HirashimaTsutomu Works

音楽教育Partner
 
戎 博志  

授業力UP 講座 


講座101  「合奏」研究①
講座102   「合奏」研究②
講座103   「合奏」研究③
講座104  リコーダー導入指導ポイント
講座105  授業での「練習」の扱いは…
講座106  目標は学習者の「目線」で
講座107  歌詞内容を大切にして
講座108  フレーズに気をつけて
講座109  リコーダー指導「長休符の扱い」
講座110  リコーダー指導「音程」
講座111  リコーダー指導
 「主な旋律」「飾りの旋律」
講座112  リコーダー指導
 「指とタンギング」
 講座113 「問いと答え」の音楽を楽しもう
 講座114  
 講座115  


※ご覧になる講座番号をクリックしてください(講座105以降)


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講座101   「合奏」研究①


2月下旬に「ミニ音楽会」を控えた小学校に
お邪魔しました。

6年生4学級それぞれ違った合奏曲に取り
組んでいたので、各学級1時間ずつ聴かせ
ていただきました。
そこから見えてきた課題についてお話し
しましょう。

◆「速度」について

《ルパン三世のテーマソング》に取り組んで
いる学級の演奏を担任の指揮で聴かせて
いただきました。
あまりの悠長な演奏に思わず「ルパンって
すばしっこくないね」と感想を漏らしてしまい
ました。
この合奏では16分音符が随所に見られ、
また打楽器が16分音符で打ち続ける
(一小節に16拍)箇所もあるために、指導者
は、子ども達のできる速さで演奏していた
ようです。
一度演奏を聴かせていただいた後、指導を
任されたので、「この曲本来の速さで演奏
してみようよ」といって演奏を始めました。
中には戸惑う子どももいましたが、演奏を
終えると、子ども達の表情が一段と明るく
なったではありませんか。
「面白いね!」というつぶやきも聞こえて
きます。
そうなのです!演奏できるゆっくりの速度
よりも、少々できない箇所があっても
曲が生きる速度の方が面白いのです。

指導者は、曲が求めているものを見極め
それを子どもたちにダイレクトに伝える
ことを忘れないでください。

◆「曲想」をつける工夫を

「曲想」をつけるためには、曲から
「手がかり」を見出すことです。

《ルパン三世のテーマ》を例にお話ししま
しょう。

多くの場合…といってもクラシックなどの
ジャンルは別として、「サビ」の部分が
ありますね。
まずは、そこに目をつけましょう。

《ルパン》でいえば、最初のテーマが済み
滑らかに流れる部分が「サビ」です。
この箇所のピアノパートの和音(2分音符)
がお洒落なのです。
【7th(セブンス】や【maj7(メジャーセブン)】
などが7小節の間続くのです。

そこで、まず全員に「みんなでピアノの
和音を聴いてみよう。すっごくお洒落なん
だから!」と言って聴かせました。

「私は薄いガラスのような感じを受け
るんだけど、その上にドカンって自分の
旋律を乗せたり、ドンドンと打楽器を
打って壊してしまわないように演奏して
ほしいな。」

「それから、この部分の主旋律を演奏
する人達は、シンコペーションを十分に
味わって楽譜通りに演奏してください。」

音楽科の授業では、何とか子ども達から
意見や感想を引きだそうとして、指導者
が教えることを控える場面を見かけること
がありますが、教えるべき事柄、学ばせ
たいことについては、きちんと教えたい
ですね。



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講座102   「合奏」研究②


【講座101】で、「曲想」をつける工夫の
視点から「サビ」に着目しました。
他にも、「曲想」をつける手がかりになる
ものがいくつかあります。

◆「記号」に着目

その一つが、楽譜に書かれた「記号」です。
「記号」には、「強弱」「アクセント」「スタッ
カート」などが重要な手がかりになります。

冒頭からff、おまけにスタッカートが付いた
旋律が出てきました。《カルメン前奏曲》です。

リコーダーや木琴はともかくとして、「鍵盤
ハーモニカ」「アコーディオン」での演奏には
技術が必要です。

出し始めの音を強く、それもスタッカートで
演奏するためには、「鍵盤ハーモニカ」では
息を吹き込んだ状態で、指を鍵盤の上に
乗せておくようにし、演奏の合図と共に、
鍵盤を押さえれば、立ち上がりのいい演奏
ができるでしょう。
「アコーディオン」では、ジャバラを開いた
状態で、「鍵盤ハーモニカ」同様に、指を
鍵盤の上に乗せ、指揮者の合図を待つ
ようにします。合図と共に鍵盤を押さえる
と立ち上がりのいい演奏ができます。

