著書と目次



単著
日本文学 二重の顔

 〈成る〉ことの詩学へ

大阪大学出版会 2007年4月
定価2000円+消費税
全350頁

序論―本書へのいざない

第一章 二重の顔

はじめに―桂枝雀『猫』のこと
一、裂けた顔、覗く顔―宝誌和尚立像
二、裂け目に見えるもう一つの顔―宝誌和尚像をめぐる問題
三 もう一つの裂けない顔
四、付けられた顔、内面の顔―鬼の面、鬼の心
五、中世劇・面・ペルソナ―小さな面と〈成る〉こと
六、〈成る〉人間―落語という芸能と顔 
七、志ん生と枝雀―〈二重の顔〉のゆくえ

第二章 『源氏物語』の秘匿の顔

一、裏の顔、もう一つの顔
二、すきまと日本文化―垣間見と『源氏物語』
三 『長恨歌』の寓意と二重の顔
四、楊貴妃再読―隠秘される二重の顔
五 玄宗・楊貴妃・安禄山の三角形と『源氏物語』
六 藤壺と楊貴妃―義子と義母との愛情のゆくえ
七 『源氏物語』の未知の世界
八、作者の誕生―『源氏物語』の文学

第三章、『徒然草』の二層の「心」

一 『源氏物語』と『枕草子』
二 『徒然草』にとっての『源氏』と『枕』
三 『徒然草』序段のなかの『源氏』と『枕』
四 『徒然草』の世界―心と鏡
五 『徒然草』の多層性―岩城宏之と『徒然草』

第四章 夢とわたし―もう一つの自伝

一、夢と物語
二、物語と夢
三 明恵『夢記』の世界
四 回心と自伝―『更級日記』と夢の記
五 霊験譚のなかのわたしと夢
六 中国の自伝と夢、そして人称
七 夢―心と外部

第五章 「目」の物語―南方熊楠、柳田国男、折口信夫の交錯と屈折

一 夢と目覚め―まなざしの問題へ
二 「邪視」の視界―いにしえの「目」と「木」
三 「悪眼の話」をめぐって―柳田国男と南方熊楠
四 『巫女考』と「悪眼の話」―柳田国男の意識
五 「悪眼の話」と折口信夫「鬚籠の話」―柳田国男の反転
六 別れの理由―南方熊楠の場合
七 「悪眼」と「一目」と―柳田国男の流儀
おわりに―ペンネームとペルソナ、〈成る〉ことの詩学へ

あとがき
参考文献・原文一覧

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