『縁側のある家』　戸建て住宅

＜設計趣旨＞

―　縁側のある家　―　

計 画地は、田園風景の広がる地域に約３０年前に開発された１区画の土地も道路幅も広くゆったりとした田舎仕様の住宅地の中にある、南東の２方向道路を持つ恵 まれた土地である。施主の要望も、家族４人（夫婦、子供２人想定）が住み、庭・家庭菜園などを楽しみたいというおおらかなものでした。そこで、なるべく素 直に考えることにしました。建物を北側、南側に大きな庭を設け、この庭に向かって生活をすることを想定しました。１階は家族エリアとして居間・食堂・台 所、水廻りと客間としての和室を設け、庭に向けてオープンになるように配置しました。その内と外をつなぎ出入を促し、視覚的にも広がりを持たせるものとし て縁側を設けました。2階は個室で屋根の勾配なりに天井を張り、桁高さも抑え、軒も深めにとり室内より軒裏を見せるようにして屋根裏部屋のような落ち着け る空間を目指しました。また、この住宅ではほぼ真南に主室を配したので日中の一番暑い（暖かい）太陽の光を軒・庇を深めにするという一般的な手法でコント ロールし、通風面では１階居間・食堂は２階階段室の窓（上下差）で、2階各室の熱のこもりは廊下との扉上部に小窓を設けることで対処し、出来るだけ冷暖房 負荷を下げることを考えました。