。しかしローカルであれば享受する人が少なくその波及効果なく、赤字が増えるだけになります。輸出のような還流資金さえもないわけです。
すなわち国民から徴収したお金が一部の産業部門にだけまわり全体に回らず、投資した分が回収されず借金が増えることになります。これは輸出産業だけが潤うことと同じ形になります。

デフレでは、公共投資に回される資金をハートランドの消費者側に回す方が得策なのです。えこひいきなく平等に広く薄く資金が消費者側に吸収される政策が大事な所以です。このガソリン税の引き下げのような政策である、年金保険料の引き下げ、年金支給額の増額、消費税の引き下げ、高速代金の引き下げ、埋蔵金の消費者側への投入などはデフレ解消に大いに役立つでしょう。
今、政府や新聞紙上で踊っている活字とは全く違う政策が必要なのです。

http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi

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