また、《カルメン前奏曲》では、随所に
「スタッカート」が出てきます。
さらに、数小節にまたがった「クレシェンド」、
16分音符での上昇する「レガート」など…
これらの「記号」を見落とさず、ていねいに
表現するよう心掛けることによって、
「曲想」をつけることができます。


◆パートの組み合わせの面白さに注目

《彼こそが海賊》(ディズニー映画『パイレー
ツ・オブ・カリビアン』主題曲)を演奏している
学級がありました。
冒頭から、8分の6拍子のリズムに乗りきれ
ないまま、演奏が始まりました。

「海賊って、海の上に居るんですよね。だっ
たら、波に乗って揺れているようにして…」
こんな、当たり前のような投げかけが案外
子ども達には分かりやすいのでしょう、
8分の6拍子が気持ちよく揺れ出しました。
しかし、まだ音を出しているだけ…の演奏
です。

そこで…
「これから、何かが始まるんだよね。だから
聴いていてドキドキ、ワクワクするように演奏
できないかな」
この投げかけで、演奏が変わり始めました。

しかし、どうもパートがかみ合っていません。
全体にぎくしゃくした演奏なのです。

その原因は、1小節を4分音符3つで打つ
旋律楽器に対して、打楽器は8分の6拍子
でカウントするところにありました。

そこで、1小節を4分音符3つで書かれた
旋律を担当するパートに、1小節2拍で
手拍子をして、そのリズムに合わせて
演奏してもらうことにしました。

「1小節を3拍で手拍子して合わせたら、
低学年の合奏みたいでしょ!」と言うと、
子どもたちはうなずいています。

「どうですか、2拍の手拍子(1小節)に
合わせて演奏するとどんな感じかな?」
と問いかけると、「モゾモゾする感じで
面白い!」

この「モゾモゾ感」こそ、この曲の魅力の
一つといえるのです。
それを味わっておくと、8分の6拍子の
リズムを聴きながら、4分音符3つ
(4分の3拍子感覚)での演奏を楽しめる
余裕が生まれるのです。

曲の持つ魅力を十分に体感させることで、
お互いに聴き合う余裕ができ、演奏全体が
引き締まるのです。


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講座103   「合奏」研究③


◆「指揮」の重要性について

お邪魔した学校では、音楽専科の指導、
各学級担任の指揮で「音楽会」に臨む
のだそうです。

学校の実情や、これまでの経緯の中で
普段、音楽の指導にかかわっておられない
担任が指揮をする場合もあることでしょう。
もちろん、誰が指揮をしても構わないの
ですが、指揮者の役割をきちんと果たす
重責があるということです。


どの担任も、演奏を始めるに当たって
1小節「空から振り」をされていました。
そうすることで、演奏の立ち上がりに、
緊張感がみられないのです。

子どもたちは、出だしの音を「ドン」と
置いてしまうような感じになってしまって
いたのです。

そこで、「1拍の予備拍で演奏を始める
ようにしましょう」と言って、演奏を始め
ると、音を出す前の子どもたちの目の
色が違い。真剣に指揮を見つめます。

また、指揮者は、演奏途中での「曲想」
が変化するところや、強弱、スタッカート
など、本番で緊張している子ども達へ、
合図を出すことで、安心して音を出す
ことができ、より豊かな表現が生まれる
のです。

本番前日…「明日も今日のような演奏
ができればいいね」と声をかける指導者
がいます。
そんな気持ちでは、今日の演奏の単なる
繰り返しに終わってしまい、創造的な
演奏はできません。

そうではなく、明日、さらにいい演奏が
できるようにするためには、指揮をする
指導者が、いかに指示を出すか、さらに
演奏で工夫できる箇所はないか…
新鮮な演奏を心掛けましょう。
本番では、子どもたちは、より一層、
指揮を見るものです。


私が訪れた学校の先生方、子ども達が
「どうして指揮者が変わると、こうまで
演奏が変わるのでしょうね」と驚かれて
いました。
初めての出会いであっても、音楽を
真ん中にして向かい合うと、心が通じ
合えるものなのです。



講座104   リコーダー導入指導ポイント


新学期になり、リコーダーの指導が
始まっておられることでしょう。
先さき進みたい子どもを前にして
じっくり教えるのは難しいかもしれま
せんね。でも、この先 6年生までの
ことを考えて大切な指導が3つあります。
T楽器で長年リコーダー導入講習を
されている講師の方の講習内容をもとに
お話ししましょう。

