文机の上に広げた紙の上を、影がさした。
 顔をあげれば、窓外をひらひらと大きな胡蝶が舞ってゆく処だった。その影がさしたのだ。
 しばらくの間、土方はそれを眺めていたが、やがて視線を落とした。筆をとり、さらさらと文を書きつけてゆく。


 総司が去ってから一年以上の時が流れていた。
 その間に、世間ではもちろん、新撰組でも様々な事があった。伊東一派の離脱もあり、それに間者として斉藤を同行させた事もそうだ。
 斉藤は、総司が去った事を知っても何も云わなかった。おそらく、何か聞かされていたのだろう。むしろ、納得したような表情だった。
 隊内には、療養のため隊を離れたとされ、皆、それに納得した。そして、また始まる殺伐とした日々。
 何も変わらない、総司が消えても変わらない新撰組。


 ある意味、変わったのは自分だと、土方はほろ苦く笑った。
 総司を手放したあの日から、胸奥にぽっかりと穴があいたようだった。息づまる寂寥感、虚しさ。それに堪えきれず、何度か祇園や島原へ通ったが、癒されるはずもなかった。
 総司が去ってから、数日たったある日、土方は愕然となった。いつも屯所のどこかに、視界に、総司の姿を探し求めている自分に気づいてしまったのだ。
 傷つき苦しみ、信じる信じないなどと、虚しいだけの言葉の応酬に疲れ果て、手放したはずの総司だった。
 納得ずくで、土方は、あの時、総司に背を向けたのだ。隊を出てもかまわない、彼から離れても仕方ないと、思いきったつもりだった。
 だが、思いきる事など出来るはずもなかった。ずっと長い間、総司に抱きつづけてきた想いは、そんな生半可なものではないのだ。
 もう愛していないなど、偽りだった。


 愛してる、愛してる、愛してる。


 百回叫んでも足りぬほど、気も狂うぐらい愛していた。欲しくてたまらず、そのすべてを愛したいと心から願った。
 今すぐ、あの華奢な躯を抱きしめたかった。その柔らかな髪に顔をうずめ、なめらかな白い肌に手をすべらせたかった。
 澄んだ瞳に見つめられ、笑いかけられたかった。あの甘く綺麗な声で、「土方さん」と呼んでほしかった……。
 だが、もう手遅れなのだ。
 二度と取り戻せぬ、恋人。
「何が大事なのか、わかっていなかったんだな……」
 土方は苦々しい思いで、呟いた。
 両手の中に顔をうずめ、ため息をもらす。
 裏切られても、何をされても、自分は総司を愛していた。好きなのだ。大切に思っている。
 それは、総司が彼にどんな仕打ちをしたとしても、変わらぬ想いだった。子どもの頃から見守り、愛してきた彼の気持ちが、そんな簡単にかわるはずもなかったのだ。
 だからこそ、殺そうとした。再会してからは手に入れようと懸命になり、挙げ句、束縛までした。
 愛故だからとすべてが許されるとは思わぬが、少なくとも、独占欲や執着だけではない。愛していたからこその行為だったのだ。
 なのに、あの朝、その想いさえ信じ切れなくなり、総司を手放してしまった。
 どんなに悔やんでも、もう遅い。総司の消息は一年たった今でも、杳として知れなかった。
「……」
 土方は嘆息をもらすと、静かに立ち上がった。
 近藤に会うため、廊下を歩いてゆく。近々、隊士募集のため江戸へ行く事になっているのだ。その事について打ち合わせをしなければならなかった。
 局長室で隊士募集に関する事柄について話すと、近藤は鷹揚に頷いた。
「そうだな。日数はかかるだろうが、よくよく人物を見極めてきてくれ」
「あぁ、わかっている」
 そう答えた土方を、近藤は眺めた。ちょっと黙ってから、問いかける。
「歳、おまえ、江戸での宿をどこにおくつもりだ?」
「むろん、試衛館だ。あそこ以外、どこに泊まれと云うんだよ」
「そうか……成程」
 一つ頷いた近藤は、やがて、云った。
「総司は試衛館にいるぞ」
「……え?」
 一瞬、意味がわからなかった。いくら明敏な彼でも、咄嗟に反応できなかったのだ。
 探し求めていた恋人のことであるから、尚のことだ。
「いるって……どこに」
「だから、試衛館にだ。去年から、あそこで療養している」
「──」
 土方は息を呑んだ。
 呆然としている彼の前で、近藤はゆっくりと云った。
「おまえも……総司も、見ておれんかった。だからこそ、療養を許可したのだが、あのままでは総司は自害しかねなかったからな。とりあえず江戸へかえし、試衛館で療養させる事にしたのだ。あそこなら、子どもの頃から慣れ親しんだ場所だ。総司も気持ちが和らぐだろうと思ってな」
「近藤さん……」
「もとはと云えば、おれのせいだ」
 近藤は目を伏せ、苦い口調で呟いた。厳つい顔に、悔恨の色がうかぶ。
「おれが、おまえの縁談のためにと、総司を説き伏せ別れさせた。そのせいで、こんな事になってしまった。酷い仕打ちをしてしまったと、今でも悔いているのだ」
「それは違う。近藤さん、あんたのせいじゃねぇ」
 土方はきっぱりとした口調で云いきった。
「誰のせいでもないんだ。別れを選んだのは総司だし、それに逆上して手をかけたのは俺自身だ」
「歳」
「誰が悪い訳でもない。ただ……気持ちがすれ違ってしまっただけだ。それだけの事だったんだ」
 そう口にした土方は、しばらくの間、黙り込んでいた。視線を落としている。
 やがて、顔をあげると、近藤をまっすぐ見据えた。端正な顔は、決意の表情にみちていた。切れの長い目の眦がつりあがり、固く唇が引き結ばれている。
「……今度こそ、総司を取り戻そうと思う」
 決然とした声音だった。
 土方は膝上に拳を置いたまま、静かにつづけた。
「真っ正面からぶつかり、正直に己の気持ちを話す。もう逃げはしない」
 はっきりと云いきった土方に、近藤はもう何も云わなかった。云うべき言葉はないと思ったのだ。
 ただ、視線をあげて窓外を眺めやると、
「江戸の夏も暑いだろうな」
 と、呟いたのだった。












