四方山話 その3

A委員「疲れました。」

B委員「?」

A委員「月末は、何かと雑用で忙しいのに、出張で千葉まで行ってきました。」

B委員「ご苦労様でした。」

A委員「体が弱いのに、拘束時間が30時間を越えていました。歯科医師会に出務してくださいと言ってもみんな嫌がりますよね。」

B委員「なんか楽しそうに働いている先生もいらっしゃいますけど?生きがいになっているのでしょうか?」

A委員「歯科医師会の会員先生のためにボランティア精神で働いていただいています。歯科医療にかかわらず、医療に携わる先生方は奉仕の精神がとても大事です。」

B委員「衛生士さん、歯科助手さん、受付助手さん、事務員さん、技工士さんなど医療にかかわる人全員ですね。」

A委員「そうそう。その中でも歯科医師はリーダーシップをとって逆境の中での地域歯科保健を担って行かないといけません。」

B「今年の12大市歯科医師会役員連絡協議会のテーマですね。」

A「公益法人制度改革に伴い公益制度改革関連法案が国会で可決されたために、法施行後5年以内にすべての公益法人は、一般公益法人になるのか、新たな公益法人としての認定を受けるのかを選択しなくてはなりません。」

B委員「神戸市歯科医師会も今のうちから準備しないといけません。まだ情報が少なく手探り状態だと聞いていますが。」

A委員「『公益法人の設立許可及び指導監督基準の運用方針』とか、『公益法人に求められる内部保留率は、支出の30%程度以下云々』

とか、よくわからない言葉が飛び交っています。」

B委員「一般公益法人より上級な公益法人にならないといけないわけですね。」

A委員「それだけ社会的責任も大きく、地域医療に貢献する上で行政に対しても対応しやすくなるのではないでしょうか。メリットは大きいと思います。」

B委員「今のうちから準備しておかないと、申請が遅れたら大変なことになりますね。」

A委員「口腔ケアに対する各市の対応、取り組みもさまざまです。よい点は見習わないといけませんが、組織の構成上どうしようもない場合もありますし。基本は歯科医師会会員の奉仕の精神ではないでしょうか。」

B委員「自分の診療時間を削ってまで出務していただかないとどうしようもありませんねぇ。」

A委員「そうなると、未入会員が問題となってきます。未入会の先生はややこしい雑務とは一切関係がなくなり、それなのに、会員先生方の努力で守られてきた社会的な信用や市民の信頼を享受しています。税務上の特典までも。」

B委員「会員の先生方の不平不満も出てきますよねぇ。」

A委員「今回の協議会に行かれた先生方は熱心な先生方で、協議会の次の日も昼食会が総括会(反省会?)となってしまいました。常務の先生は『弁護士は弁護士会に入会しないと実質活動が出来ないのに、歯科医師会は入会しないでも何のデメリットもなく、逆に優遇された状態になる。弁護士会に準じたシステムを構築すべきである』と、発言されていました。」

B委員「協議会でも意見が出ていましたか?他の歯科医師会はどのような意見が出ていたのでしょうか?」

A委員「岩手歯科医師会は、未入会会員自体存在しないので、まったく問題ないとか、入会率の低い都市部の歯科医師会は対応に四苦八苦していて、入会金をほとんど取らないように運動している歯科医師会もあります。」

B委員「入会金がなくなれば、全員入会して運営がうまくいくのでしょうか?」

A「常務がおっしゃるには、『入会金云々の問題でない。若手歯科医師の意見交換の委員会を立ち上げてどのような考え方をしているのか本音の部分を聞いているが、考え方がどんどんドライになっていて、一昔前の医療人の心構え、奉仕精神はどんどん薄れてきていて居る。』と、嘆いていました。」

B委員「医療の教育自体が問われているのでは?」

A委員「厚生労働省は、大学が増えすぎたから削減せよといっています。どこかの会長は、『国立大学を全廃せよ。何故なら多大な税金を使って維持しているからである。』と、過激な発言も飛び交っていました。」

B委員「今回の改訂のような理不尽な改定には財政的な事情が先行しているし医療費削減というのならそこまでで突き詰めても良いかも。」

A委員「そんなことをしたら、どんどん格差社会になってしまいます。余裕のない家庭では歯科医師になれないということにもなりますし、歯科医師の質も問われますよね。より一層自分本位の歯科医師が増えてくるかも。」

B委員「適性検査でも分からないでしょうし、そうなると、教育改革協議会では有りませんが、医療教育改革協議会も立ち上げてもらわないといけませんよね。」

A委員「メタボリックシンドロームは医科の巻き返しの一策でしょうが、歯科は完全に乗り遅れているし、介護保険の中でも口腔ケアの重要性は高いと思いますが、うまく対応できていないのが現状です。」

B委員「それは、拘束時間が30時間を越えるのも無理はないです。内容が濃いし。」

A委員「こんなに困難な状況でもアルコールが入ったからか、総括会で会長は50歳の常務を後継者に指名したり、常務が嫌がったら後継者が居ないのなら一生会長を続けるとか、元気一杯でした。この常務は嫌といいながら会務は立派に果たしているし、次期会長ではないにしても、将来会長になっているかも。」

B委員「陰ながら応援しましょう。」