A委員「改革、改革、改革無しに前進はないとか言って、世の中が混沌としてくると何が正しいのか分からなくなってきます。」   B委員「郵政民営化から端を発し、雪崩を打って自民党一色になりましたもの。」    A委員「郵政民営化は実質的には郵政営化となる。と説明しているサイトが有りました。」                  B委員「民と私では大違いのような気がしますが。どういう違いがあるのでしょうか?」

A委員「少し詳しく説明すると、公共的な活動には大きく分けて2つの要因があります。

 @国民、市民から集めた税金で雇い入れた労働者(公務員=公僕)が行う活動。政府、市役所、郵便局、公共事業、公教育、警察、消防署など。

A市民(公務員以外)が、地域的ネットワーク、目的ネットワーク、宗教的ネットワークなどを母体として、ボランティアや寄付金などを原資としておこなう活動。慈善事業、NPO、NGO、フリースクール,町内パトロール、消防団、自治会、住民運動など。

B委員「公共と言うのは、私や個に対峙される概念ですね。」

A委員「そうそう、日本においては、@だけが公共だと誤解されている場合が多いと書いてありました。

本来、@が「」で、Aが「」なのです。」

B委員「先ほどの郵便局が民営化になるというのは、民ではなく私となる理屈ですか。」

A委員「規制緩和委員会が提唱する医療に株式会社が参入するのは民営化ではなく私営化であって、国が行う公共事業や医療などの公共サービスにも受益者負担の原理を過度に導入すれば、私企業の営利活動との区別が曖昧になってくる訳です。」

B委員「共同体(国、都道府県、市町村)の構成員、参加者としての個人を、市民或いは公民(citizen)と言って、私人としての個人と区別するべきなのですね。」

A委員「その通り。市民と個人は生物学的には同一の人間なのですが、社会的には見方によって別人となるわけです。」

B委員「アメリカに追従して民営化を推進していますが、私営化を推進しているのであって、格差社会一直線と言うわけですね。」

A委員「また同様に公共性が曖昧になりがちな活動体として公益法人があります。我らが神戸市歯科医師会を始め、日本歯科医師会、兵庫県歯科医師会、各区地方区歯科医師会です。」

B委員「兵庫県歯科医師会橋本会長の年頭挨拶の中にも民の重要性についての日本総研理事長の寺島実郎氏の言葉の引用がありましたね。」

A委員「歯科医療の民営化は、歯科医師会がその担い手の中心のひとつになるべきであって行政や官僚や諮問機関と対立するのがそもそも異常事態だといえます。」

B委員「官や行政や諮問機関が財政問題の安易な解決策として意識的にミスリードしていると勘繰りたくなります。」

A委員「市民、公民の概念が曖昧に理解されていて都合のよい解釈で利用されているわけです。」

B委員「歯科医師会も地域住民、市民に貢献していると言う点では重要な役割があり、これからの改革に対応して重要な民間団体となるには会員の先生方が一致団結していかないと官に都合の良いように振り回されてしまいかねませんね。」

A委員「困難な時代だと言えます。母子保健事業の外部委託が問題になっていますが、私営化を民営化に履き違えた行政の考えが見え隠れしますね。」