 縁側から降りた総司は、白い額の汗をぬぐった。
 青空を見上げ、目を細める。
 試衛館の庭先だった。
 ここへ戻り、もう一年近くの時が流れていた。近藤の薦めで試衛館に戻り、時々、子どもたちに剣術を教えている。京でのことが嘘のような、穏やかな日々だった。
 近藤の家族たちは皆、試衛館に隣接する屋敷に住んでいるため、ここにいるのは総司一人だった。だが、それが、京での様々な出来事に疲れてしまった総司にはかえって有り難い。
 もっとも、試衛館にいれば、昔の事をいやでも思い出した。
 柱についた傷や、日当たりのいい庭、井戸端、彼と二人で昼寝した縁側───
「……」
 どうしても思い出してしまう土方との記憶に、総司は頬をあからめた。
 思い出が多すぎるのだ。子どもの頃から一緒に過し、憧れ、恋し、愛した人。そして、彼も自分を優しく愛してくれた。
 縁側でも、土方の力強い腕に抱きこまれるようにして、昼寝をした。身を寄せれば、質素だが清潔な着物ごしに彼の鼓動が聞こえ、どきどきして。
 薄目を開けてみれば、土方が悪戯っぽい笑顔で見下ろしていて、びっくりしたのを覚えている。



『もう、土方さんの意地悪……っ』
『意地悪って、何がだ? 可愛いなぁと思って見てただけじゃねぇか』
『か、可愛いって、私のどこがっ』
『全部だよ。おまえの全部、すげぇ可愛いぜ?』
 くすくす笑いながら抱き寄せてくれる彼が、だい好きでだい好きで。
 泣きたくなるぐらい恋しくて、ぎゅっとしがみついた総司を、土方は優しく抱きすくめてくれた。
 そんな、幸せな日々。