①タンギング

3年生の子ども達には「タンギング」と
いうより「リコーダー語」という呼び方が
分かりやすいかもしれません。
どちらにしても、まず身に付けたいのが
この「タンギング」。

『ぶんぶんぶん』という曲がありますね。
原曲はドイツ(ボヘミア)民謡で、19世紀
後半に作られたようです。
話は逸れますが、ドイツでは蜂の羽音
を「ブン」じゃなくて「ズム(Summ)」という
のも、お国柄の相違なのでしょうね。

この曲、それも最初のフレーズなら、
指導者の方々もお手本として、子ども
の前でも吹けそうですよね。
「♪レドシ・ラシドラソ…」

まずは、タンギングを付けて吹きます。
「じゃあ、次はタンギングを付けずに
吹いてみるよ」
「♪フーフーフー・フフフフフー」
「どうですか?
ふんふんふん・はひはほふ…」って
なってしまうよね」
子ども達に、二つの違いをよく理解
してもらえることでしょう。

②息の強さ

吹き込む息が強すぎると音が割れ、
弱すぎると、やはり音がかすれたり
正しい音高が保てませんね。

ここで、先ほどの『ぶんぶんぶん』を
吹いて聴かせてあげましょう。
校務の合間に涙ぐましい練習を
重ねたのであれば、なおさら使わない
手はありません。
「こんなハチが飛んで来たらどう
する?恐いよ…」と言って、思いっ
きり強い息を吹き込みながら
演奏しましょう。
「ハチがすごく怒ってるみたい!」

「じゃあ、こんなハチは?」と言って
弱い息で吹くと…
「ハチがフラフラになってるみたい!」

このように、子どもたちによく分かる
指導を行うことで、6年生まで息の
強さの大切さを覚えていてくれる
ことでしょう。

③構え方(左右の手)

右手と左手…どちらを上に構えるか
子ども達の中には、どうしても右手が
上になってしまう姿を多く見かけます。
この指導は、指導者がしっかりと
子ども達を観察し、間違っていないか
慣れるまで常に気を付けます。
「右手でリコーダーの下を持って、
左手親指と人差し指でOKしてみよう」
この時に大事なことは、真ん丸の
OKをするのではなく…

eggyubi
(曲集「シングシング リコーダー」より)

たまご型にするのがポイントです。
というのは、あなをふさぐのは、指の
先ではなく、指のはらだからです。
どのあなもふさがない開放音での
練習時から、左手5音の練習に
進んでも、常に吹き始めるときには
左右の手を確認するようにします。

導入指導の3つのポイントは、常に
気を付けておきたいものです。
導入時の指導の大切さを分かって
いただけましたか。


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講座105    授業での「練習」の扱いは…


◆「指導案」を作成する上での留意点

1校時の授業の流れにおいて「練習する」
必要が生じる場合があります。

授業研究には欠かせない「学習指導案」
にも当然「練習する」と記述するでしょう。
普段の授業では、習熟のための練習を
させることもあるでしょう。

しかし、この場合の留意点として大切な
ことは「練習」も「活動」だということです。
授業時間を割いて活動するのですから
当然、練習のめあてを記入しなくては
いけません。

ですから、例えば「工夫を生かして表現
することができるように練習する」、
「サミングの仕方を確認し、タンギングや
息のつかい方を練習する」というように、
練習のめあてを明確にしましょう。

また、「◯◯曲で高い音を練習する」…
というように練習ポイントを示すことでも
いいでしょう。

本来、普段の授業であろうと、研究授業
であろうと、きちんとめあてをもって練習
にあたるように心掛けたいものです。



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講座106   目標は学習者の「目線」で


◆つかみにくい「目標」がもたらすもの

6年生「いろいろな音の響きを味わおう」
という題材での授業について話します。

教材の一つは『ラバーズコンチェルト』。
大まかな流れとしては…
①旋律の特徴から各パートにふさわしい
楽器を選ぶ。
②全体のバランスを工夫して演奏する。
③リズム伴奏を加え、グループ毎に発表
し、響きの違いを楽しんで聴き合う。
といったところでしょう。

ところで、①と②の間に、「各パートの
役割にふさわしい楽器を選んで、響きを
確かめよう」という「めあて」を掲げた
授業を拝見しました。

全体で演奏しながら、響きを確かめる
というのが、子どもたちにとっては漠然
としていて「ねらい」になりにくかったの
です。
選んだ楽器の響きを確かめ合うとすれ
ば、①の活動の部分で、重ねた音の
響きを確かめ合っておくようにすれば
集中して確かめることができたでしょう。

