第四部

ナリ「あーあー あいつら・・・・・・・。」

 ライトエースの進行方向に向かって右側が最も地盤の弱いところにはまっているのである。
 前輪は両輪のタイヤの3分の一がめり込み後輪も右側の3分の1以上めり込んでいる。

 状況は悲惨だった。

 このままなら6人歩いて帰らねばならない。なんとしてもライトエースを復活させなければ。
 まず空転している右後輪の下に敷くものを探した。

 木の皮か筵があればよいのだが都合よく行かない。
 するとトタン屋根の道具置き場があったので、ナリと私は走った。捨ててあったトタン板を拾い木切れ枝をタイヤの下に敷いて脱出を企てたが、タイヤはむなしく空転するだけだった。

 そのとき岡 健司が草で手を切ってしまった。これは軽症ですんだのだが、この一連の事故の張本人チャートが敷いてあるトタン板の位置を変えるとき左手薬指をざっくり切ってしまった。

 長さ4センチ、深さは骨が見えている。チャートの歯科医師生命やいかに。

 事故は事故を呼び事態は悲惨の度合いを増していった。

 そこに忽然と正義の味方が登場した。その名は『ギャランΣ』
 われわれの災難を見かねてこの日琵琶湖湖畔に子供づれで魚釣りしに来ていたおっちゃんが白のギャランΣに飛び乗って颯爽と駆けつけてくれたのであった。

 まさに「地獄に仏、渡りに船」これ幸いとナリちゃんはいそいそと、ライトエースから牽引ロープを取り出して、「必殺ヨット結び」と叫びながら、車をつなぎ泥沼から脱出させてもらった。

 狂喜乱舞、我々はギャランΣに乗った正義の使者「子連れおっちゃん」のお礼を言ってライトエースに乗り込んだと思ったら6人の体重で再び沈み始めていった。

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