「もう……昔のままじゃない」
 あの朝、土方に云われた言葉を呟いた。
 彼の云うとおりなのだ。どれ程懐かしく思っても、戻れるはずがない。昔のままであるはずがない。
 それでも、愛してる──と告げる事さえ許されぬ今は、総司にとってたまらなく切なかった。もう二度と逢えないかもしれないのだ。とは云っても、逢う事を望んでいる訳ではない。逢えば、自分がどうにかなってしまう気がした。怖いのだ。
 愛する彼の前で、平静を装える自信がどこにもない。それに、再び彼に冷たい目で眺められるのが辛かった。刺すようなまなざしを向けられるたび、身を斬られるような想いをしてきたのだ。
 あんな思いは二度としたくない。
「……っ」
 総司はきつく唇を噛みしめた。
 その時だった。後ろから声をかけられ、驚く。
「あ……おつねさん」
 近藤の妻であるつねだった。ひっそりと控えめな女性だが、芯の強い処もある。
「京から文が参りました。これは、旦那様からあなた宛てとなっておりましたので」
 そう云って文を渡すと、つねは静かに立ち去っていった。
 礼を云い、それを見送ってから、総司は縁側に戻った。腰をおろし、文をはらりと開く。
「……」
 文面を目で追ううちに、総司の顔色がみるみる変わった。目が見開かれ、さっと頬が強ばる。
 手が震えた。
「……嘘……土方さんが……?」
 文には、近々、土方が江戸へ向うと書いてあった。この文がついて暫くすれば到着するだろうこと、その際は試衛館に泊まる事になっているということなどが、書かれてあった。
 あまりに突然の知らせに、総司は呆然となってしまう。
 信じられなかった。
 愛するがゆえに土方のもとから逃げ出してきたのに。なのに……その彼がここへやって来るのだ。
 再び、逢ってしまうのだ。
「土方さんに……」
 逢えるのだとは思わなかった。むしろ、怖くなる。逃げ出してしまいたくなる。
 総司は俯き、のろのろと両手で口許をおおった。
「……どうすればいいの……」
 小さな声は、夏の日射しの中にとけた。












 品川から、今日の昼前には着くという知らせが来た。
 江戸へ入る前に一泊したようだった。それに、総司は戸惑う。
 土方もまた、自分に逢いたくないのかと思ったのだ。拒絶まではいかなくとも、躊躇っているのかもしれなかった。だから、江戸入りを遅らせている。
 総司は道場の中をいつも以上に綺麗に片付けると、井戸端で汗を拭い、さっぱりした麻の単衣に着替えた。きちんと袴もつけ、身なりを整える。
 逢わなければならないのなら、毅然とした自分を見せたかった。少なくとも、みっともない姿だけは彼に見せたくない。
 だが、そんな総司の決意をよそに、昼を過ぎても、土方は姿をあらわさなかった。何か変事でもあったのかと、不安になってしまう。つねたちがいる隣の屋敷へ先に挨拶へ向うにしても、遅すぎた。
 しかも、こうして彼の到着が遅れるにつれ、どんどん決意が鈍ってゆく。


