助けてやろう、俺たちの手で。





「砂時計の記憶」
07 計画しちゃいました




「おじさん、不二子お姉さん お帰りぃ〜」

ジンベイザメ?を模したと思われる帽子をかぶってが帰って来たルパンと不二子を迎える。

「おぉー、ちゃん海遊館に行って来たんだな?」

少し険しい顔をしていたルパンがすぐに明るい表情になってを抱きあげた。後ろの不二子は抱えていたファイルをテーブルの上に放って
楽しかったかしら?との帽子の鍔を弄ってやる。

「楽しかったよ〜、いっぱい蟹さんとかお魚さんとか見てねぇ、おじさんの嫌いなタコさんもいっぱいいたの〜」

こーんなうねうねしててねぇ、と両手で示すにルパンが苦笑していると、奥から次元と五右衛門もやってくる。

「遅かったな、ルパン。デートはどうだったんだ?」
「・・・まぁ、中々のもん・・・だったよな、なぁ不二子?」

お茶を濁すようなルパンらしくない物言いに、不二子も上の空のような ええ。と言う返事を返す。
何かあったのだな、と次元と五右衛門が察しまぁ、とりあえず五右衛門の作った飯でも食うか、と次元がリビングの方を指し示し、
自分たちの水面下のやり取りを気づかせないようにする。

「おー、今日の晩飯は五右衛門が作ったんなら、和食か?」

ルパンが五右衛門の味噌汁はうまいからなぁ、とを抱いて中に入って行く。

「今日は拙者、のリクエストで すぱげってぃ を作った。」
「五右衛門が?貴方洋食は好きじゃないっていってたじゃない。」

不二子が意外だわ、と言いながらルパンの後を追いリビングにはいって行く。
部屋の空気が涼しく、のために馬鹿にならないクーラーをケチっていないのが感じられる。

のリクエストだ。」
「天下の五右衛門先生も可愛い三歳児には勝てねえらしい。」

海遊館で土産も買ってもらったしな、と次元はソファのそばに置かれている海遊館の紙袋をちらり、とみた。

「五右衛門ちゃんにねぇ、イルカさん買って貰ったのぉ。」

がソファに据わったルパンの膝の上から抜け出してサマーカーペットの上に座っている次元の傍に置いてあったぬいぐるみを取ってルパンにみせる。

「おぉ、よかったな、。んじゃまぁ、今日の話しは晩飯を食いながらってことにして、飯にしようぜ?」
「うん、もお腹減ったぁ〜。」
「うむ、なら夕飯にしよう。次元、手伝ってくれ。」
「おう。」
「私はちょっと先にシャワーを浴びてくるわ。」
「聞いて聞いてぇ〜、今日とっつぁんちゃんにあったよ〜」

それぞれ動き出した大人たちの間では幸せそうにただ一人 手の空いているルパンに遊んでもらいご機嫌に夕方の一時を過ごした。



































昼間に次元と五右衛門がたっぷりと遊んでやったおかげでさっさと寝てしまったをベットに運んでから大人たちは
暗い雰囲気でリビングに集っていた。

「信じらんねぇな。のいた組織「砂時計」といったか?」
「許しがたい連中だ。」

の両親を連れ去り脅迫していた組織、『砂時計』の廃棄された研究所でルパンと不二子が見た物をそっくりそのまま二人に伝える、と
二人は想像どおりの反応をする。

「『』が『伊禮』だったなんて、な。あの傷をみてまさか、とはおもったが。」
「本来なら十八の娘、ふとした時の雰囲気や態度がやけに大人びていたのはそのせいか。」

伊禮 を知っている次元がテーブルの上で組んだ手に額を乗せて嘘だろ、と呟き これからどうするんだ?とうなるようにルパンに尋ねた。

「もちろん、『砂時計』のやつらの所へいってちゃんを元に戻せる手がかりを頂く。」
「目星は付いているのか?」
「ああ、このところ連絡の無いたち、また組織に連れ戻されたみたいでな。俺の渡しておいた発信機の電源が帰りの車で傍受した。」
「場所は、すばらしいことに日本アルプスの山奥よ。」
「俺達総出でないと‥厳しいだろうな。」
「そんなに厳しいのか。」

どうやらが捕まった時にちゃんがいないことが偉く向こうさんのボスの気に触ったらしくてな。とるパンが憎々しげに言い、

「『砂時計』のボスまでそこにいるらしいのよ。」

と不二子が帰りがけに仕入れてきたその『砂時計』のアジトの見取り図やボスのデータなどをファイルからとり出した。

「ボスがいるなら話が早い。人を人として捉えぬ外道は、拙者が叩ききる。」
「さーすが、五右衛門ちゃん。俺もそれぐらいしないと腹の虫が納まらないんだがな・・。」
「態々『砂時計』までを連れて行くわけには行かない、かといって俺たち以外に預けられる相手なんているのか?」

ルパンが言いかけたことを引き継ぐように次元が最大の問題点を口にする。
口に出されたそれにムゥ・・と五右衛門がうなり、一般の施設じゃ万が一があるかもしれないしね、と不二子が付け加えたのを聞いて
頭をガシガシと掻きながら口を開いた。

「一つだけ、心当たりがねぇ訳じゃねぇんだけんどもよぉ。」

「「どこ(だ)!?」」
「けんどよ、そこに預けるっつったらお前ら怒ると思うんだよなぁ。」

頭の後ろで手を組んでルパンは後ろめたそうに自分の心当たりを言おうとしない。その様子に痺れを切らした次元がす と立ち上がり、
左手でルパンのネクタイを掴むと、腰から取り出した右手の銃をルパンの鼻先につきつけた。

「勿体ぶらずにさっさと言え。」

帽子の下の次元の目が脅しじゃねぇぞ?とルパンに語りかている。
ちらり、と五右衛門と不二子を見ても自分たちは次元と同じ意見だ、と言いたそうな視線が返ってくるだけで・・・

ルパンが口を割るまで早々時間は掛からなかった。























拙話
どこに預ける気なのかは・・皆さん判ります・・か・・ねぇ?