①と②の間で授業を行うとすれば、
主な旋律が十分に聴きとれるか、
他のパートとのバランスはどうかなどを
めあてとして掲げていれば、子ども
たちの活動も活発化したと思われます。

すなわち、わかりにくく、つかみにくい
あいまいな目標では、後から考えても
何を子どもたちが学び取ったのかが
見えないままに終わることになって
しまうのです。


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講座107   歌詞内容を大切にして


◆歌詞を読み取り、「音楽」に生かすこと

3年生の教材に『とどけよう このゆめを』
(安西薫作詞/長谷部匡俊作曲・教育芸術社)というのがあります。

二部形式で、前半と後半で歌い方に変化を
つけて楽しむ曲なのですが、『山のポルカ』
(同社3年)のように、明らかにリズムが
異なっていれば、歌い方に変化をつけること
が理解できるのですが、『とどけよう このゆめを』のリズムから、違いを見つけることは困難でしょう。

では、歌い方の変化に気付くヒントになるものは…
一つは、
旋律の動きです。
出だしの部分を見てみると、音程の跳躍が
見られるので弾む感じになりそうです。
(ド➘ソ↗ラ➘レ…)

また、後半の部分は隣り合った音のつながり
でフレーズができているので、流れるように
歌うことが読み取れそうです。

歌い方の変化に気付く二つ目のヒントは、
「歌詞」内容です。
特によく分かるところは前半2段目の「キラ
キラ…」でしょう。朝日がキラキラ輝いている
情景を想像すれば、一か所がキラキラしているのではなく、あちらこちらが輝いているのがわかりますね。
ですから、前半の「あさひが」「キラキラ」は特
に弾むように歌うといいでしょう。

後半は旋律の動きと歌詞から、流れるように
歌うことが理解できます。

また歌詞の読み取りを歌声にいかに表すかが音楽科の魅力でもあります。
1段目の「笑ってる」…この言葉を無表情だったり、怖い顔をして歌うのではなく、笑顔で歌うと、ほっぺが持ち上がり、歌声や表情がとてもやわらかくなります。

指導者は、ピアノの前で伴奏するのではなく、子ども達の前に立ち、最高の笑顔で応える
ようにしましょう。

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(最高の笑顔?!で応える担任の先生)

また、歌声を意識させるためには、「空高く…」「雲にのって」「空のかなた」などに目を向けさせるようにするといいですね。

さらに、「よびかける…」「届けよう…」という歌い手の意思が表れている言葉は、より能動的・積極的に歌うように指示をしたいところです。
「呼びかける」の「よ」、「届けよう」の「と」の歌い始めの言葉を自分から迎えに行くように歌いましょう…という指示も伝わりやすいでしょうか。



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講座108  フレーズに気をつけて


◆リコーダー…旋律のまとまりを感じながら

【講座107】での教科書教材『とどけよう このゆめを』では、後半にリコーダーが登場します。
出てくる音は「シ」「ラ」「ソ」の3音、親指と人指し指は離さないので、安定して演奏することができるでしょう。

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リコーダーを合わせるところの歌詞が「呼びかける風の歌…」となっています。
ですから、
赤のスラーのように二音をつなぐ気持ちでそれぞれ吹くようにします。
二つのスラーがバラバラにならないよう、
黄色のつながりを併せて意識させるといいですね。

歌声どうし、またリコーダーどうしの重なりに比べて歌声とリコーダーの重なりはつかみにくいといえます。
友だちの歌声を聴きながらリコーダーを吹きましょう…その通りなのですが、あまり子どもたちを追い込まず
表情から見極めるようにすることも大切です。


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講座109  リコーダー指導「長休符」の扱い

◆合唱奏「旅立ちの日に」より

【講座109】~【講座112】は「ミュージックエイト版」の
合唱奏楽譜を例に説明しています。


tabi1

上記の楽譜は、合唱奏「旅立ちの日に」のリコーダー
パートです。パート譜には、数小節、休みが続く場合が
よくあります。
子ども達に、この曲で、どこが難しいのか尋ねてみると
「Ⓐの3小節◯」だと言う子どもが案外多いものです。

無音の状態で数えながら次の入りを待っていると、
確かに難しいかもしれません。
そこで、この間に流れている(主)旋律をオルガンで弾くと
難なく入れるのです。
リコーダーパートの練習であっても、長休符の部分には
さりげなく(主)旋律を入れておくようにすると、後々合奏に
入りやすくなります。

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講座110  リコーダー指導「音高」

◆合唱奏「旅立ちの日に」より

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リコーダーに限らず、歌でも上のような音の動きの大きな
フレーズがよくあります。