 逢いたくない。
 土方さんに、逢うのが怖い。


 その時だった。
 突然、塀越しに、隣の屋敷から賑やかな声が聞こえた。土方たちが到着したのだ。
「!」
 総司は大きく目を見開いた。
 緊張で指さきまで冷たくしたまま、その場に立ちつくす。
 呆然と宙を見つめていたが、それがどれ程の時だったかはわからない。不意に、このままではいけないと、総司は身をひるがえした。小走りに庭を横切り、門へ向う。
 だが、それは彼を迎えるためではなかった。理性では迎えなければとわかっているのだが、どうしても怖いのだ。怖くて怖くて、たまらないのだ。
 総司は門を飛び出し、路地を走り出した。息があがる。
 そこまでだった。
 突然、腕を掴まれたのだ。
「……どこへ行く」
 あの時と同じだった。
 隊を出ようとした、あの朝と。
「──」
 総司は息をつめた。ふり返る事さえ怖くて出来ない。
 そんな総司に、土方は喉奥で笑った。
「俺が来るからと逃げ出すつもりだったのだろうが、そうはいかねぇよ」
「……土方、さん……っ」
「今度は逃がさねぇ」
 そう云うと、土方は総司の躯を軽々と抱き上げた。子どもの頃よくしたように、たて抱きにし、さっさと門の中へ戻ってゆく。
 総司は慌てて彼の肩にしがみつきながら、周囲を見回した。幸いにして人の姿はない。土方も隊士たちを隣の屋敷に置いてきたのだろう。その事に安堵したが、状況が変わる訳でもなかった。
 とんでもない状態に、頬が真っ赤に火照ってくる。
「お、降ろして!」
 どんっと小さな拳で肩を叩いた総司に、土方は「痛いな」と僅かに顔をしかめた。とたん、怯んでしまうのがわかったのか、土方は黒い瞳で見上げてきた。
「また痩せただろう。ちゃんと食っているのか」
「食べています。江戸へ来てから、体も楽になったし……」
「それは良かった。やはり水があっているのだろう。まぁ、それはそれで困ってしまうものがあるがな」
「え……?」
 不思議そうに小首をかしげる総司に、いや、と首をふり、土方は総司を抱いたまま庭先へ歩み入った。縁側前でそっと降ろしてやりながら、周囲を見回す。
「懐かしいな」
 そう云って目を細める土方を、総司はひそかに見つめた。
 旅装束に身を固め、だが、一度品川で草鞋を脱いだためだろう、全く汚れていなかった。とても長旅をしてきたとは思えぬ端正さだ。
 夏の木洩れ陽の中、黒塗りの編み笠をゆっくりと外す様は、見事な絵のようだった。
 すらりとした長身に、単衣の黒い小袖、袴がよく似合っている。艶やかに結い上げられた黒髪も、切れの長い目も、何一つかわっていなかった。
 土方は形のよい唇から吐息をもらし、しなやかな指さきで樹木にふれた。懐かしさにひたっているのか、総司の方をふり返りもしない。それが辛く、切なかった。
「……」
 総司は思わず目を伏せた。
 やはり、逢うべきではなかった。出来ることなら、日野へでも去っていればよかったのだ。
 そうすれば、こんな息がとまるような切なさを、再び味わわずにすんだのに。
 縁側に腰かけた総司は、両手をぎゅっと握りしめた。俯き、小さな声で問いかける。
「……何をしに来たのですか」
「──」
 土方がこちらをふり返るのを感じた。だが、刺々しい声音でつづけてしまう。
「私になど構わず、隣へ戻られたらいいでしょう。ここで泊まられるというお話でしたから、用意だけはさせて頂きました。でも……」
「総司」
 不意に、言葉を遮られた。とたん、総司は声を呑んでしまう。
 土方が歩み寄ってきたかと思うと、目の前に跪いたのだ。袴が汚れるのにも構わず跪き、濡れたような黒い瞳で、総司を見上げてくる。
 どきりとした。鼓動がはねあがり、頬が熱くなる。慌てて目をそらした。
「な、何ですか」
「おまえに話があって、ここへ来た」
「……」
 総司は全身を強ばらせた。
 何の話なのか、わからなかった。だが、確かなのは、総司にとって辛い話であるに違いない事だった。聞きたくないと子どものように叫んで、耳を塞いでしまいたくなる。
「総司……」
 ゆっくりと土方が手をのばし、総司の手にふれた。びくりと震えた総司に眉を顰めたが、気をとりなおし、静かな声で云った。
「京へ一緒に戻ってくれないか」
「……え」
 総司は目を瞬いた。あまりの意外さに、何を云われたのかさえ理解できない。
 ぼんやりと彼を見返す総司に苦笑しつつ、土方は言葉をつづけた。
「俺はおまえを迎えに来たんだ。総司、一緒に京へ戻ろう」
「……何、を云って……」
 総司は呆然と呟いた。
 まさか、そんな事を云われるとは思ってもいなかったのだ。自然と声が震えた。
「どうして、今更。何で……」
「俺はおまえを愛している」
 きっぱりとした口調で、土方は云いきった。それに、総司の目が見開かれる。
 土方は跪いたまま、握りしめていた総司の白い手をもちあげた。そっと唇を押しあてる。
 総司が顔を真っ赤にして手をひこうとしたが、それにも構わず、何度も口づけた。
「おまえが好きだ。愛してる」
「土方さん」
「それに、おまえが俺を好いてくれているのも、知っている。なら、一緒に京へ戻るのは当然のことじゃねぇのか」
「当然って……!」
 総司は思わずかっとなった。土方の手をふり払い、大きな瞳で見据える。
「あの時、信じていなかったくせに。私が信じてと云っても、拒絶したくせに」
「今も信じてねぇよ。正直……信じられねぇ」
「!」
 総司が傷ついた表情になった。唇を震わせ、悲しげに顔を背けてしまう。
 それに気づいた土方は立ち上がると、総司の顔を再び覗き込んだ。じっと見つめたまま、云い聞かせるように話す。
「誤解させちまったようだな。俺にとっては、そんなの、もうどうでもいい事なのさ」
「どうでもいい……?」
「おまえが俺を好きでも嫌いでも、同じという事なんだよ。俺はおまえが好きだ、愛してる。その気持ちは、おまえが俺をどう思っていようが絶対に変わらねぇ。それがようやくわかったのさ」
「そんなの……私だって同じだもの!」
 総司は思わず叫んだ。勢いで立ち上がり、両手を握りしめる。
 大きな瞳を潤ませ、なめらかな頬を紅潮させている様は、息を呑むほど愛らしかった。
 その上、総司はこんな事まで云ってのけるのだ。男の気も知らず。
「私だって、あなたに憎まれても冷たくされても、それでも愛しているのだから! 土方さんだけが好きで好きで、だい好きで……っ」
 言葉が途切れた。
 不意に、土方が総司を引き寄せ、抱きしめたのだ。きつく、息もとまるほど抱きしめられる。
 久しぶりの抱擁に、彼のぬくもりに、総司は躯が震えた。その背に縋りつく指さきまでも、震えてしまう。
「……愛してる」
 低い声が囁いた。
「おまえだけを……愛してる」
「私…も」
 総司は懸命に、言葉を返した。


