sun.gif (1440 バイト)胆道閉鎖症ユーゴンの保育園での生活

■ついに入園!できる その喜び!■

大変だった移植手術も終わり、体調も安定してきたユーゴン。ついに、保育園に入園できる年齢になりました。
ここまで、なんとか無事に過ごしてこられた事が、うれしくて、単純に保育園に入れることだけが喜びでした。

ユーゴンも日増しに、しっかりしてきて、移植のことも忘れてしまうように、元気になってきました。
それでも、急に熱をだしたり、腹痛がきたり、肝臓の数値があがったりと、気を緩める事はできません。
それでも、うれしくて、入園の申込みをしたのです。

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■思いもよらない入園許可、お断り!■

うれしくて、るんるん気分の両親。
入園して、友達がイッパイできるとよおこんでいるユーゴン。期待に小さな胸がイッパイにふくらんでいます。

ところが、そんな私たち家族におもいもよらない通知が来たのです。
入園予定の保育園からです。

「病状を、お聞きし、当園では、対応することができず、このようなお子さんを保育したこともないので、責任がもてません。今回は、入園を見送らせ下さい。」
そういう内容でした・・・。

 思いもよらない通知に、ただただ驚くばかり。すぐに、園の方に問い合わせ。入園を許可してもらうように頼みました。
 何度か、園の責任者と話をしました。
とにかく、「何か事がおこっても、責任がもてない・・・・」これが、園の言い分です。
 
そういわれれば、私たちも、この病気に関して、大勢の子供たちの中で無事にやっていけるか、不安でいっぱいです。
お腹を、やんちゃ坊主に殴られないか。風邪や、ウィルスにやられないか?!

 それでも、いままで、何とか、病気と闘い、克服してきたんです。他の子供と同じように、元気イッパイ、外で遊ばせてあげたこともありません。
休日でも、ほとんど病院のなか。

ユーゴンのしっている世界は病室の中、知っている人は家族以外では、お医者さん、看護師さんしかいないのです。

 こんな風にユーゴンは育ってきました。保育園に入れる年齢になり、おなじ年頃の子供たちと、同じように泣いたり、笑ったり、怒ったり、走ったり、ケンカもしてほしい。
 そうねがうのは、親ならだれでも同じだとおもいます。

 リスクがあるのは、当然わかっています。しかし、そのリスクで二の足を踏んでいたら、これからのユーゴンの人生は開けていけないのです。
いつまでも、病室で、付き添いの看病はできないのです!

とにかく、こちらとしては保育園で何がおこっても、園の責任にはしない事。また、他の胆道閉鎖症の子供たちは普通に、保育園、幼稚園に通い、小学校、中学、高校へと進学していること。
また就職している人もいるし、結婚もした人がいることを、必死で話しました。

しかし、なかなか担当者は首をたてにふってくれません。

このような話し合いが3回目を迎えた頃、こちらも疲れ果ててしまい、もう、自分たちの力の限界だと思い守る会に相談することにしました。

 守る会でも、この話にビックリしていたようです。早速、会のほうで手を打ってみますと、言って下さいました。

 それから間もなくです。保育園の方から、いままでの話はなかったことにしてほしい、入園を許可します。と180度転換の電話がありました。

 守る会のほうから、すぐに行政の担当者に、連絡をしてくださったようです。他の自治体では、このような、事は絶対にありえないことを伝えると、すぐに納得されたようです。
要するに、担当者の、「無知」でしかなかったようです。

他の自治体などに相談すれば、すぐにでも事例がわかっただろうとおもいます。

担当者様には、はじめての判断で、辛いことだったろうと思います。しかし、無知だったことで、私たちが、あきらめてしまっていたらどうなったでしょう。
その後のユーゴンの、人生に大きく響くことになったでしょう。

やはり、この病気は、いろんな人と関わりがでてきます。
その都度、正確な情報を伝え、病気のこと、移植の事を理解してもらわなくては、なりません。

これを読んでくださっている方も、どうか、遠慮や、自分たちの判断で動かないで下さい。【守る会】は、みんなの助け合いのためにあります。
いろんな経験をされた先輩達がいます。

あらためて、自分達にも教訓になった出来事でした。

子育ての本

■成長したユーゴン現る!■

病院だけの世界から、保育園という新しい世界に、踏み入れたユーゴンのそれからは、驚くことばかりです。!
 これだけ、生命力にあふれていたのか!と思うくらい、元気に遊びます!