歌う場合には、ある程度意識を持って歌おうとするもの
ですが、リコーダーの場合、何気なく吹くことも多いのです。
そうなると、音程がうまく決まらずに、気持ちの悪い演奏に
なります。
リコーダーでの高音の【ミ】(サミング)は、どうしても強く吹き
がちで、その息遣いのまま【レ】を吹いてしまうと、音が
上ずるだけではなく、音色までも悪くなります。

また、【ミ】から【レ】に移る時、左手中指(2)を残して、他の
指を開放しなければなりません。サミングしたまま、右手
薬指(6)をふさぐのをよく見かけます。
息遣いとともに、運指にも気をつけたいフレーズです。


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講座111  リコーダー指導
主な旋律」「飾りの旋律」

合唱奏「旅立ちの日に」より

子ども達に配った楽譜に【かざりのせんりつ】
【主なせんりつ】
と書き込まれていました。

tabi3


このことは、パート譜にはとても大切な情報です。

飾りの旋律が主旋律を邪魔しないように、そして主旋律は
際立って聴こえるようにしないといけないからです。

そのためには、タンギングを使い分けて演奏すること。

主旋律を際立たせたい場合には、[トゥ(tu)]でいいの
ですが、飾りの旋律を吹く場合には、主旋律より
押さえなければなりません。
弱く吹く?
いえいえ、そうすると音高が下がってしまい、貧弱な
音色になってしまいます。
そこで…タンギングを[トゥ]と[フゥ]を混ぜたようにする
のです。
ロングトーンをしながら、頬をふっくらさせて、指で軽く
つつくと、音が揺れるくらいがいいですね。

それと、息をリコーダーの吹き口(ウィンドウェイ)
の真ん中に集めるように吹き込むようにします。

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講座112  リコーダー指導
「指とタンギング」

合唱奏「旅立ちの日に」より

下のような楽譜が出てきた場合…

tabi4
tabi5
16分音符や3連符は、4分音符や8分音符より、
リズムが細かくなりますね。
このようなところでは、どうしてもタンギングより指の
動きが遅れやすいので、指を少し速めに動かすように
指示しましょう。
もごもごしないで、すっきり演奏することができるでしょう。


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講座113 「問いと答え」の音楽を楽しもう

「問いと答え」とは、ご存知のように音楽科における共通
事項
の一つです。

つい先日、この題材での授業を2本参観する機会があり
ました。
どちらも、2年生です。

A小学校では…

toikotae1

(使用教材「あえてよかった」(高丸とも子/橋本祥路))

既成のメロディーのリズムを、あらかじめ自分が
選んでおいたリズムに換えて受け渡しをしています。

toikotae2

toikotae3

B小学校では…

toikotae4

(リズムで呼びかけたり答えたりしよう)

toikotae5

(リズムを好きな楽器で演奏し、受け渡す)

ペアの中で、問いと答えに分かれ、提示された
いくつかのリズムカード(下図)の中から先に選んで
おいたリズムを使ってお話しをする…という授業
です。
toikotae6

A・B、2校の授業で共通しているのは、事前に
決めたリズムを使って、「問いと答え」を楽しむ
という点です。

ところで、子ども達は、これまでにリズムカードを
使って音楽をつくってきています。
おまけに「くりかえし」をうまく使う活動も十分に
学習してきました。
また、好きな楽器を選び、気に入ったリズムを
選び、「呼びかける役」「答える役」に分かれて
お話しをするようにリズムを打つ活動も経験澄み
なのです。

せっかくの問いと答えなのですから、どんな問い
かもわからないうちに事前に用意した答えを
使ってお話しをするように…と言われても、
子ども達には理解しがたいことでしょう。

少なくても答える側の子どもは、「問い」を聴いて
から、「答え」を即興で編み出したいところです。

例え、単純なリズムしか出てこないとしても、
子どもたちは、音楽の共通事項における
「問いと答え」の本来の意味を理解してくれる
はずです。

あらかじめ決めたリズムでは、「問いと答え」の
お話しをする楽しさではなく、リズムをつなぐ
楽しさなのです。
「問いと答え」の楽しさと、「つなぐ」楽しさとは、
全く質の違う活動だといえるでしょう。

おまけに、この2校の子ども達…1年生からの
積み上げができていたこともあり、授業が予想
ほどに盛り上がらなかったのも、子ども達の持つ
レベルの高さに学習内容が届かなかったと
考えるのが妥当ではないでしょうか。




 講座   1~ 60 
   
講座  61~100

    

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