広報四方山話 その12

A委員「内分泌攪乱化学物質というのがあります。」

B委員「何ですか?それは。」

A委員「通称『環境ホルモン』といいます。」

B委員「ビスフェノールAとか?」

A委員「それそれ。現在、ヒトや哺乳類に対しては低用量効果も否定されています。メダカだけに環境ホルモン効果が確認されているのみです。1998年政府は環境ホルモン対策に百数十億円の補正予算を計上し、翌年以降も年額70億円から80億円費やしていました。」

B委員「泰山雷同して鼠1匹ですね。ところで、出典は?」

A委員「光文社新書 メディア・バイアス 松永和紀著です。有機食品や無農薬栽培の農産物が化学合成農薬や化学肥料を使って栽培された農産物よりも安全という証拠は無いそうです。」

B委員「有機食品や無農薬栽培の農産物のほうが値段も高いのに?」

A委員「農薬が極力使われず、出来た農産物の残留農薬が無くてもその代わり作物の体内で植物自らがストレスに対して防御物質を作り有害物質となっている可能性があります。」

B委員「身体にいいと思って有機食品や無農薬栽培の農産物だけを食べていると、いわゆる『天然の農薬』を食べているかもしれないというわけですね。」

A委員「最近の農薬は分解性が高くなっているので、人の口に入る頃には影響が無い様になっています。これも、前出の本、メディア・バイアスの受け売りですが。」

B委員「しかも、有機農産物には微生物汚染が懸念されますよね。」

A委員「保健所でのフッ化物塗布時にアナフィラキシーショックの有無を聞くようにもなりました。リンゴにもアレルギーを持っている子供がいるということですから。そこで、充分な問診が必要になってきました。有機栽培の野菜の天然農薬とか微生物汚染も気になるところです。

一つのリスクを軽減したら別のリスクが大きくなるという現象を『リスクのトレードオフ』といいます。医療の現場では至る所で問題になってきます。この本には載っていないのですが、小学校でのフッ化物洗口普及問題もこの類でしょう。」

B委員「フッ化物をう蝕予防に利用するということですね。」

A委員「『保健神戸』No56の、『学校歯科部会』の中に、東京歯科大学衛生学講座教授 眞木吉信先生の講演の要約があります。そこで、『フッ化物の応用については自然科学で解決できる段階ではない。「フッ化物(という言葉ないしイメージ)」が一人歩きしている。これを解決するには社会的な方法、リスクイメージとかリスクコミュニケーションといった方法で解決するしか方法はないのでしょうか。』とあります。フッ化物の危険性は0ではありませんが、う蝕予防という利点を考えれば問題にするレベルではないのです。」

B委員「確かに、メディア・バイアスもありますよね。」

A委員「あと、1999年に江本勝氏が波動教育社から『水からの伝言』という本を出しているそうです。」

B委員「『ありがとう』と書いたラベルを貼ったシャーレに入れた水と、『ばかやろう』と書いたシャーレにいれた水を凍らせた時、言葉の波動を感じて『ありがとう』シャーレの水の結晶は美しくなるという話ですね。」

A委員「似非科学の典型です。学校でもアレンジした話で道徳の時間に普通に語られているとメディア・バイアスに記載されていました。」

B委員「まさか。学校教育の現場で?」

A委員「そこで、小学生の我が子に聞いてみると、ありがとうと言い聞かせた植物は、ばかやろうと貶し続けた植物よりも成長が早いという話を教師が堂々と教えていました。」

B委員「その理論からだと、ありがとうといい続けて無農薬で育てたリンゴは美味しくて危険が少ないと言う事ですか。」

A委員「感謝の言葉は大事でしょうが、誤った情報を織り込むととんでもないことになります。人間はいとも簡単に洗脳されちゃうわけです。北朝鮮を思想統制国家と馬鹿にしている場合じゃないかも。」