常設展

 田中家は、枚方上之町で鍋や釜といった日用品、犂先などの農具、寺院の梵鐘などの鋳造を行い、北河内地域を独占的な営業圏としてきた、真継家配下の鋳物師です。
 同家は長きにわたって鋳物業を営んでいましたが、昭和40年(1965)頃には廃業し、鋳物工場と、隣接する住宅(主屋)を枚方市に寄付しました。これらは、江戸時代中期に建築されたと考えられており、江戸時代の鋳物工場の姿を現在に残す、国内でただ一つの建物です。
 枚方市は、両棟を王仁公園の一角である現在地に移築・復元し、昭和59年(1984)に「枚方市立旧田中家鋳物俗資料館」として開館しました。
 工場内には鋳造の歴史や製作の道具類と田中家の歴史を、住宅内には枚方の伝統的な生活用具を展示しています。
 また、敷地内には枚方市内で発掘された弥生時代の竪穴住居跡、復元竪穴住居もあわせて展示しています。

@弥生時代の移築住居跡
長尾西遺跡で発掘された弥生時代後期の実物之住居跡です。方形住居の約半分をとどめるだけですが、炭化材が残っていたため、地面から切り取って移設しました。
A弥生時代の復元住居 C旧田中家住宅 (大阪府指定有形文化財)
田口山遺跡で発掘された弥生時代中期の竪穴住居跡をモデルに復元しました。 元文4年(1739)に梵鐘を鋳造したときの祈祷札がうたれていたので、その頃にたてられたようです。炎を扱う鋳物工場に隣接しているので、防火のために屋根は瓦葺です。
     
B田中家鋳物工場(大阪府指定有形文化財) 居室
江戸時代の貴重な鋳物工場です。鋳物業は溶解した金属を、鋳型に流し込んで製品を作る仕事です。 鋳物師という珍しい職種の主屋ですが、間取りなどは、大きな土間に4つの部屋という、周辺の民家と変わらない「田の字つくり」となっています。
踏鞴(たたら) かまど
鋳物工場では踏鞴を使って風を送ることで、炉内の温度をあげていました。踏鞴の踏板の両端をシーソーのように交互に踏む単純な労働を、数時間以上続けました。 主屋の土間には炊事場があり、煮炊きといった調理はかまどで行いました。
資料館の周辺地域では、燃料にシバ(枝)・コクソ(松葉)・ワラなどが用いられました。
工場内展示
工場内には、鋳物の歴史を紹介するコーナーや、この工場で操業していた田中家の歴史を展示するコーナー、また、枚方市内でつくられた現代の鋳物を紹介するコーナーがあります。
こしき炉(溶解炉 D体験工房
金属を溶かすための炉で、鉄芯を入れた粘土で作られています。中に燃料となる炭と地金を入れ、踏鞴から風を送り金属を溶かしました。溶けた金属は下に溜まり湯口というあなから流し出します。
こしき炉は高温になるので、上部には熱を逃す風袋が建物に設けられています。
2008年7月1日に「鋳物づくり」ができる体験工房をオープンしました。体験工房では「鋳物づくり」「彫金」や「七宝焼」などが体験できる講座を開催しているほか、美術・工芸などの創作活動を行う市民に工房を貸し出しています。
*貸工房の利用には登録が必要です。



HOME