※ ちょっとグロテスク表現アリです!注意!




覚悟はあったけれど、今日という日が来て欲しくなかった。




「奇妙なカンケイ」
act.2-c




砂漠の不安定な大地を蹴ってはまっすぐにデブリ降下地帯を目指していた。自分を追ってくる後ろの男達が強硬派だとわかった今、

ホープバードの存在を知られるわけにはいかなかった。

「こんな事なら、父さんの言うこと聞いてもっと重装備にするんだった。」

若干12歳の台詞としてはあまりにも危険な発言ながらも、今しがた越え切った幾つ目かの砂丘の緩慢な斜面と今まで走る事でつけてきた

慣性の法則に砂丘を下る事を任せては振り返り自分の後を追ってやってくる男達に向かってその古めかしい銃から鈍色の弾を放った。

あたりに乾いた音が3発立て続けに響いてを追って来ていた男達のうちの3人が動きを止めた。

「(あと1人・・・)」

ジャコン、とスライド管が音を立てて空になった薬莢を銃から排出させて罠にはまってから倒してきた男達の数を数えた。

ホープバードの近くに上がった狼煙がホープバードを見つけた反乱軍・強硬派たちによる罠だとは気づかなかったのだ、

不審に思った父親に代わって近いからと徒歩で確認に来たのが間違いだった。

なんとしても降下地点までたどり着いて全員始末しないと、そう思ってまた走り出すために前を向こうと振返ったの額に冷たい

銃口が押し付けられた。

「そこまでだ、手間かけさせやがって。」

しまった・・・もう1人いた。

そう思ったが銃で殴りかかろうとするとの額に銃をつきつけたまま男が動くなよ?とから銃を取り上げた。

「おーい、捕まえたぞ早くこっちへ来て止めを刺すの手伝ってくれよ。」

そう言ってちょうど砂丘と砂丘の谷間にいるの後ろの男が砂丘の頂上付近の仲間を呼んだ、それを見て上の男が

手を振って下に降りてこようとした。

ッッ!」

聞き覚えのある声が聞こえ、砂丘の向こうから大型のバイクに跨った影が現れて砂丘の途中にいた男を跳ね上げ着地し、

に銃口を突きつけていた男の額に向かって一発の銃弾を打ち込んだ。

「お兄ちゃん!」

バイクの上の影を確かめてがそう呼ぶとバイクの上の影、ウルフが口の端だけで笑った。

「うるせぇ、お兄ちゃんって呼ぶんじゃねぇよ。」

「助けに来てくれたの?ありがとう、ちょっとドジっちゃってやばかったんだ。」

「まぁ、銃声が聞こえたからな。」

そう言ってウルフが帰るぞとバイクの向きを変えようとすると大地が震え、爆音が轟いた。それに反応してが砂丘を

一気に駆け上がった。

「!!ホープバードがっ!!」















「チッ、あいつ等自体が俺とお前をおびき出すための囮だったとはな。反乱軍の奴らホープバードにいつから気づいてやがったんだ?」

横っ腹に大穴を空けられたホープバードに向かってを乗せたバイクを走らせてウルフは毒づいた。今あの艦の中に怪我人と

戦えない夫妻しかいない事を敵は知っているのだ。

「お兄ちゃん早く!父さんと、母さんとレオンさんがまだ中にいるんだから!」

反乱軍は私達に従軍を要請してくる、拒否権のない要請を。それを判っているからは只々両親の無事を祈るしかなかった。

「ほら、着くぞ!どうせハッチと格納庫には敵がいるだろうからな、突っ込んで一掃するぞ?」

「判った!」

「しっかり掴まってろよ!」

の心中を察してか用件だけを伝えてウルフが後輪走行の状態でホープバードへと突っ込んだ。












ベットの上でガラス越しの空を眺めていたレオンに轟音ととてつもない衝撃が伝わり体がベットから放り出された。

「・・っ。いったい何が・・」

「レオン君!」

氏?奥さんも・・・いったい何が?」

急ぎ足で武器を持って病室に現れた夫妻にレオンは訝しい目を向けたがまた続いて起きた衝撃に

反乱軍ですか?と尋ねた。

「ああ、どうやらとウルフ君の留守を狙っていることから大分調べられているみたいだね、じきにここに来るだろう。

 レオン君、君銃の腕は?」

そう言って氏が差し出した銃を何のためらいもなく受け取ってレオンは不敵に笑った。

「一応生業ですよ、ご心配なく、一発で仕留めます。」

「そうか、なら安心だ。私達は戦闘民族としての命は絶たれたも同然でね、標準すらまともに付けれそうにないんでね。」

