MODERN JAZZ
My favorite jazz albums

 大学に入った頃、それは昭和40年代のことですが、モダンジャズをやるクラブに入った関係で、ジャズを聞き始めました。その頃はジャズを聞くといえばよくジャズ喫茶に行って聞いたものでした。
 その頃のジャズ喫茶といえば、目を伏せてしきりに指でリズムを取りながら聞いている人々の光景が思い出されます。中には演奏のリズムとずれたテンポで指を振っている人も中には見られ、内心滑稽に思ったものです。つまりそういう風にして聞くのが流行だったのでしょう。
 私自身はその頃は、モダンジャズの知識はあまりなく、かかっているレコードがどんなものであるかなどもあまり気にかけず、ただ聞こえてくるジャズの即興演奏に耳を傾けていただけでした。私には理解し難いアバンギャルドのジャズもその頃はよくかかっていましたが、訳が分からないまま聞いていたようなわけです。そんなわけで、私はどのレコードにどのような名演奏が入っているのかあまり知らないままでした。やはり聞き方が中途半端だったのでしょう。
 このホームページで趣味のジャズのページを持つにあたって、もっとジャズを知り、楽しみたいと思うようになりました。そこでジャズ関係のウェブサイトから得た情報等をもとにして、改めて自分の趣味に合いそうなジャズのレコードをを探すことにしました。世の中は変わって、今や完全にCDの時代になり、ほとんどのアルバムがCD化されていました。 ここで紹介するアルバムは私が聞いて心地よく感じ、気に入ったものばかりです。

RELAXIN', COOKIN', STEAMIN', WORKIN'

RELAXIN'


COOKIN'


WORKIN'


STEAMIN'

マイルス・デイビスの最初のクインテットはモダンジャズ史上最高のコンボと言われています。トランペットは マイルス・デイビス、テナー・サックスはジョン・コルトレーン、 ピアノはレッド・ガーランド、ベースはポール・チェンバース、そしてドラムスはフ ィリー・ジョー・ジョーンズという最高のメンバーでした。

このメンバーによりニューヨークで1956年5月11日と10月26日に行われた二つのマラソン・セッションで、RELAXIN'、COOKIN'、STEAMIN'、そして WORKIN' の全曲のレコーディングが行われました。この4つのアルバムからはこの歴史的なセッションの様子がよく伝わってきます。

この2日間に残 された作品には、RELAXIN' に収められたスタンダードの If I Were A Bell を始め、バン ドのレパートリーのほとんどすべてが含まれています。彼は、後に出版された自伝の中で、この2回のセッションで やった音楽は最高であり、今でもすごく誇りに思っていると述べています。

マイルス・デイビス・クインテットは、50年代のジャズ・バンドの手本となったバ ンドでした。マイルスと並んでフロントに立っているのは、ジョン・コルトレーンです。コルトレーンは、マイルスと一緒にプレイすることによって大きく成長したと言われています。

マイルスの透き通るようなミュート奏法のトランペットのソロは心地よく耳に響き、それに続くコルトレーンのソロはドラマチックで背筋を 凍らせるようであり、まさに対照的でありながら全体としてよく調和しています。

リズム・セクションもたいへん強力でした。ハード・バップを代表するドラマーであ るフィリー・ジョー・ジョーンズは、ソロイストを持ち上げるようなパワーを作烈さ せながら創意に富んだプレイをし、ベースのポール・チェンバースは、長く、敏捷で 、さまようようなフレージングで演奏しています。ピアノのレッド・ガーラン ドも素晴らしいプレイをしています。

私自身は、レッド・ガーランドのイントロで始まりマイルス・デイビスのソロが美しい、バラードの曲 My Funny Valentine が好きです。これはCOOKIN'のディスクの冒頭の曲ですが、これを聞いていると非常に落ち着きます。

THE MILES DAVIS QUINTET
MILES DAVIS, trumpet JOHN COLTRANE, tenor saxphone
RED GARLAND, piano PAUL CHAMBERS, bass PHILLY JOE JONES,drums
(Recorded May 11, October 26, 1956)

BLUES ette

BLUES ette
このアルバムの冒頭の曲 FIVE SPOT AFTER DARK は非常に思い出深い曲です。というのは学生時代のバンドでテーマ曲として使っていた曲だからです。従って最初に練習した曲もこの曲でした。典型的なブルース形式の曲で、ブルースというものがどういものか知ったのもこの曲からでした。

 カーティス・フラーは低音域が魅力のトロンボーンを聞かせます。テナーのベニー・ゴルソンと組んだ編曲もよくできており、ファンキーでグルービーなハード・バップの典型になっています。

モダンジャズのファンでなくても、抵抗なく聞け、全体にわたってジルバでも踊りたくなるような楽しい雰囲気にしてくれます。

CURTIS FULLER'S QUINTET WITH BENNY GOLSON
CURTIS FULLER,trombone BENNY GOLSON, tenor sax
TOMMY FLANAGAN, piano JIMMY GARRISON,bass
AL HAREWOOD, drums   (Recorded May 21, 1959)