 今までの想いをこめて。
 苦しかったことも辛かったことも、泣いたことも、傷ついたことも。
 みんなすべて受け入れた上で、それでも、好きだから。
 愛しているから。
 あなただけを。


「ずっと……愛しています。いつまでも」
 そう答えた総司の躯が、より強く抱きしめられた。背がしなるほど抱きしめられ、息さえ出来なくなる。
 だが、それでも良かった。その方が幸せだった。
 彼のすべてを、感じる。
 全身で、命がけで、自分を深く深く愛してくれている。その彼を、誰よりも感じることが出来るから。
 この世界の中で、誰よりも。


「土方さん、あなたを愛してる……」


 抱きあう二人の上、夏の青い空が美しかった。
 白い雲が広がり、どこまでも遠く澄みわたってゆく。
 それを一度だけ見上げてから、愛しい男の腕の中、総司は静かに目を閉じた。



 自分の居場所は、ここなのだ。
 彼の傍に、ずっと在りつづけるのだと。
 そう……信じて。



 真夏の清々しい青空の下で───


















[あとがき]
 「真夏の嵐」、完結です。
 このお話は、土方さんが総司を殺してしまう(未遂ですが)という設定が一番初めに思い浮かんで、そこから話を書き始めました。当初は、バッドエンドの予定だったのですが、やっぱり、ハッピーエンドだい好きなので、二人結ばれるラストにさせて頂きました。
 今まで読んで下さり、本当にありがとうございました。そして、メッセージ、拍手を下さった方々、ありがとうございます。皆様のおかげで、完結させる事ができました。
 このお話で、少しでも皆様が楽しんで下さっていたら嬉しいなと、思っております。うん、楽しかったよと思って下さった方、ぱちぱち・メッセージをお寄せる下さると、とっても嬉しいです。これからの更新への大きな励みになります。よろしくお願い申し上げますね♪
 ラストまでお読み下さり、本当にありがとうございました。