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         デフレ・インフレの一般理論
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2007年3月14日 2千6年度危うい日本経済の成長 

危うい日本の経済成長

この前内閣府から国内総生産の改定値が発表されたが、2千6年度の暦年のGDP成長率が実質2、2%であり、名目が1、3%と発表された。それに対するコメントが内需主導で安定的に成長しているであった。

外需主導ということをはっきり認識しておれば問題ないがはなはだ心もとない見識である。

この数字だけを見ると、まだまだデフレが続いており、内需が安定的に成長しているとは言えない。名目と実質の逆転は、なお資金が内需市場に回っていない様子が伺える。
昨年度は原油高であり、その価格が製品価格に十分に上乗せされていない状況がはっきり見える。また10月から12月にかけ名目が実質を上回ったのも、輸出が円安によって名目の所得に加算された事が大きな原因であろう。
日本の政府のよくないところは、大臣や首相は数字にこだわり過ぎるところだ。内需の拡大によりデフレを解消することより、成長率を無理やり押し上げて、自分たちのやりかたが間違っていないように少しでもみせかけることである。それが輸出偏重することによって実質成長率を押し上げたのである。これは内需が消耗していることを意味する。

小泉政権の下ではこれが顕著に表れており、それが今外資が国内で暗躍する下地になっている。内需企業は非常に稼ぎ難く、輸出企業は潤うことになり、それが所得格差の一つの原因になっている。外資は本来の付加価値以上に押さえられた内需企業を買いあさり易いのである。

数値は名目、実質GDPとも成長しているためデフレの脱出する方向に転じていることが分かるが、ここでもし間違った政策を取ると再びデフレが深まる可能性も高い状態である。
4月の春闘では輸出で儲かっている企業は大幅に賃上げするよう圧力をかけねばならないが、それが度の程度実現されるかにより内需の拡大度合いが測られるであろう。
また原油の価格の低下により物価が下がった時、これがデフレの進行か、単なる価格の低下かは、名目GDPの成長で見る方が確かであろう。
このような生ずるい経済状態が続くと、日本は政府自体が大きな借金を背負っているので、すぐに増税をしがちである。
政府の政策にデフレに対する確固とした政策が見当たらず行き当たりばったりである。金利の引き上げもデフレ解消のためにやっているとは思っていない。単なる外資への資金の流れを阻止するためとしか考えていない。
デフレでは金利の引き上げが効果的な政策であり、それは内需の拡大と企業の競争抑制を招くのである。
(デフレインフレの一般理論参照http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
それ故今積極的に個人負担を少なくする政策を打ち出し内需の成長を促すか、でなければ、少なくとも名目GDPが実質を上回るまで増税をしないことが大切である。