横でそう言いながらも銃を構える夫妻にレオンは衝撃で横倒しになった箪笥を指差していった。

「下がってそちらに隠れていてください。護衛はやった事がないですが、守り通してみますよ。」

その言葉を聴いて夫妻が箪笥の陰へと入った。そしてすぐに婦人 アリスが尋ねた。

「レオンさんて、スナイパーでしたの?」

一瞬の沈黙の後レオンがさっきそう言ったではありませんか、と笑い 無用の緊張が吹き飛んだ。

「オラ、上行くぞ。。」

「ウン、判った。」

下層部に残っていた数人の反乱軍を倒してウルフはようやく使えるようになったエレベータの前でを読んだ。当の呼ばれた

格納庫の物置き場から銃弾入りの箱を引っつかんでウルフの元へと急いだ。














リビングへ続く長い廊下を重みのある足音と軽い足音とがみ時間かんかんで駆け抜ける。

はたからみれば無用心そのものの行いも桁外れのの感覚とウルフの並々ならぬ経験の前では何の問題もなく、とウルフは

自らの持てる全力で3人の所在を探していた。

「判るか??」

「・・・・いた!レオンさんの室にいるよ!」

どの感覚での察知なのかを気にする余裕も無く二人は荒れた艦内でも特に弾痕の激しいレオンの、ドアの取れた部屋に飛び込んだ。

「父さん!」

「奥さん!」

そこまでで部屋に乱入した二人の言葉は喉の奥へと消えてしまった。

十数人の反乱軍兵の死体の上に立つ一人の猿男とその前に二人を庇っていたのか壁際まで飛ばされた全身が朱に染まったレオン。

そして覆いかぶさるように倒れた夫妻。悲惨なことにもその夫妻の頭、こめかみの部分に穴が開き

血と脳漿が流れ出していた。

「・・・嘘だろ?親っさん!奥さん!レオン!」

「遅かったな、ウルフ・オドネルとの娘。」

「お前が!いったい何故!?」

ウルフが今となっては忘れ形見となってしまった氏から貰い受けた銃で猿男に狙いを付けていった。

「何故?・・・邪魔だからだよ。君とという戦闘勢力がね、我々反乱軍だけでなく、

 偉大なる我が君アンドルフ様にとってね。」

「アンドルフ、だと?」

銃を突きつけたままウルフは今しがた男の口から発せられた言葉の意味を考えた。

「反乱軍のボスである手前ぇはアンドルフの配下ってわけか。」

「よく知っているな、反乱軍のボスが私だと。まぁ、この男の庇護下にいたのだからそれぐらい知っていてもおかしくないか。

 アンドルフ様の侵略計画を少しでも我々でサポートしたくてね、この星はその足がかりに過ぎないのだが・・

 障害になりうる存在の排除を、と思ってね。この男最後までお前らの好きにはさせん、だのとほざきおってからに・・」

そういって猿男が氏の体を踏みつけようとしたのを見逃さずウルフが正確に心臓を狙って銃を撃った。

「・・効かんよ。私はアンドルフ様によって強化されているからな。お前達は只大人しく殺されるか、服従を誓うかのどちらか1つだ。」

そう言ってウルフに向かって銃を突きつけた猿男がいやらしく笑った。

「許さない。」

ウルフの隣でショックで動けなかったが言葉を発した。

「お前を、許さない!!」

「小娘に何ができる!」

一瞬の出来事だった。

猿男が放った弾丸がに届くより早くが駆け出して銃を持つ男の腕を文字通り根こそぎ吹き飛ばした。そのまま

12歳の少女の物とは思えぬ強烈なパンチを浴びせ続けた。その隙にウルフは部屋の奥のレオンに駆け寄る。

「レオン?」

「・・・何とか生きている。すまない、夫妻を守れなかった。」

ボロボロだが何とかレオンがそういったのを聞いてウルフはそちらを見ずお前のせいじゃないし、そういう事は俺じゃなくて

に言うもんだ。といってただ今はだ・・と戦闘民の本能のまま戦うを見た。

ついにその強化された体でも衝撃を受け切れなかった猿男が倒れた上にが覆いかぶさった。

「いくら強化されてても口の仲間では鉄板も入れてないでしょ?」

「〜〜〜〜!」

猿男の口の中にサイトを突っ込んで非情な声でが言った。

「許さないよ、私は大切な人のためなら鬼にだってなれるんだ。あんたなんか粉々になくなればいい。」

そう言ってさっき格納庫でとってきた弾を「散弾」とかかれた弾を銃に装填して、引き金を引いた。








拙話

ごめんなさい続きます。殺すシーンで続いちゃいます。
山茶花最低。