もどる                           ブログ  

         デフレ・インフレの一般理論
日付順

2007年11月15日 デフレ下における消費税増税の愚

とうとう始まった消費税増税の愚、笑いの種

デフレでの増税はありえない、増してデフレスパイラルを引き起こす消費税増税はできない。それが当たり前の経済理論だ。
まずは理論的なことは言わずともできないのは、今の現状で分かるはずだろう。今石油製品の値上げで2から3%商品価格が上がっただけでもかなり打撃を受けている。日本はこの値上げに耐えられないかもしれないのだ。わずか2%でもそれも部分的な値上げにもだ。消費税はまんべんなく国民すべての消費にかかるから1%の値上げでもさらなる打撃を受けるであろう。
デフレでは価格弾力性が非常に高いので、価格に対して敏感に消費が反応する、だから1%の値上げに対してそれ以上の、1%以上の生産量が減る可能性が高いのである。これぐらいは理論ではなくても誰しも実感していることではないのか。とても普通の経済学を学んだ学者さん達のやることとは思えない。単に日本を破滅させるためにやってるのだろうか。

デフレの所得線それは45度線より角度が下がった勾配のゆるやかな線である。資金量を縦に取り、生産量を横にとっているのだから、資金が1%奪われたら1%以上生産量が少なくなるのは明白だ。
デフレ下での消費税の増税は今以上の減収を招く可能性が高い、しかも経済がさらに縮小するため生活保護を受ける層も増えることになる。
もう一つの簡単な理由は、消費税を3%から5%に上げた時がどうだったかを考えればよい。当時9兆円増収予定だったが他の税が9兆円減収のため結局とんとんになってしまった。その後日本は経済危機に陥り、循環的なデフレに陥ったのである。

理論的根拠
「デフレは市場に出回る資金が漸次減少し続ける経済状態である。資金が生産能力より大幅に減少することが切っ掛けとなって、その結果消費が大きく減少するため、生産能力維持のため、熾烈な販売競争が起こり、企業が価格を低くして少しでもたくさん売ろうとするが、拡大再生産に必要な利鞘を稼ぐことができず、経済が縮小していく現象である。」
企業が生産物を製造し続けても、その産出した付加価値に対して十分に価格を付けられず、生産物1個に対して価格的付加価値が減少していく現象である。
あるいは働き続けても賃金が減少する現象であると言えようか。

企業は自らの付加価値を減じて販売量を確保しようとするのである。それ故市場では低価格品があふれ返ることになる。企業が拡大再生産に必要な利鞘を取ることができず、所得減を招き、消費減が、循環的に価格を低下させ、在庫削減からリストラが繰り返される。
そしてこのようなデフレスパイラルが始まるのは、ハートランド市場において資金が少なくなり資金量と生産量の比率が変化した時である。資金量の低下が貯蓄のレベルを下回るところから急激なデフレが始まる。
デフレは市場において需要者側の資金が著しく減っている状態なのである。
それ故デフレにおける増税はどのようなものであれ需要者側の資金をさらに奪い取ることになるためやってはいけないことである。

デフレスパイラルを誘発する消費税の増税

消費税の増税を他の税金に比べてデフレにおいてしてはならない理由は、消費税は幅広くまんべんなくだれにでも掛かるので資金量と生産量の比率を変えてしまう性格を持っている事です。それ故市場から資金を奪うと所得線の角度を低下させる方向に働きデフレスパイラルを招きます。
この最中では資金の減少が消費の減退をもたらし、販売競争をさらに深め、企業は低価格競争から付加価値を減らして、経営合理化、賃金抑制、を繰り返しながら経済が縮小します。名目の国民所得が減少するのです。そして実質GDPが増える現象が生じます。
貨幣で評価される付加価値が少なくなり、原価率が上がるのです。それは経済の成長ではなく付加価値の増えない生産の増加であり、企業の生き残り競争からくる消耗に過ぎません。

デフレスパイラルは通常の需要と供給の循環的な好不況ではなく、急激な所得線の下降という直接経済縮小を招来するのです。

これに対して他の税は所得線をの角度の上下に直接影響を与えるものではなく、所得線上を上下しながら需要と供給の過多により均衡点を計ろうとするものです。それ故経済に与える影響度が全く違います。

所得税の増税や保険料の増加は、飽くまでも経済活動の結果得られた余剰から差し引くものです。経済活動を直接削減または制限するものではありません。それ故その増税による資金の減少は、所得線上を下がり生産量と一致したところで均衡します。しかしデフレの場合上で述べたように増税してはいけないところは、このような所得線上を下がるような増税であっても、所得線が45度より下がっている場合、資金の低下の割合が1下がっても、生産量は1以上下がるということです。デフレの場合下振れが正常な経済と比べて激しいのです。その上貯蓄が無い場合大幅な生産量の低下がリストラを招きデフレスパイラルに入る可能性があることです。
いずれにせよデフレの増税に理が全くありません。中でも消費税増税によるデフレスパイラルはどこまで下がるか分からない物が有ります。恐らく日本は消費税の増税にはほんのわずかでも耐えられないでしょう。

それは今の石油製品による物価高でさえも吸収できない可能性が高いからです。恐らく名目GDPは下がるでしょう。それは物価が上がっても石油製品の値上がりに日本経済は耐えられなかった事を表します。すなわち付加価値を増やせなかったのです。経済が縮小するのです。
今消費税の増税を画策する人達は、デフレにおける増税の苛酷さや消費税と所得税の違いなどを理解しているのだろうか。疑問です。
特に日本の愚かさはバブルの時消費税を増税すべきであったにもかかわらず、しなかった。そして今すべきでない時にやろうとしていることです。
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/参照

デフレ・インフレの一般理論

デフレ・インフレの一般理論