初めて体感する 力の具現



「白と黒」





ローレライ教団教会地下の神託の盾騎士団本部 その中でもヴァンの旗下の者の部屋の多い一角をリグレットは迷うことなく一番奥まった部分にある
つい昨日までは部屋の主が決まって居なかった部屋の前まで進み 部屋の戸をノックする。

、起きているか?」
「開いてるよ。」

部屋から間髪をおかずに返答が帰ってきたので戸を開けると簡素な室内の中央で逆立ちをしているがいた。そけも只逆立ちをするでもなく
片手で逆立ちをし腕立て伏せよろしく体を上下させていた。
昨日演習場におちてきたときの傷は全てリグレットの治癒術によって治療され、今日からリグレットによって譜術の講義が行われる話となっていたのだ。

「朝から、ずいぶんと元気だな。」
「まあね、体が鈍るのも嫌だしさぁ。」

よっと。そう言いながらが足を地面に付ける。昨夜 とりあえず、とリグレットが与えた簡素なシャツから教団服の一種なのだろう、
動き安そうな黒を基調とした服にが着替える。着替えながらもは昨日確認した今の時代を思い出す。今はND2011で導師イオンが就任して間も無いころ、
オリジナルルークの誘拐はまだ起こっていない。頭の中を整理しているとリグレットがさっさとしなさい、とせかす。

「もう 譜術の練習行くのか?」
「食堂で食事をとってからだ。昨日与えておいた本はどれ位読んだ?」

リグレットがちらり、と部屋のするにおかれている机の上に目を移すとそこには数冊の本がおかれている。昨日リグレットが渡した譜術について書かれた本だ。
初歩的な本から始まり、高度なものにいたるまでバランスよく本を渡しておいたのでその読み進め度合いによって今日の行程を決めようと思ったのだ。

「ああ、そこの本?全部読んだよ。大体は理解したし、そこそこ譜術も使えてるんじゃない?」
「馬鹿を言うな。二冊ほどならともかく上級譜術に関する本まであったのだぞ?」

立った一晩で理解できるはずがない。馬鹿なことを言ってないで食堂に行くぞ。リグレットがそう言って部屋を出ていくのを見送ってからは口を開いた。

「この程度の本 の溜め込んだ決算書類に比べたら楽なことこの上なかったんだけれどなぁ。」

呟きも大概にしては取り残されないうちにリグレットの後を追った。















「それではまずは基本だが・・・・エナジーブラスト。」

朝食後のまだ神託の盾騎士団がそれぞれの仕事に移動し始める慌しい時間のうちにリグレットはゆっくりと朝食を楽しむつもりだった
演習場に引っ張り出して譜術の発動を指示した。

「行き成りだなあ・・。」

やる気と言うものがこれっぽっちも感じられないがそう言ってリグレットを振り向けば無言でリグレットはターゲットを見やる。
に拒否権はないらしい。

「はいはい、じゃあやりますか。」

全身のフォンスロットを開いて大気中の音素を感じ取る。流れを理解しそうさして己に取り込み力にする。

「炸裂する力よ     エナジーブラスト」

ターゲットの回りで音素がはじけ、の譜術が成功していることを告げる。威力も申し分なく実戦で使えるレベルのものだ。

「なるほど、一応本に目は通してあるわけだ。」
「他にも色々使えるぜ?」

だから全部読んだんだって、そう言ってはまたすぐにリグレットの言葉も聞かずに詠唱に入る。

「慈悲深き氷嶺にて 清冽なる棺に眠れ    フリジットコフィン」

「劫火よ 焔の檻にて灼き尽くせ       イグニートプリズン」

立て続けに二つものそれなりに難易度のある譜術を発動させてみせるにどうやら本当に全部読んでいるのだな。と納得し、口を開いた。

「いいだろう。では明日からは戦闘においての譜術の行使について学べ。明日もまた私がつきあってやる。」
「えーっいいって。自分一人で出来るし、リグレット、もう一人教えないといけない相手がいるんだろ?」

てをひらひらふってはそう言う。

「どこでソレを?」
「昨日、リグレットは私のケガ治したらすぐ部屋を出て言ったけれど、ラルゴが色々教えてくれた。」

総長の妹さんなんだろ?きっと凄い才能の持ち主なんだろうなぁリグレットが直々に教えてるんだから。そういってが尋ねてくるのに、
まぁ、閣下の妹なのだから当然だ。と言うリグレットにソレってもしかして私も才能ありってこと?リグレットに教えてもらってるんだからねぇ〜
は舞い上がったかのようにことを口にする。

「さあな。お前の場合外部にお前の存在を教えることを閣下が望んでいないからだ。」

決してお前が才能があるからではない。そう言ってリグレットは訓練は終わった。私は任務に戻る、と演習場を後にするリグレットと入れ違うように
ラルゴと第一師団がやってくる。

「・・・このまま従っている存在消されるんだろうなぁ・・。まぁ そのうち対策考えるか。」

独り言を大概にしてはやってきたラルゴと共に体を動かすことにして彼の元へと走り出した。

























拙話
久々更新・・・・ヤバイ。ネタ忘れた。