友達もすぐにたくさんできて、常に自分のペースで友達を引っ張っていくタイプのようです。
ちょっと、恥ずかしがり屋さんのところもありますが、それは、いままで病院のなかで、大事にされてきた影響もあるでしょう。

でも、どちらかというと過酷な現実の病院のなかで、痛い思いに耐えてきたこと、お友達が大変な手術をしているのを目の当たりにしたこと。

自分のしたいことを我慢することを、覚えたこと。

病院の生活は、悪い面ばかりではなかったようです。
むしろ、ユーゴンの、積極的で、人の「痛み」を知ることで、友達や他の人を大切にする、ということをちゃんと学んでいたようです。

ある日、保育師さんから、ユーゴンが友達のケンカの仲裁に入って、感心した、という話をききました 。
どれだけ嬉しかったでしょう。

自分が、実は大変な状態なのに、ちゃんと人の事まで考えられる子供に成長したんだなーと(親バカ
ながら、思ったもんです。(^^)

希望を考える本
■涙の運動会!■

 何度も、入退院を繰り返すことはありましたが、なんとか保育園の生活にも慣れてきました。
季節は秋。運動会のシーズンです。
みんなと一生懸命、ダンスやかけっこの練習をしてきたユーゴンの晴れ舞台です。
親も、運動会にでて、元気に走り回るユーゴンを見るのをどれだけ、心待ちにしていたでしょう!

当日。
空は晴れわたり、絶好の運動会日和です。

ところがっ!

朝、毎日熱を測るのですが、その日は・・・「うそっ!」 熱があるではありませんか!そして、元気なユーゴンがぐったりしています。

これはダメだー。すぐに、病院の主治医の先生に電話をします(異常があったら、すぐに連絡することになっています)
 先生と相談の結果、もしかしたら拒絶の可能性あり。ということで、すぐに病院へ直行することになりました。

おじいちゃん、おばあちゃんは、運動会のために早起きして、お弁当も用意してくれています。

何とか、ユーゴンのかけっこだけでも、出られないか・・・先生と相談しましたが、すぐに来て下さいとのこと。

そう、こっちから病院まで車で2時間半。運動会にでていたら半日以上が過ぎてしまいます。

せっかく、この日を心待ちにし、この日まで元気だったんのにー!

「ユーゴン どうしよう?」
当の本人に聴いてみます。

「病院 行く。運動会はあきらめる」
本人はケロっとしたもんです。

親やおじいちゃん おばあちゃんの方が、がっかりしてるんですね。

ユーゴンに教えられました。現実は胆道閉鎖症という病気から逃れられないのです。
運動会ぐらいなんだ!また、来年もある、さ来年もある。小学校も・・・

ということで、病院へ行く途中ですこしだけ、運動会の様子を車の窓からながめ、フーッと 親だけが、ため息をつき、病院へむかったのです。

それは、拒絶だったようで、しばらく入院をしたと思います。

ユーゴンは運動会のことは気にするでもなく、いつものように病院ライフを平然と、すごしています。
親だけが、モヤモヤした気持ちでいます・・・・

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■今度は発表会だ!こんどこそ!■

それから、月日は流れ・・・・。恒例の発表会の日がやってきました。みんなで元気よくコーラスの練習をしてきたユーゴンの晴れ舞台です。

また、運動会の二の舞かな。親は弱きになっています。

それでも、ユーゴンは、毎日、保育園で会ったことを楽しそうに話してくれます。

発表会かならず来て・・!

ついに、その日がきました。今度は何事もなく園へ行き、無事発表会ははじまりました。

親はビデオを片手ににぎりしめ、今度こそ、ユーゴン、勇士をみせてくれー!と心の中で叫んでいます。
ユーゴンは平然と、しっかりと舞台に登場しました。

ほかの子供の姿は、見えません。ユーゴンだけが、しっかりと見えています。
そして立派に元気よく、歌をうたってくれました。

あのユーゴンが、みんなと同じように、こんなに立派になって・・・(と、このフレーズはことあるごとに出てきますので、あしからず)

本当に感激の発表会でした!

ここまで、元気に育ってくれてありがとう!

希望を考える本
■保育園の園長先生 そして 担任の先生 ■

保育園ですがあえて、先生と呼びます。
入園の時の、あの出来事以来、園での対応が、ギクシャクしないか、実のところは心配でした。

しかし、そんな心配は、まったく無用なことが、すぐにわかりました。

まず入園字に、病院からいただいた移植のこと、胆道閉鎖症の資料をもとに、ユーゴンの病気について、毎日の生活について、特に食事について、話し合いをしました。

それから園と保護者の間で毎日、連絡帳をやりとりします。

いずれも、先生達は、実に誠実に対応くださり、いつも、ちょっと気になることがあれば、報告をして下さいました。

地方の保育園なので、人数もそう多くないので、可能だったとも思いますが、何といっても先生方の気持ちが伝わってきて、わが子のように、なにかと心配して下さいました。

運動会へでられなかったこと、発表会が無事おわったこと、親とおなじような気持ちで接して下さいました。

これは私たちにとってどれだけ、ありがたかったでしょう。言葉に表せません。本当に感謝の気持ちでイッパイです。

先生方も普通でも大変なお仕事。さぞ、ユーゴンがいることで、心労も増したことでしょう。
しかし、いやな顔ひとつみせず、いつも笑顔でせっしてくださったのです!

