神戸市では、毎年春と秋に毎年2回歯科検診を行っています。ほかの県や市では、1回のところがあります。
回数が多い方が丁寧で勝っているかと言うと、一概にそうとは言えませんが、経過観察としては利点があるかもしれません。
そこで、個人的には秋の検診は少し工夫を凝らしてみても良いのではないかと考えています。
ワンポイントアドバイスの、1から2本の反対交合は、生えかわりのとき乳歯が抜けずに残ってしまい、永久歯の生える方向が変わってしまっただけであって、不正交合に分類するのは不適切だし、虫歯や、歯肉の病気で治療勧告書を出すわけにもいきません。
成長発育時のちょっとしたイレギュラーであって、すぐ元通りになるものです。
但しほったらかして置くと、このまま不正なかみ合わせのままで、部分的ですが、成長発育に影響が出ます。
小学校の高学年や、中学校になってしまうと、本格的な矯正治療が必要となってきます。
現在の校長先生と、前の養護の先生にお願いして、3年生と4年生限定なのですが歯科検診の篩(スクリーン)からもれてしまう生徒に対して、アプローチできるように便宜を図ってもらうようにしました。
つまり、春から秋の間に改善しないなら、ちょっとした工夫で(割り箸や、スプーンで自分で押す。)改善できることを知らせてもらえるようにしました。
意外と知らない保護者の方が多いと思います。
学校歯科検診は、集団で行う限り、一次スクリーニング検査(篩い分け検査)であって、篩に引っ掛かった生徒は、かかりつけの歯科医院で精密検査を受けてもらい、治療に進んでもらうという流れになると考えています。
学校における検診は、視診中心なので、その日の天気などによって、精度が上下します。検診用ライトもありますが、十分ではないと思います。
その結果、検診からもれてしまい、治療が必要なのに見落とされる生徒も出てきます。
上記のように、検診事項にない状態の生徒や、検診の精度不足で不幸にして悪いところが見つからなかった生徒が出てきていると思います。
それに加え集団検診という時間の制約もあるので、本来1次スクリーニング検査であるはずの検診が、確定診断に近い検診を要求されているので、あたかもスクリーニング検診なのに正確無比な確定検診であるような誤解が、保護者と先生に生じているように思います。
歯科治療は、何か異常が出てからではどうしても複雑な処置になってしまいます。
日ごろからかかりつけの歯科医院で、チェックしてもらえると歯科校医としても安心なのですが。