隣に自称宇宙人Aの 買い物の真っ最中





「Distortion」
act.A-4


私の運転するスピーダーでを生活必需品の調達へと連れ出した。

助手席で先程から体を乗りだしたりしながら「おぉー」などと感嘆をあげてコルサントの情景を見ている。彼曰く、

自分がいた星はここまで文明が進化していなかったらしい。そんな星からココに来たのであれば軽いパニックでも起こしそうなものなのだが、

彼曰く、「奇想天外なのには身内のお陰で慣れっこ。」だそうだ。私にすれば肝が座ってるのか座ってないのかどこか捉えどころのない彼の方が

奇想天外だ。一度もフォースに突いて学んだことがない、知識しかない、と言った割にはいつもの回りのフォースは安定していて、

しかも 私と同じくどうやら規則を破ることをそれほど重大には考えていないらしい。


「なぁ、クワイ=ガン、クワイ=ガンはもうジェダイになって長いのか?」

「まぁ、人間のジェダイとしてはそこそこと言ったところだ。」

「そっか、そうでないとあんなに強くないか。」


クワイ=ガンの攻撃、結構よけにくかったからなぁ・・と助手席に深く身をうずめては例のかけの結果見事勝ち取った

私と同じくらい長い銀髪を風に遊ばせ、耳の後ろからは"ブレイド"がちょこりと綺麗に編まれていた。私にすればお前が次に懐から

出してくるのが何なのかがわからない分だけ苦労する戦いだったが、こいつとはもうジェダイの武芸以外での戦いは持ち掛けないでおこう。

そんな事を考えているうちに、色々な店があるショッピングビルへと到着する。

「で、何が欲しいんだ?生活必需品と言っても服や食べ物はジェダイ評議会から支給して貰えるから部屋に置くようなものを買うのだろ?

 何をおくんだ?」

「ある程度は自由?」

「まぁ、パダワンでも部屋の中の物までは文句を言われたりはしないからな、隣室のジェダイに迷惑をかけない範囲なら自由だろ。」

「やったー!じゃあ俺、私物のホロプロジェクターと、ふわふわの布団と、デジャリックのゲームでしょ、スピーダーバイクにそれから・・・

 なぁ、クワイ=ガン、こっちで実弾銃のメンテできる道具ってあるかな・・」

「実弾銃?賭けの時 私に突きつけたやつか?」

「うん そう。機械油とかプラスドライバーとか・・マスターヨーダが初めて会ったときに俺の銃を凄い骨董品みたいな目でみてたから

 弾は期待してないんだけど。」

「それくらいならスピーダーバイクのメンテナンスコーナーで手に入るだろ。ジェダイになるのにその銃は必要ないのではないか?

 銃を使うにしてもこっちにはもっと新しいものが色々あるぞ。」


私がそういうと、隣のがどこか懐かしそうな目で懐から取り出して手の中でくるくると回してから私に向かってグリップを差し出した。


「何だ?」

「いいから持ってみろよ、」


促されて手に取ると、こちらの銃にはないずっしりとした重みがあった。これではずっと戦って命を繋いできたという。

は私が銃を手渡された意味を図りかねているのをみて口を開いた。

「地球のアメリカ、コルト社製 リボルバー『コルトパイソン』の4インチだ。6発の.44(フォーティ・フォー)マグナムを装填できて、

 今はオーソドックスなフルメタルジャケットが入ってる。発射に伴って使用者にかなりの反動が伝わり初心者が目標に命中させるのは

 ほぼ不可能。片手で打つなんて一般人にしちゃ凶器の沙汰ともいえる玄人志向の銃さ。その一発でいとも簡単に鉄を貫き人の命を奪う。

 そしてこっちは 同じく地球のアメリカ、S&W社製 リボルバー『M 19』の4インチ。通称マグナム、扱いがたさじゃパイソンを軽く上回る。

 同じく6発、こちらは.375マグナム弾を装填できて こっちの弾頭はKTW、うちの星で一番非人道的な殺傷能力を誇る弾が入ってる。

 こっちは人の眉間を狙ったとしたら首から上が吹っ飛ぶ威力を持った代物さ。この銃の重みが私が重ねた業と生きた証なんだ。

 そしてココで唯一、私がこちらの人間でないことを証明するもの。結構秘密が多い人種なんだ、私って。仕事柄男になりきったりもするし、

 クワイ=ガン、私が女だって気づいたかい?」

 
女だと?私が自分の耳を疑っている間にほ〜ら、「俺」が言わないと気づかないとが腹を抱えて歩き出した。待て、今までマスター・ヨーダも

マスター・ウィンドゥにも、彼と言ったのに誰も訂正しなかったぞ!?


「今、クワイ=ガン『なんで評議会の連中は女だって言わなかったのか』って考えてるだろ?俺が頼んだの、男扱いしてくれって。」

「なら、なぜ私に言った、」

「クワイ=ガンは俺が女だと知っても女扱いしないってか出来ないだろうな、と思って。だって触ったろ?俺はあの思い銃振り回して

 暴れまわるんだぜ?いまさら女扱いできるか?」


ニヤニヤと、明らか女だったら詐欺だろう、思うような笑みを浮かべてが言う。(それだけ演じ慣れているということだろうが。)


「・・・わかった今までどおり男扱いしよう。女として扱うほうが大変そうだ。」

「さっすがクワイ=ガン!俺が女だって自分から明かしたのクワイ=ガンだけだから、秘密にしておいてくれよ?」

「わかってる、なんかばらしたら後が怖そうだしな。私はその銃の餌食になりたくはない。」

「あららら、俺無駄なことには弾使わないよ、多分。さぁ、男同士だとかなり不毛だけで買い物行こうぜ!」


さぁ、とが私の腕を引っ張って店へと入っていく。どうやら、大分マイペースで男っ気が元々強いらしい。


「そうだ、買い物終わったらさ、クワイ=ガン、掟破りの楽しみでも教えてくれよ?」


だがそれ以上に男だとか女だとか私に気にさせる以前に楽しめる共になるようだ。























拙話

カミングアウトしました―――。

ヒロイン、どちらかと言うと表面上感情を取り繕うことが上手いタイプですな。