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         デフレ・インフレの一般理論
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2007年02月02日 水槽経済4 赤字補填のための増税

水槽経済学4
赤字補填のための増税
デフレにおいて増税がなされた場合。
所得税であれ、間接税であれ、消費税であれ、法人税であれ、ハートランドから資金を奪う増税はデフレにおいては政策としてできない。やってはならない物である。

デフレの原因は生産量に比べて資金量が大幅に減ったことに起因する。それ故デフレの下でなおかつハートランドから民間の資金を奪うことは、明らかにデフレを促進させることである。中でも赤字補填のための増税はなんらハートランドを潤す物がないものである。水槽内の水量が少ないため、小さな金魚ばかりになり、ひしめきあっている状態からさらに水をくみ出すと、非常に多くの金魚が干上がり死んで行く。累々たる屍が続く。この惨状がデフレの下での増税の結果である。
増税により資金が減少すると、低価格競争が再び凄まじくなり、企業は付加価値を減じて生き延びようとするがそれでも息切れすものが増える。資金が資産からハートランドに流れるため、土地価格や株式の価格が下がる。下級財の輸入品が入り込み、内需主体の企業ますます苦しくなる。

政府が増税しそのお金を再びハートランドに投資する場合、例えば消費税を増税すると、この税は非常に広範囲に等しく影響を及ぼし経済を縮小させる。政府の投資は、非常不公平にばらまかれるので、デフレの下では、お金のばらまかれたところへ生産要素(労働力等)が集まり
そこだけが潤い他が枯渇するという現象が生じる。これがデフレの特徴と言えるであろう。全体のパフォーマンスはなんら上がらないのである。一方で良くても他方から資金や労働力が逃げ出すと、結局全体は変わらないからである。前例としてIT産業への投資や優遇策が上げられよう。いずれにせよ最終的には消費が拡大しなければ、デフレから脱出できない。その消費をつぶすような増税お話にならない。