特に、園長先生が、すごく楽しい方で、園児にも人気がある人です。当然、ユーゴンも大好きだったようです。その園長先生が、胆道閉鎖症という病気をもつユーゴンのことを、とくに気をつかってくださったのです。

気を使うといっても、腫れ物にさわるような、やさしい具合ではなく、他の子供と同じように、また、他の子供にもユーゴンの病気の事をただしく理解できるように、いつも元気よく、笑顔で接してくださったのです。

当然、服を脱ぐ時は、お腹の手術あとが、十字架のように大きく、見えます。

他の子供たちは、当然おどろき、何か!と思います。
すこし、まちがえば、イジメやからかいの対象になるところです。

そういったことも、「ユーゴンは小さい時に、痛い思いをして、がんばった証拠だ」といって、ユーゴンの勇気を誉め、ちゃんと手術の事を、他の子供にもわかりやすく、説明してくださったのです。

もちろん、他の先生方もそうです。

実はコレが一番のところ心配事でした。

ユーゴン自身も、手術跡を、気にするでもなく、皆にわざと見せて、「これは、ちいさいときに、お母さんから肝臓をもらったあとだよ」と、明るく説明できるようになりました。


友達も、それがごく普通にユーゴンの特徴のひとつだと感じたようで、なんの問題もありませんでした。
ほんとによかったです。案ずるより産むが安しでしょうか。

人生・生き方を考える本

■ちょっと悲しかった文化発表会。■

毎年、冬になると、拒絶だとか、腸閉塞だとか、原因不明の熱で入院するユーゴン。
ちょうど、入院の時期と、文化発表会(?)が重なったことがありました。

園児たちは先生と一緒に、工作をしたり、一緒に遊具をつくってあそんだりします。
保護者やおじいちゃ、おばあちゃんも呼んで盛大にやります。

たのしみにしていた行事ですが、いつもの事。入院となるとあきらめざるを得ません。

そこは、ユーゴンもちゃんと理解してくれていて、「しかたないやん」と逆に親がはげまされたりして・・

そして、何事もなく無事退院。
行事は最終日の展示が行われていました。
まっさきに保育園に駆けつけ、みんなの作品を見て回りました。

わーすごい!
いっしょにきた4つ年上のおにいちゃんも、参加して、一緒にあそびました。
もう、だれもきていない遊戯室で・・・・
工作も上手につくってあって、感心して、退院したうれしさといっしょに本当に楽しい時間をすごしました。

そんなとき、おあるあかあさんが、やってきました。

はしゃいでる私たちを見て、声をかけてくれました。

上手につくってありますね。そして一人一人の作品が見事ですねー!とハイテンションで話していると、
そのおかあさん。
「えっ?いままで見に来なかったの。みんな一生懸命やってたのに・・・」

「・・・ 」・・・・絶句

もちろんそのお母さんは、ユーゴンの入院など知らなかったので、何気なく、悪気もなく言ったに違ありません。

でも、そのときに、無理やり自分達を鼓舞して、楽しい時間を作ろうとしていた、気持ちがサーっとひいていくのを感じました。

やはり、さびしいです。
みんなと一緒に、ユーゴンと一緒に参加したかったです。
ユーゴンのヘタ〜な絵も見たかったです。

でも、我慢、我慢、命あってのモノと、いつものように、振舞っていたのは紛れもない事実です。

それまでが、楽しかっただけに、この一言は辛かったです。

そのお母さんにはもちろん、なんの非もありません。
私たちの考え方だけです。

でも、現実は、やはり、逃げられませんし、人間は正直です。

みんなと、おなじように普通にしたい。

本当に切実な気持ちでした。


悩みを考える本
■うれしいお迎え■

いまでも、ユーゴンのお迎えの時を思い出します。たまに妻が、お迎えにいけないときに父が代わりに、いきました。

時間おわると、ちいさい子供たちが、まるでハチの巣をつついたように、わー!!と群がってでてきます。

どの子も、かわいい盛りで、似たり寄ったりで、どれがユーゴンなのかわかりません。
ユーゴンはこの頃からもシャイだったのでしょうか・

私をみつけると、ちょっとうつむいて恥ずかしそうにして、出てきます。
「おーい迎えに来たぞー!」と大きな声を、(私も恥ずかしいのですが・・)だすと、ちょっと(やめて・・)というような表情を見せます。

