あんな奴には騎士なんていらねぇ。

けど、たまに無鉄砲で何しでかすか分からねぇから、しっかり見とかねぇと・・・。

仕方が無いから今日もお前の護衛ぐらい引き受けてやる。

騎士になんてなるつもりはねぇが、少しぐらいなら候補になってやっても良いかもしんねぇな。

≪騎士候補≫
「ねぇ、ファルコ。明日、暇?」

「あぁ、暇だけど、何だよ?」

「じゃあ、一緒にデートに行こう!!」

「はぁ!?」

こんな突発的な会話によりファルコと は今、とある惑星に買い物に来ている。
嫌そうな顔して に付き合うファルコもまぁ、そんなに嫌ではないのであろうが顔は嫌そうな顔であるのには間違いない。
に向かってケッと舌打ちしてからファルコは に質問した。

「おい、何で俺がお前の買い物に付き合わなくちゃならねぇんだよ?」

「だって、ほら私だけで行くと何かあったらいけないからってフォックスが言ってた。」

「あの野郎・・・。じゃあ、フォックスを連れてけば良かっただろうが。」

爽やかに笑ってそうなフォックスの姿を思い浮かべながらファルコはますます機嫌が悪くなった。
まぁ、実際にはそんなにフォックスが爽やかに笑うことはないのだが、どうしてこうして自分に面倒な事ばっかりが回ってくるのか、と思うと嫌になる。
一応どうせ何か理由があるのだろうが、一応理由を聞いてみる。

「う〜ん。フォックスは今日はクリスタルと一緒に用事があるから出掛けるんだって!ちなみにスリッピーとか他のメンバーも一応聞いたけど用事があるから無理だったんだ〜。」

「それで残った俺に頼んだって訳かよ?」

「うん、そう!どうせ暇なら一緒に行っても大丈夫でしょ?あ、次これ買おうっと!ファルコ、早く早く!!」

ニッコリ笑いながら言う にため息が出る。
はぁ、一体こいつはどんな神経してるんだ?と。しかも、また勝手にどこかに走って行っちまうし。
そんな勝手に行って何かあったら後で自分が何されるか分からない、と分かっているファルコなので急いで追いかけた。
実はその前にも色々買い物をしていて全部、自分の機体の改造用のパーツやらその他もろもろ。
とにかく全て機械の部品で女にしては色気のねぇ奴。とそんな事を思いながら急いで を追いかけるのだった。

「おい、待てっつってんだろうが!!・・・って、あいつ、何処に行った?」

角を曲がって急いで を追いかけたのは良いものの。
どうやら彼女を見失ってしまったようだ。きょろきょろ見回してみるが、それらしい姿は無い。
しかもここには運の悪い事に の好きそうな部品を売ってる店が何個もある。
仕方ない、一から回るか・・・。とため息つきながら間近にある店に入り、 捜索を始めるのだった。



「あれー?いつのまにかファルコ、いなくなっちゃった?ま、いっか!次はあっちの店に行こう・・・痛っ!!」

「痛っ?それはこっちの台詞だぜ?嬢ちゃん、俺の大事な腕が折れちまったらどうすんだよ?アァ?」

「(うわっ、最悪。いや、でも普通に倒しちゃえば・・・って、今日、銃、忘れてきちゃったじゃん!!)」

そんなこんなで今、 は大ピンチを迎えている。
あんまり周りを見ないで歩いていたせいか、知らない、いかにも柄が悪いです、と顔からして語っている奴に眼付けられてしまった。
本当なら銃でも出して、脅してやるのが一番なのだが、今日はあいにくそんな事が起こると予想していなかった、というよりファルコもいるから大丈夫、と思い込みこうして忘れてしまったのである。
心の中で毒づいても、ファルコがやってくるわけでもなく、どうしようかと思っていると、急に相手が黙っているのに怒ってか、殴りかかろうとした。

「(うわっ!これって絶体絶命の大ピンチ!!)」

「おい、テメェ。俺の連れに何しようとしてんだよ?」

「な、何だよ!!お前は・・・ってこいつあのファルコじゃねぇの?ず、ずらかるぞ!!」

目をつぶって身構えていた の予想とは裏腹に衝撃はまったく持って来ない。
そして、そろっと目を開けてみるとそこには殴りかかろうとした奴の腕を掴んでいるファルコ。
うわっ、助かったー。ってかファルコって悪の中でも有名なんだー。なんて事を呑気に考えているとファルコがそんな の思想が分かったのかため息をつく。

「はぁ、お前。なんでそんなに呑気にいるんだよ。ってかもうちょっとで襲われかかったのに全然、余裕だな。」

「う〜ん、その時はその時だし?良いじゃん!助かったんだしね!さっ、買い物の続きと行こう!」

「はぁ、本当におかしい奴ってか本当にフォックスが言ったとおり、俺が行ってて良かったぜ。」

呆れたように頭を掻きながら、どんどん走っていく を見失わないように追いかけるファルコ。
そんな思いを知ってか知らずか は表情は笑顔のまま。
追いついた時にふとファルコはあることを思い出し、ポケットから何かを取り出してポイッと に投げつけた。

「うわっと!ちょっとファルコ、急に投げたら驚くって・・・あぁ!!これって私が前、探してて消えちゃってたパーツ!」

「お前が前欲しがってたのがちょうどお前を探してたら最後の一個で売ってたから買っといた。」

「ありがと、ファルコ!よし!じゃあ、ちょっと休憩に行こうよ!ほら、あそこでアイス売ってるし!」

こうして今日の買い物はまだまだ続くことを感じさせられたファルコはこれからもっと大変だ。と思いながら を追いかけた。
こいつのこの性格は何とかならないのか?そんな事を思いながら着いていくファルコが少しだけ機嫌が良くなって笑っていたのは秘密の話。
これからまたこいつに着いていく時は仕方が無いからまたこいつの護衛をしてやるか、と心の隅で思いながら、ここにまた を守るための一人の騎士候補が誕生したのでした。









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山茶花様への捧げ物。
アサルトSW夢で設定はお任せ、だったのでまさしく何と分類して良いのか分からない設定・・・;
合ってるのか心配ですが、とりあえず受け取ってもらえると幸いです!
うわっ、でもアサルトSWメンバー全員出すべきだったのかな?言葉でしか出てきてない・・・;
もし、リクと違ったらごめんなさい!その時はまた書き直します!!





絽稀様 ありがとうございました!
SW=スターウルフなんでちょっとリクとは違っちゃいましたが・・・
面白いのでぶっちゃけアリです。
相互リンク記念ありがとうございましたー!