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         デフレ・インフレの一般理論
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2007年4月20日 なぜ賃金が伸びないのか、それは消費が伸びないからである。賃金が伸びないから消費が伸びないのではない。

賃金がなぜ伸びないのか。
それは消費が伸びないからである。賃金が伸びないから消費が伸びないのではない。はなはだしい勘違いである。デフレの根本がお分かりではないらしい。

賃金が伸びないのは、日本の政策担当者が輸出振興策を取り国内の需要創設をしてこなかったからだ。それ故輸出関連業種のみの賃上げとなり全体に波及しないのである。

これが今の大臣は分かっていないらしい。国内で資金が循環せず国民所得が形成されないために、なかなか賃金が上がらないのだ。輸出で潤う企業はわずかであり国内の多くの企業は今なを需要不足で売上が伸びあぐねているのだ。中国やアメリカの経済がよくても外需による還流資金は国内市場になかなか回らず国内の所得形成につながっていかないのである。日本の名目所得は増えている。しかしそれは国内で増えた名目所得ではない。外国からの還流したものである。さらに円安が寄与してより増えてしまったのである。そこを間違えているから、賃金が伸びない理由が分からないのだ。また今すべきことも分からず、企業の賃上げが少ないからとでもいって責任転嫁したいのではないか。そのような口ぶりである。

これまでの政府は一体何をしてきたのだ。アメリカ経済や中国経済に頼った政策は、日本の担当者が何もしてこなかった、無策であったことの現れである。これを輸出が伸びたからといって自分の手柄のように言っているが、違うだろ。デフレ解消策が必要なのだ。輸出政策ではない。日本企業は仕方なく外需に頼っただけである。
今の日本は所得線が45度より下がったままで、付加価値が乗せられないまま所得線上を上昇している。これは輸出を動力としているからだ。付加価値が乗せられない状態のままで、生産量が増えているから、賃金が伸びないのだ。

これが普通に国内の所得形成による生産量の増加であれば、所得線の角度が上がり、付加価値が増えて行く。こうなれば、賃金が上昇し、売上が伸びデフレから解放されるのである。(デフレインフレの一般理論http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
それ故いま政府がすべきことは、賃金動向に注目することではなく、賃金を上げるために、付加価値を乗せ易くするために、国内市場に資金を豊富にすることである。これまで政府が取った低金利政策はお金が外国に流れたり、輸出のための生産量の増加が主体になるばかりで、一向に国内のデフレの解消には役に立っていないのだ。低金利政策は全くデフレには無意味である。たまたま中国市場があったから幸運だっただけなのである。今ここでするべきは、資金を国内市場に回すことである。あくまでも需要側に作用させ、ガソリン税や高速代金の値下げ、消費税の値下げ、などを行い、消費が増えるようにし向けることである。本当に賃金を伸ばすための政策をとることなのである。今やるべきことは賃金動向を見ることではない。

日本の消費が増えなければ賃金が上がらないのだ。外需ではない。賃金が増えないから消費が増えないのではない。国内の消費が増えないから賃金が上がらないのだ。この辺が根本的に間違っているところだ。日本の政策担当者が首尾一貫して失敗してきたのは、この認識である。これはケインズ経済をデフレに応用することからくる間違いである。これが日本を不幸に導き、デフレから一向に解放されない原因である。

アメリカや中国の発展は日本の政策とは無関係。政府は日本のデフレ解消に焦点を合わせなければならない。これから世界は再び日本の輸出を押さえ、円高に向かうであろう。それまでに日本はデフレを解消させる必要がある。時間はそんなにないだろう。