でも、実はうれしいみたいで、微妙な気分の父と子は、保育士さんに、はずかしそうに、バイバイをしながら帰るのです。
とても懐かしい思い出のシーンです。

難病の子供/関連の本

■ともだちいっぱいのユーゴン■

ユーゴンは、入院生活がながかったものの、お友達はイッパイいたようです。

今あらためて、保育園時代のアルバムを見てみると、友達に囲まれて笑顔イッパイの、ユーゴンが写っています。

滑り台やブランコ。

遠足。

たのしい思い出の写真です。

実は、病院でも、だれとでも気軽に遊べる性格で、病院のお友達もイッパイいました。

逆に、病院生活での、寂しさが、だれとでも仲良くあそべる性格を作ったのかもしれません。

あらためて、今、思います。

親の知らない日常のたくさんの時間を一緒になかよく過ごしてくれた友達がいたことを
本当に感謝したいです。

すべての友達に「ありがとう・・・」

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■ケガばかりの活発ユーゴン■

ユーゴンは、よくケガをしました。

椅子から転げ落ちて頭から血をだしたり。

走っていてコケて、足をすりむく等は日常茶飯事でした。

それだけ、よく動き回る活発な子供でした。

そんなケガの中でも、最悪だったのは卒業直前の、左足の骨折です!

また、卒業式のエピソードにも書きますが、これはさすがにギブスをはめるような大怪我
になってしまい、大変でした。

本人も、動き回れず、ストレスがたまってしまい、てこずりました〜。

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■感動の卒園式■

入院の繰り返しで、あくせくしている内に、早いもので、卒園の時期を迎えました。

いろんな事がありましたが、とても楽しい時をすごせました。

卒園式はギブスをはめたままです。(先ほどの怪我)

一時は卒園式に出席が無理かなと思いましたが、ユーゴン自ら、

「大丈夫」みんなと一緒にあるいて出る!」

といってくれたのです。

どんなに、力強く、私たちに響いたことでしょう。!

当日、その言葉とおり、ユーゴンは、ギブスをはめたまま、歩きずらそうにしながらも
皆と同じように一生懸命に、歩いて登壇しました。

私たちは、もう感無量で、このときから。ウルウル状態になり、

妻の方といえば、最初から号泣して、お隣の奥さんに、いたわってもらっているではありませんか(^^)

私も、こらえ切れないものがありまたが、懸命に歩くユーゴンを見失うことの無い様、ビデオを必死で回しつづけました。

これまでの事が、頭のなかでグルグルと回転しながら思い出されます。

本当に苦しい時期もありました。

涙をのんで、行事への参加をあきらめた事もありました。

病院でも、症状が悪化し、保育園どころでないときもありました。

そういうことも全部ひっくるめて、今日の卒園式を迎えたのです。

ビデオの画面には、ギブスをはめながらも、痛そうな表情を一切みせずに、頑張ってあるくユーゴンの
姿があります。

こらえきれずに、私も途中から、涙がとまりませんでした。

お隣のお父さんも事情をよくしってくれているので、肩をポンポンとたたいてくれました。

「よかったな。よかったな。よくがんばったな。」

そういわれると余計に、泣けます(>_<)

卒園の言葉もしっかりとちゃんと言え、立派な卒園式でした。

退場も、皆と一緒に、堂々と退場してくれました。

卒園式は晴れ!そとはとてもいい天気でした。

みんなは外にでて、別れを惜しんでいます。

友達同士。

そして先生。

おせわになった園長先生が、ユーゴンのところに来て下さいました。

「本当に、大変だったけど、ここまでよくがんばったな!これからも病気にまけないように!」
と元気よく励まして下さいました。

園長先生と一緒にVサインをして写真をとりました。

このときには妻の号泣もとまって、あふれんばかりの笑顔です。


この感動の卒園式は一生忘れる事はありません。

先生、園長先生、他の親御さん、送り迎えをしてくれたおじいちゃん、おばあちゃん、そして、一緒に遊んでくれたお友達。みんなに心から「感謝」です。

ここまで立派に大きくなって卒園できた喜びをたとえようもなく、一日中、興奮していました。

長かったようで、短かった保育園生活。


まだまだユーゴンの人生は続きます。

あの小さくて、手術後は泣いてばかりで立つ事もできなかったユーゴンが次は、小学校になるんです。!

(おわり)
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