呼ぶ声が 聞こえる。
*〜アスタリスク〜
「用意はいいか?」
周瑜が間に立って互いに構えている孫策とに確認する。
「いつでもいいぜっ!」
「此方も結構です。」
緋の鞘から刀を引き抜き、ようやく包帯から開放された右腕で構える。左手に持った鞘で間合いを計りながら其方からどうぞ?と小覇王を構える
孫策に促した。
「なら、いくぜぇー!」
孫策が言い終えるか終えないかのうちに間合いを詰めて小覇王を振り下ろす。それをは逆手に持った左手の鞘で捕らえて短く切り込む。
孫策がそれを躱すことも判っているでさらに二の手三の手と、型どおりではなく自在にアレンジを加えながら突きと払いを多彩にしていく。
孫策は孫策での刀だけ出なく、鞘や白打まで利用した攻撃に舌を巻きつつもけりなどを加えてあらゆる方向から切り込んでゆく。
一打が二打になって返り、二打が四打になって返る。
もともと打ち手の多い孫策の攻撃に喰らい付くかの用にの攻撃の手の数も増え、まるで示し合わせているのでは無いか、と言うような
すばやさで昆と刀が触れ合い、拳と足とが流し合って狭い間合いでの斬り結びが続く。周瑜はどちらが決め手を得るかを少し離れて油断なく見守る。
「兄様、がんばって!」
「ふふふ、ちゃん、楽しそう。」
「殿・・大丈夫なんだろうか・・。」
その手合わせを見守る尚香と、孫権が茶を楽しみながら言う。
「権ちゃんはちゃんが好き?」
「なっ何を!?」
「権兄様、に告白してみたら?」
「ちゃんとお付き合いするの、結構大変だろうけどねぇ。」
「だから私はまだそんなこと・・・」
あわてる孫堅を放ってどうしてと付き合う人は大変なのよ?と尚香がに尋ねる。
「ちゃんの理想の男の人って、ちゃんより強い人だもの。ま、もしこの理想をちゃんが曲げたって私より弱い人は認めないけどね。」
「あら?も武芸をやっているの?」
「うん、ちょっとだけ。得意なのは弓かなぁ?だから弓取りって言うほうが正しいのかも。」
本当!?私も弓をやるの、今度一緒に鍛錬しましょ?といって笑うと尚香の横で孫権はの利そう、よりも強い男。と言うのを
きいて密かに努力すれば、と頭の中に江東で留守を守っている自身の護衛の姿を思い浮かべて息巻いた。
「あ、ほら。勝負が決まりそうよ?」
尚香が指差した先でが刀を体の前に持ってきて孫策の渾身の一撃を受けて体制を崩す。その隙を見逃さずに孫策がの首元に
小覇王を突き付ける。も一瞬で来た自分の隙に気がついてカバーしようと左手の鞘を持ち上げたがそれがしかるべき位置に来る前に
孫策の小覇王が喉に触れた。
「・・・参り・・ました。」
「お前・・・強いな。久々に本気でやっちまったぜ。」
互いに乱れた息を整えながら周瑜の方を見れば周瑜が孫策の勝ちを宣言する。
「やったぁ、兄様の勝ちだわっ!」
「ちゃんが白樺 も 、使ってたら負けなかったかもしれないのになぁ。」
「 も って何?」
「ちゃんの手数は武器の数だけ多くなるの。」
「、それは人に言っちゃダメって言ってなかった?」
私も武器さえあれば何でもできるわけじゃ無いんだよ。と呆れながら3人の元に歩いてくる。
「ほぅ、手合わせをしていたのか、最後だけだが、いい物を見せてもらった。」
「孫堅様、仲達殿。」
声のした方をみれば孫堅と司馬懿がゆっくりとこちらへ歩いてくる。
「用事は終わられたのですか?」
「ああ、問題は無い。そろそろお暇させてもらうぞ。」
司馬懿がそう言ってでは、私たちはこれで、と立ち去ろうとするのに待ってくれよ、と孫策が呼びかける。
「。こっちの刀も見せてくれないか?」
「白樺をですか?」
司馬懿をちらりと見てそれぐらいはかまわん、と言うのを確認してから、いいですよ・・・と言ってから白樺を受け取って
引き抜こうとしたが一瞬抜くのを躊躇ったのをは見逃さなかった。
スラリ、と抜かれた白樺はその白い刀身に空を映してキラキラと美しくきらめく。
「なによ、ちゃんとお手入れしてるんじゃ無いの。へぇ、綺麗ね。」
「ちゃんはきっと、いつもやってるスペシャルなお手入れをしていないから嫌がったんだよ、きっと。」
そんなものは本当は無いけれども、剣を抜いたまま黙り込んでしまったと自身が感じている不安を誤魔化すかのようにが笑う。
「なぁ、手にとってみてもいいか?。」
「殿?」
孫策、孫権の呼びかけには反応せずに ただ感情の無い目で刀を見つめていたかと思うとがっくりと膝をついた。
「、どうしたの?」
「兄上との打ち込みでどこか怪我でも?」
「ちゃん!大丈夫?」
荒い息をつきながらが弱々しい動きで刀を仕舞い 汗びっしょりの顔を挙げた。只事で無いその様子にはの顔を心配そうに覗きこみ
司馬懿が怒ったような顔つきでの腕を掴んで立ち上がらせる。
「馬鹿めが 夕べから私と共に書簡の整理に終われて眠っていないのを忘れたか?」
「・・・はい すみません、つい。ちょっとふらついちゃって・・」
嘘だ、昨日は自分と共に寝た、そう言うのは得策でないと司馬懿の目が釘を差してくるのを感じては口裏をあわせて、
ちゃんはいっつも無茶なんだから・・・とのもう片方の腕を持って支える。
「孫堅様、の体調がこの様に優れませんので、馬車をかして頂けませんか?」
「かまわない、使ってくれ。」
孫堅がうちの策が手合わせに誘わなければこんなことにはならなかっただろうからな、と謝る。
「では殿、私の方で手配します。。」
「ここに。」
周瑜の声に応じて黒尽くめの間謀が現れて馬車の用意を仰せつかる。命令を聞いて立ち去ろうとする間謀の顔を隠す布から見える目が
一瞬舐めるようにとを見てから厩の方へと走っていく。
体の自由がまだ効かないにもそういった事に疎いにも分かるくらいの異様な気配を残して。
「話を聞かせてもらうぞ?。」
帰りの馬車へ司馬懿が自分屋敷に行くように指示を出し、屋敷につく頃にはようやく回復したを睨み付けるかのように司馬懿が問いかけた。
拙話
権ちゃんてに呼ばせたかったんです。
さんは後々呉中心の連載で身の上が明らかになったり。