大山別山右尾根(別山右稜)登攀の記録 2013年3月2日(土)
概要

(メンバー)
40代、50代の3人

(テーマ)

圧倒的なボリュームで屹立する別山、右尾根のラインは美しい。一度は登っておきたかった。

(行動)

3月2日(土)仮眠後、5時10分出発、15:52行動終了、行動時間10時間42分(休憩含む。)

5:10大山寺南光河原駐車場出発 ⇒ 6:11元谷小屋6:43 ⇒ 7:45右稜取付8:15 ⇒ 8:42 1450m地点よりザイル使用、5P  ⇒ 12:05別山頂上直下の肩 ⇒ 12:18馬ノ背越え(6P目) ⇒ 13:38 (7・8P目終了) ⇒ 14:03主稜線到着 ⇒ 14:38六合目小屋15:11 ⇒ 15:52駐車場帰着


(気象・積雪・状況)

予報では、登攀前日の3月1日に日本海を前線が通過、標高900m付近で風速26〜14m/s、気温8.5~3.2℃と大荒れ、当日3月2日は、風速12〜10m/s、気温は急降下し−5度、西風で冬型が強まるとのこと、気温低下で雪質は安定するだろうとの判断で予定通り実施した。
元谷小屋からの登行中は、北壁はガスの中で全く見えない、ラッセルは少なし、別山の基部あたりから雪が強まりかなりのラッセルとなる。ルートは全体的にブッシュと雪壁とのミックスであった。いつしか吹雪の登攀となる。
主稜線では強風、ラッセル跡はほとんど消えており、6合避難小屋を過ぎても30〜50pのラッセルでの下山となった。

(主な装備)
ザイル8.5mm×50m 2本、スノーバー4本(支点はほとんどブッシュの根元から取った。補助的に使用)、長めのシュリンゲ(2m位)を重宝した。
ツェルト、コンロなど

3月2日(土)6:53小屋から別山基部に向かう。
この時点ではラッセルはなし。北壁基部に近づくと弥山沢は新しい底雪崩のデブリに覆われており、泥にまみれた雪の塊が散乱している。おそらく昨日の気温上昇でなだれたのであろう。気温が高いときや深雪の際の弥山尾根へのアプローチは雪崩に要注意だ。
8:07 標高1350m付近でハーネスを付ける。
元谷小屋からバットレス中央稜につながる尾根をたどり、中央稜取付のちょっと下、標高1300m付近から右尾根に向けトラバース気味に右上、右尾根はブッシュが濃くてとても登る気がしない。尾根の左が緩い雪壁状となっているのでブッシュに沿って上がることとする。
雪が強くなってくる。膝までのラッセルとなる。

雪壁を30分ほどノーザイルで登高し傾斜が増してきたところ、8:42分頃から確保しながら登る。5Pともブッシュが多くすっきりしない。ブッシュ混じりの軟雪の雪壁、雪稜の連続であった。雪が柔らかっくラッセルが続く。
吹雪のため高度感は全くなし。
一か所、5mほどテカテカ凍りついた部分があり、軟雪登攀とは勝手がちがう。慎重に登る。
12:44 馬の背を通過、後続を確保する。
12:05頃、別山頂上直下の西の肩に到着、登り出して初めての平らな場所ではあったが、幅が狭く風も強く3人が立つには余裕もなかったので引き続き馬の背を越えることとした。
肩からトラバース気味に登り馬の背を下って登る。馬の背は雪が落ちブッシュや岩が露出しているのでレイバック気味に通過する。
 
(右写真)確保地点から主稜線側を見上げたもの、何にも見えない。
13:19 7P目
風が強くあおられる。視界もない。思いのほか稜線は痩せている。馬ノ背通過後も7P,8Pとザイル確保し、その後夏道まで引きずって上がる。
  
(左写真)7P目を見上げる。    (右写真)14:14 夏道合流、 ロープ回収
3月上旬というのにまるで厳冬期のような吹雪、深雪、気温であった。視界がなく右側がスパッと切れ落ちた右尾根というイメージは皆無であった。ひたすらブッシュの雪壁をもがきながら登る。非常に充実した登攀となった。

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